――前回インタビューさせていただいてから2年半経ちましたが、その頃と比べて変わったところはありますか?
取り繕うことなく自然体に、前より気負わずに仕事場に居られるようになったかなと思います。前はこういう風に見せなきゃとかもっとしっかりしなきゃって変に自分が気を遣いすぎて疲れちゃった部分があったんですけど、良い意味で気を遣わなくなったのが大きいのかなと。
――お芝居に対する向き合い方に変化は?
作品や役によりますが、入り込みすぎないように意識するようになりました。前に入り込みすぎて人に当たってしまったこともあったんですけど、それはこの先も仕事を続けていくには必要のないことだなとここ1、2年ですごく感じて。家でも作品のことを考えることは変わらないんですけど、役の事情を私生活に持ってこないようになりました。だから人との接し方も気を遣いすぎなくなったのかもしれないです。
――そんな気持ちの変化は愛猫のまるさんの存在も大きいですか?
そうですね。3年前から飼い始めたんですけど、それぐらいの時期から周りに「なんか丸くなったね」って言われることが増えてきました。元々猫を飼おうって思ったのも、自分の近くに命を守る存在がいたら何かまた一つ変わるんだろうな、と考えていた時に出会ったのがうちの子で。自分以外の存在が常にあるというのは生活リズムやサイクル、お金の使い方も変わるわけで、小さなことから大きなことまで私の中ではすべて新しくて新鮮で、大変でもあるけど楽しくて。言葉は喋れないですけど、小さな命から色んなことを教えてもらっているなって思います。
――Instagramに載せられている写真からまるさんがどんどん成長しているのが伝わります
今は4キロ近くあって、どんどんデブになってるんですよ!ダイエットご飯をあげたらあまり合わなかったみたいだったので、高いご飯に変えました(笑)。お母さんはまるのことを初孫だって言ってすごく貢いでくれて、基本的にお菓子はお母さんからもらってます。

――Instagramにはご自身が視聴された作品も記録されていますが、何を基準に視聴作品を決めていますか?
この月は本を読みたい、この月は韓国ドラマが見たい、この月は邦画を見たい、って月の頭に気分で見るジャンルを決めてます。あとは映画の作品に入る前とかは、似たジャンルの作品を観ておいて撮り方とかをイメージ出来るようにしたりして。半ば趣味、半ば仕事みたいな感じです。
――ちゃんと記録として残しているとその作品のことも覚えてられますよね
ポスターの画は浮かぶんですけどタイトルが浮かばないことが多くて、あれ見たんだけどなんだっけ……ってなった時に確認してます(笑)
――今回取材させていただくにあたりこれまでどんな作品を観られたのか拝見したのですが、全話観られたと書いてあった『犬夜叉』は私も好きな作品です
本当ですか?嬉しい!『犬夜叉』が大好きで、去年犬夜叉の展示会が池袋でやっていて、誰誘って良いのか分からなくて一人で行ったんですけど、写真を撮りたくても撮れないってことに気づいて。近くの店員さんにお願いして撮ってもらいました(笑)
――大ファンなんですね
『半妖の夜叉姫』も見たんですけど、1話がレジェンド勢揃いだったじゃないですか。親友の生駒(里奈さん)とLINEで実況しながら、オンタイムで1話を見届けました。もう涙が出てきちゃって、 生駒と二人で「生きてて良かった」って話していました(笑)。犬夜叉は私のバイブルです。
――最近見た作品でオススメはありますか?
中村倫也さんが主演の『水曜日が消えた』という作品です。主人公は曜日ごとに人格が変わるんですけど、私の職業って曜日で動く仕事ではないので、OLの方や学生さんでアルバイトしている方は曜日で色んなサイクルが決まっているんだというのを、物語を見て改めて自分の職業とまた違った世界なんだというギャップを感じられました。あとは、曜日ごとに7役も演じ分けられていた倫也さんも素敵でしたし、元々舞台をやられていた方なので台詞がすごく聞き取りやすくて、あっという間に見終わりました。
多重人格の役だと『真実の行方』や『ファイトクラブ』に出演していたエドワード・ノートンがすごく好きなんですけど、多重人格を演じられる人はもしかしたら人間観察が上手な人なんじゃないかなと思っていて。お芝居を通り越してその人自身がどういう風にその役を作り上げているんだろうっていう想像も膨らんで、すごく面白かったです。邦画の中では、私の中でヒット作でした。
――私もチェックしてみます。今後挑戦してみたいお仕事は?
最近考えててパッと浮かんだのが、MVのお仕事をやったことがないんです。エイベックスに所属しているのに(笑)
――確かにアーティストさんがたくさんいらっしゃいますよね
13年もいるのに1回もやったことがなくて、1度チャンスがあったんですけどダンスが踊れなくて参加することが出来なかったんですよ(笑)。MVは映画とかよりも時間が短いので移動時間に見やすくて好きなんです。映像もすごく綺麗で、出演されている方の表情で歌詞と物語をリンクさせている部分が多いので、言葉なしにしても伝わる気持ちや感情を表現出来る場所なんだなとすごく感じました。今回ラブストーリーをやらせていただいて、恋愛の曲のMVに出てみたいと思ってます。
――楽しみにしています。それでは最後にファンの方々へのメッセージをお願いします
小学校6年生から仕事を始めて、最近やっと自分の職業を聞かれた時に「女優です」と迷うことなく言えるようになってきた部分が多くて、それは多分自分の中でこの先も女優をやっていきたいんだっていう決意が固まった証拠でもあると思います。それもこれまで応援してくださった皆さんのおかげだと思うので、これからも妥協せずに新しいことに挑戦することに臆病にならずに、楽しいことをやっていきますので見守っていただけたら嬉しいです。


撮影:秋葉巧、文:村松千晶