
佐野広実による小説『シャドウワーク』(講談社文庫)を映画化した本作。配偶者や親から暴力を受けた女性たちを匿うシェルター“おうち”を舞台に声なき者たちの“極限の決断”を描くクライム・サスペンス。
この日は9月25日(金)からの全国公開に先駆けて完成披露上映会が実施。W主演の吉岡、奈緒をはじめとした豪華キャスト&監督が集結した。

本作のオファーを受け脚本を読んだ吉岡は紀子と奈緒演じる薫の2つの軸で物語が進んでいく構成に触れ「絶対に交わらなかったはずの2人が交わっていく」と説明。サスペンス要素やDVのつらい描写、それに反して“おうち”の柔らかく温かな空気が「混じり合った時に不思議な化学反応を起こして皆さんも物語の世界にぐっと引き込んでくれる作品」と魅力を感じたそうで「これは絶対に演じさせていただきたいって熱い思いになったのを覚えています」と当時を振り返った。
劇中で吉岡が演じるのは新たに“おうち”にやって来た紀子(のりこ)。夫に心身共に支配され、人生を諦めかけていたが、そこでの暮らしを通して、本当の自分を取り戻していく。役を演じる上で「どんどん変化して成長していくって変化のところを1番大事に演じました」と役作りへのこだわりを明かした。一方、実際の一軒家を使用しての撮影では作品の内容とは対照的に「和やかで反対に怖いぐらいすごく私はリラックスして過ごしていましたね」と笑顔をみせた。
また“おうち”のシーンで共演した美保の芝居も印象深かった様子で、美保が荷物を持とうとして結局持たないという芝居を「めっちゃ面白かったです」と振り返り、その自然な振る舞いに「本当に自然で驚かされました」と感心した。さらに「色っぽさが隠しきれてなくて、そこも好きでした」と笑顔をみせると、美保から「エロいですか、私」とまさかの質問が飛び出し、吉岡もたじたじに赤面していた。

イベントでは作品の舞台となる“おうち”にちなみ、自身の“こだわりのおうちルール”を発表する場面も。吉岡は「仕事を忙しくしてるとすごい時間が惜しいので簡単な作業はすごい俊足でやるって決めてます」と告白。お風呂上がりに体を拭くことやベッドメイキングなどを例に挙げ、ジェスチャーを踏まえながらとにかく素早く済ませることにこだわっていると明かしていた。
最後に吉岡は「善悪って簡単には説明がつかないってのはよくあると思うんです。ですけどこの映画はまさにそういう議題」と作品のテーマに触れ、「皆さんにとって何が悪で何が善なのかを映画終わった後に考える時間を作っていただけたらとても嬉しい」と呼びかける。自身も撮影を通して何が正しいのかがどんどんわからなくなっていく時間があったと言い、「自分自身が作品を通して自分と思考するのは本当にかけがえのない時間になると思います」としみじみ。さらに「自分の中にある弱い部分に対して『弱い心なめるなよ!』って私は思いながら演じていた」と力を込め「自分自身のことも鼓舞していただけたら嬉しい」とメッセージを送った。







