
本作はある事件をきっかけに車椅子生活を余儀なくされてしまった元捜査一課の刑事とASD(自閉スペクトラム症)で人との関わりが苦手な財務捜査官というまるで正反対の2人がひょんなことからタッグを組み、不思議な友情を育みながら事件の真相へと迫っていくヒューマンミステリー。
【車椅子の刑事】と【頭脳派の財務捜査官】という、出会うはずもなかった2人の凸凹コンビが、時にぶつかり合い、時に手を取り合いながら、“1人では足りないもの同士が出会ったことで一人前に”なり、“時にはそれ以上になれるという化学変化を起こしていく”刑事としては終わったと思っていた男の人生が、この出会いによって生かされ、再生していく(=甦っていく)姿も丁寧に描写。事件を追う中で見られる2人の軽妙な掛け合い、コミカルなやりとりも新たな魅力となって映し出される。

主演を務める織田裕二が演じるのは、「現場100回」が信条の昭和型刑事・郡司孝介(ぐんじ・こうすけ)。「捜査一課のエース」と呼ばれ、検挙数も問題を起こした数もぶっちぎりだったが、ある事件で容疑者にナイフで刺され、所轄の生活安全課へ異動。今では車椅子生活を余儀なくされる。『東京ラブストーリー』、『踊る大捜査線』シリーズなど、時代を彩る名作を数々世に送り出してきた織田。テレビ朝日ドラマに初出演を果たした『シッコウ!!〜犬と私と執行官〜』(2023年)で演じた執行官・小原樹役でも、年月を経たからこその味わいのある芝居で多くの視聴者を虜にした。
俳優としてだけでなく、『世界陸上』のキャスターとしても絶対的な存在感を発揮するなど、俳優の枠を超えた幅広い活躍を続ける織田。今作で演じる【車椅子の刑事】・郡司孝介では、どんな表情でどんな人物像を描き出してくれるのか、期待は高まる一方だ。
そして織田裕二との初共演に臨む小野花梨が演じるのは、ASD(自閉スペクトラム症)を持つ警視庁捜査二課・財務捜査官の阿久都華瑠(あくつ・かる)。一度見たものを全て記憶できる天才的な頭脳を備えているものの、決まった予定以外への対応が難しく、これまではひとりのデスクワークを得意としてきた。郡司のサポート役に抜てきされたことで、否応なく現場へと駆り出されることになり、華瑠自身に変化が。そしてその変化は、次第に郡司をも変えてゆくことに…。
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』への出演や、映画『ハケンアニメ!』で第46回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞するなど、近年目覚ましい活躍で若手実力派女優として最も注目を集める小野。実は今作の阿久都華瑠役は織田からの指名だったことも明らかにされており、日本映像界の第一人者でもある織田と共演を果たす最旬女優の演技にも注目が集まる。
<コメント>
■織田裕二(郡司孝介・役)
以前に『シッコウ!!〜犬と私と執行官〜』でお世話になったプロデューサーに再び声をかけていただけたことが何よりうれしかったですが、【車椅子の刑事】と【ASD(自閉スペクトラム症)の捜査官】のコンビという設定を最初に聞いた時には、「かなり挑戦的な作品だな」と感じました。
しかし多様性の時代と言われる今、こういった凸凹コンビが普通に警察にいるかもしれないと感じさせてくれる作品です。楽しい作品でありつつ、ところどころシニカルな笑いもあって、「なるほどな」と感じさせられることも多いのではないかなと思います。
実際に車椅子に乗って撮影に臨んでみると、車椅子駐車スペースに置かれた「専用ポール」をどかす手間や、砂利道での前輪の引っかかり、古い建物の床の傾きで勝手に車椅子が動いてしまうことなど、日常の些細な「壁」にたくさん気づかされる毎日でした。真夏のロケだったのですが、炎天下にいると、車椅子のフレーム(金属部分)が熱くなって持てなくなるという苦労もあり、夏の車椅子利用の厳しさも痛感しました。車椅子エピソードに関しては、どんどん出てくるくらいいろいろなことを感じた日々でしたね。
これまでにはちょっと見たことがないような、それでいて「ほお」と感心したり「くすっ」と笑えたりしながら、切なくも「ああ良い話だな」と思ってもらえるような、そんな楽しいドラマができました。ぜひご覧ください。
■小野花梨(阿久都華瑠・役)
織田裕二さんの相棒役をやらせていただけるということで、最初は恐れ多い気持ちもありましたが、台本に描かれていた2人の「凸凹コンビならではの愛らしさ」に惹かれ、撮影を心待ちにしていました。
織田さんと初めて共演させていただきましたが、過酷なロケでも現場を明るく引っ張ってくださる姿を見てますます尊敬しました。
ASD (自閉スペクトラム症)のある人物を演じるということで、当事者の方やそのご家族の方とお話しする機会を作っていただき、プロデューサー陣や監督と微調整を重ねながら華瑠さんを作っていきました。
愛らしい凸凹コンビが繰り広げるドタバタ事件劇になっていますので、くすっと笑いながら皆さんにも楽しんでいただけるのではないかなと思っております。事件の真相はもちろんですが、徐々に深まっていく2人の絆とコンビネーションにも注目していただけるとうれしいです。





