――ミュージカル『刀剣乱舞』が10周年を迎えますが、ここまで長く愛され続けている理由はなんだと思いますか?
もちろん原案のゲーム「刀剣乱舞ONLINE」やキャラクターの魅力もありますし、ミュージカルにおいては、それを演じるキャストの魅力、キャラクターの姿を作り上げるヘアメイクや衣裳さんの力だったり、様々な要素があります。それに、刀剣男士という元々がモノであったキャラクターが、心を揺さぶられたり葛藤したりする姿に、僕らが普段生きていて忘れがちで大事なことを再認識できるというか、気づかされる部分があるんです。それを描こうとする作品だから、観ていて面白いのかなと。あとは、常に新しいことにチャレンジしているカンパニーだと思うので、そういうところも愛されているのかなと思います。
――今回の『坂龍飛騰』では、坂本龍馬が出てくるのも見どころの一つですよね
間違いないです!今までにない坂本龍馬の描き方をしていると思うので、そこは間違いなく見どころの一つです。龍馬を演じる上山(竜治)さんも本当に素敵なので。
――既に公演は始まっていますが、楽しみにしてほしいところはありますか?
それはもう龍馬と陸奥守吉行のかかわりですかね。
――脚本を読んで涙したのもふたりのかかわりですか?
龍馬と陸奥守吉行の関係や、周りの関係もそうですけど、満を持して龍馬がミュージカル『刀剣乱舞』に現れたので。『結びの響、始まりの音』でもちょっとだけ登場しましたけどすぐに殺されてしまって、でも今回はしっかりと描かれているなので、そこはぜひ楽しみにしてほしいです。「刀剣乱舞ONLINE」のメディアミックスには色んな本丸があって、龍馬と会う時の陸奥守吉行の反応もそれぞれ違うと思うので、ミュージカル『刀剣乱舞』ではどう向き合うのか、注目してほしいです。


 

――ありがとうございます。ここからは田村さんご自身についても伺います。俳優デビューされて10周年を迎えますが、この10年を振り返ってみていかがですか?
あっという間でしたね。気づいたら10年、みたいな感じです。振り返ると長かったし、色んなことがあったなと思いますけど、10年続けられたことがありがたいです。この前、一人でカレーを食べていたら、隣に養成所の同期がたまたま座ってて。その子はもう今は俳優をやっていないんですけど、「今何してるの?」と聞かれて、「ミュージカル『刀剣乱舞』って作品の本公演に7年ぶりに出るから稽古してる」って言ったら「すごいな。10年役者続けるってまじですごいよ、同期の星だよ」みたいなことを言われて、そんなこと無いんだけどな、と思いつつ……。でも確かに10年続けられるって当時は思っていなくて。10年後も役者をやっていたいと思っていましたけど、本当にやれているとは想像もついていなかったので、心からありがたいなと思います。
――タレントデータバンクの取材は6年ぶりとなり、当時、共演してみたい方について「お世話になった方々に成長した姿を見せたい」と話していて、今回のミュージカル『刀剣乱舞』で実現されるのかなと思うのですがいかがですか
まさにそうなんですよ!僕の10年が詰まったような作品で、演出の茅野さんとも出会って10年近いですし、養成所の頃にレッスンを受けていた当時の先生でもある日野(陽仁)さんが、今回勝(麟太郎)先生役として出演していて、僕からしたら本当の先生なので、大事にしたい感慨深い作品になっています。


 

――そしてこの度、自身初のカレンダーを発売されるんですよね?
そうなんです!すごい変なカレンダーで、毎月、カレンダーからアクリルスタンドと台座をくり抜けるアクスタカレンダーというのを作ったんです。着想から2年でやっと発売になるという。
――すごく手の込んだカレンダーですね
結構愉快なアクスタが1年で12個揃います。毎月1日になったら見て、くり抜いてもらって、SNSとかでネタバレしないでねというのは徹底したいなと思います。先を見ちゃう人がいると思うので(笑)
――衣装も12パターン用意されたってことですよね?
全部変えてます。こういうアクスタを作りたい、というところから着想して、この月はこのアクスタ、この月はこのアクスタ、って構成も考えました。しかも僕のスケジュールに合わせて、世界初の6月スタートとなっていまして。世界のルールに則ってないカレンダーです(笑)

――約10年、役者として走り続けてきて、今後挑戦してみたい役ややってみたいお仕事はありますか?
お芝居をずっとしていたいですね。最近やっと悪役とかちょっと変わった役など、色んな役をいただけるようになってきて。でもまだちょっとかわいいみたいなイメージが世にはびこっているので……悪くないんですけどね!(笑)。今後もっとより幅を広げるために、“かわいい”を払拭していけたらなと。でも、色んな役をやってみたいですね。役者冥利に尽きる役ってやっぱりあって、今回の陸奥守吉行は特にそうですが、役者冥利に尽きる役だなと感じるので、一個一個ちゃんと向き合って乗り越えて、また新しい役に出会ってというのを繰り返していきたいなと思います。
――プライベートで挑戦してみたいことはありますか?ちなみに6年前は……
なんだろう……旅行とか言ってるのかな?
――正解です!
今そう思いましたもん(笑)。実際に旅行には行きました。でも数えられるぐらいですね。変わらず旅行に行ってみたいですね。僕、マイルが貯まってるんですよ!マイルを使って、お金をかけずに海外旅行に行きたい(笑)
――旅行に行くなら国内ではなく海外ですか?
そうですね。コロナ禍とかで全然行けなかったし、行く機会も無くなってしまって、最近やっと皆も海外で仕事とか始まってきているので、プライベートでも仕事でも行けたら嬉しいです。
――具体的に行きたい場所はありますか?
僕はヨーロッパに行ったことが無いのでヨーロッパとか、あとはずっと言ってますけどエジプトとかもすごい魅力を感じちゃうタイプなので。マチュピチュとかペルーとか……プライベートで挑戦したいことは、マイルを使って海外旅行ですね!(笑)
――では、最後にファンの方々にメッセージをお願いします
本当に皆さん、いつも応援ありがとうございます。10年やってこれたのは、応援してくださるファンの皆さんがいたからだなと常々思うので、皆さんに恩返しできる機会を設けて、特にこの1年は大事に向き合っていきたいなと思っています。そしてまた、これから先に続けていけるように、応援していて良かったなと思われる人間になれるように頑張りたいなと思います。


撮影:秋葉巧