――舞台『大きな虹のあとで~不動四兄弟~』の再演が決定。昨年に引き続き2度目の出演ですね
この作品をもう一度できることがすごく意味があることで嬉しかったです。前回は楽しい思い出がたくさんあったので、今年も出演が決まってワクワクしました。
――女学生の花は喜多さんにとってどんな女性ですか?
空気が読めてしっかり者で社会性に溢れた女の子。ヒロインの麻樹もしっかりしているんですが、花はみんなを影から見守ってくれている、実はしっかり者というか。温かい、芯の強い子です。

――自分と似ている部分も?
私は長女なので、責任感があるという面では似ているかもしれません。
――昨年の舞台を踏まえ、2度目の花を演じる上で意識していることは?
前回から活かせる部分もたくさんありますが、2回目というのはそれ以上のものを持って来るのが当然だし、それに加えて新しい一面を見せることを意識しています。2回目のお客さんにも楽しんでもらえるようにしたいと思ってます。
――稽古場の雰囲気は?
ちょうど全体の流れや、外枠の部分が完成してきました。これから体力的にも一番しんどくなってくるし、アイディアがどんどん出なくなってくる難しい時期になってくると思うんですけど、今はまだみんな和気あいあいとしています(笑)。
――その“一番しんどい時期”に向けて取り組んでいることはありますか?
やっぱり舞台は声が大事なので、喉を強くしようと思って毎回稽古が始まる前にみんなで発声練習をしています。実はこれも結構体力がいるんですが、1日2公演の日もあるので、本番で声がつぶれないように頑張っています。
――稽古中の印象的なエピソードは?
印象に残るというか……、稽古が始まるとお互いに役名で呼び合うんです。最近はみんなから「花」って呼ばれるし、私もみんなのことを「麻樹」「緑」「百合」って役名で呼ぶんですけど、最初のうちは緑役の(桜田)ひよりちゃんのことを「ひよりちゃん」って呼んでしまったり(笑)。最近やっと慣れてきました。
――女学生たちの恋の行方も気になります
大地と草太、麻樹と緑の4人のシーンがあるんですが、緑がとってもおもしろいです(笑)。緑が麻樹の恋を応援するために、ちょこちょこ頑張る姿にぜひ注目して下さい!

――不動四兄弟に特攻隊として出撃の命令が下って……、一気に“戦争”が迫ってきますね
そうですね。観てくださる方はその辺りから一気に感情が動かされると思います。
――改めてこの舞台は喜多さんにとってどのような作品になりましたか?
この舞台は戦争の真実を伝えるというより、戦争を知らない世代の方々が戦争を知る入口になる作品かなと思っていて。作品自体は言葉も標準語だし、坊主でもないし、当時の戦争を経験した方からしたら「そんなんじゃない」と思われてしまう部分もあると思いますが、特攻を知らない世代に“特攻ってなんだろう”という興味を持ってもらえる作品になったらいいなと思っています。戦争というものを知ってもらうきっかけになれば。