――いわゆる2.5次元と呼ばれるジャンルの舞台に数多く出演しています。このジャンルなりの難しさや意識していることはありますか?
2.5次元といってもいってみれば同じ〝舞台〟なので、ジャンル分けする必要はないと僕自身は思っています。強いて言うなら原作があるということは台本をみんなに配られてしまっているということなので、より演じる側が難しくなるなと。キャラの解釈ひとつにしても、原作を知っている方なりの解釈があるわけだから、万人に通じる解釈というのはないんですけど、そこをなんとか認めてもらえるように自分なりの解釈をしてキャラを作っていかなきゃいけない。その点が難しいとは思いますね。
――今作で注目してもらいたいシーンはどこでしょう
一番の見どころは御芍神紫との殺陣ですね。末満さんもそれがめちゃくちゃ楽しみと言って下さっていたので、きっとすごい立ち回りになるんじゃないかなと。僕から今、剣を振った後の小さな動きや太刀筋まで合わせて、殺陣というより剣舞をしているようにしたいと提案しているところです。本当に息がぴったり合えば「この2人の殺陣すごい!」って思ってもらえると思います。

――ここからは荒牧さん自身のお話を少し。デビューのきっかけを教えてください
端的に言ってしまうと、興味本位で飛び込んだんですよね。
――もともと興味があったわけではなかったんですね
はい、全く(苦笑)。でも唯一興味を持った瞬間が、高校の頃の同級生が俳優をしていて、彼の俳優の仕事をしている姿を見た時ですね。いったんその気持ちはそこで終わってしまったけど、大学に進学して就職時期に悩んでいた時に再び俳優に興味あるかも知れない、挑戦してみたい、と思って飛び込みました。でも親が厳しかったので、大学の卒業が絶対条件でした。
――大学卒業してからとなると、芸能界入りとしては遅めです。最初は苦労することも多かったのでは?
大学の同級生たちは「何やってんだ!?」って感じでした(笑)。みんな企業に就職していたし、大学まで卒業してからこの道を選んでいるので「失敗すんぞ!」みたいなことをたくさん言われたんですけど、「見てろよ」っていう気持ちでここまできました。
――小さい頃はどんな子供でしたか?
アクティブでしたね。いたずらっ子でもあったし、外で遊ぶのも大好きでした。友達も多かったです。外で遊ぶアウトドア派とゲームが好きなインドア派のグループがあって、僕はその中間にいたので、あっちに行ったりそっちに行ったりしていました。
――お休みの日は何をしていますか?
とりあえず寝たいですね!12時間くらいぐっすり寝て、あとは家の掃除をして荷物整理したら1日終わっちゃう気がします。
――忙しい毎日ながら、最近ハマっていることは?
ハマってるのはオンラインゲームなんですよ。「レインボーシックス シージ」(シューティングゲームの一種)っていう5 vs 5のゲームなんですけど、それにハマっています。時間を忘れてやってしまって、気が付いたら朝になっていることも(笑)。
――今後共演してみたい方は?
山田孝之さんとか藤原竜也さんのようなカメレオン俳優と呼ばれている方に憧れていて、いつか共演をしてみたいと思っています。僕自身そういう演技をしたいなと思っていて、カッコイイだけじゃなくて、カッコ悪い演技もクズな演技も誰から見ても「うわ、なんだこいつ」って思われる演技もしてみたいです。
――今後演じて見たい役どころは?
ザ・悪者。ですね。見ている方が、こいつが出てきただけで不快になるというくらいの悪者をやってみたいです。
――最後にファンの方にメッセージをお願いします
舞台『K』という作品が始まって4年目になりますが、最初から見ている方も最近知ってこの舞台『K』という作品に興味を持った方もみんなが楽しめる作品になっています。そして僕とヒデくん演じるクロと紫の殺陣を楽しみにしていて下さい。


写真:秋葉 巧、ヘアメイク:宮崎 恵子、文:水出綾香