――女優デビューとなった『CHANGE』以来およそ11年ぶりの月9出演ですが、出演が決まった時の気持ちを教えてください
何も分からないところから始めた、11年前のスタートを切らせていただいた場所が月9で、自分の中で憧れでもありまた必ず帰ってきたいと思う場所でもありました。それが今回やっと叶って嬉しいです。
――『トレース~科捜研の男~』の原作者の方が元「科捜研」ということでリアルな本格科捜研サスペンスになっていますが、台本を読んでみた感想は?
最初は、もっと難しい話なのかと思っていました。科捜研って私生活の中では遠い存在で、理解出来るかどうか不安だったんです。でも読んでみたら一つ一つが細かくわかりやすく説明されていて、これは役者さんがお芝居でより鮮明に物語を伝えたら絶対に人の心に届くだろうなと想像出来ました。私自身も完成が楽しみで、早く見たいなって思う台本でした。

――山谷さん演じる沢口カンナはどんな役どころですか?
科捜研の新人研究員・沢口ノンナの妹で、警察署の会計課事務で働いています。内気で人に物事を強く言えない内向的な性格のお姉ちゃんに対して、カンナは結構物事をズバズバはっきり言ったりオシャレが大好きだったりと明るい性格の子です。人の話を聞くのが上手でよくお姉ちゃんの相談に乗っていて、どちらかというと妹の方がしっかりしていますね(笑)
――ちなみに、山谷さんはご姉妹はいらっしゃるんですか?
3つ下の妹がいます。
――では今回は実生活とは逆の立場になるんですね!
そうなんですよ!だから不思議ですね、「お姉ちゃん」ってセリフが。今まで「お姉ちゃん」と言ったことがないので、結構むず痒いです(笑)
――お姉さんを演じるのが新木優子さんですが、新木さんの印象は?
表舞台に出ている時と変わらず明るくいろんなスタッフさんに話しかけていて、太陽みたいな人です。今回の作品で唯一過去に共演したことがあるのが新木さんだけなので、顔を見るだけで安心しますね。助けてもらっています。
――現場でもたくさんお話をされているんですか?
番宣で緊張して言葉が出ない時に隣で代わりに言ってくれたり、「大丈夫だよ」って言ってくれたりとか。カメラが回ってないところでは新木さんの方がしっかりしています(笑)
――新木さんの他にも錦戸亮さん、船越英一郎さんという幅広い年代の役者さんが揃っていますが、印象はどうですか?
今はほとんど新木さんとのシーンが多くて、ドラマの撮影内ではそのお二人とは共演する機会がないですが、バラエティ番組でご一緒した時は気さくに話しかけていただきました。1人1人を立てるように話を振ってくださって、先輩としての心遣いを感じて素敵だなと思いました。
――物語は序盤ですが、今後共演される場合は楽しみですね
そうですね。科捜研をテーマにしたお話ですけど、カンナだけ科捜研とは違う世界で生きているので、そう考えると今は役と同様に近くて遠い感じです(笑)
――カンナを演じる上でこだわりたいところは?
なるべくセリフを早く言おうと心がけています。科捜研の話の部分を緊張感持ってやっている中、カンナが出てくるシーンは箸休めではないですけど、ちょっと気を抜いて見てもらいたいからこそ中弛みしたくないなというのもあるので、テンポ感を大事にしたいですね。明るくハキハキしている子って早口で前のめりに喋る印象があるので、それを意識しながらセリフとセリフの間を詰めて喋るようにしています!

――山谷さんとカンナの共通する部分はありますか?
自分の話をしてから人の話を聞くんじゃなくて、人の話を聞いてから自分の話をするっていう順番が一緒ですね。カンナと違って話すことは得意ではないんですけど、人の話を聞きたいっていう根本は同じなのかな……。
――撮影中の印象に残っているエピソードは?
初日の撮影の時に、ドアをノックするシーンでNGを出しました(笑)。緊張していたんでしょうね……なかなかOKが出なくて。顔は映っていない手元の寄りのシーンだったのに、何をやってきたんだろうこの11年……って。11年前の方が良かったんじゃないかってすごくヘコみながら帰りました(笑)
――山谷さんから見た作品の見どころを教えてください
1話はノンナが科捜研の世界に入って錦戸さん演じる真野との出会いから話が進んでいくのですが、幅広い年代の方に見ていただきたいですね。身近なニュースで流れるような事件の裏側やその中での悲しみや葛藤、成長を描いているので、私くらいの年代の方もタイトルだけを見て「ちょっと難しそう」って前提じゃなく、とりあえず1話見てみようって思ってもらえればなと。科捜研と聞くと、ちょっと上の年代の方が見る作品っていうイメージがついてしまった部分があるかもしれませんが、その概念がこの作品を通して変わればいいなと思っています。