――ここからは山谷さんご自身のお話を。デビューのきっかけを教えてください
小学5年生の冬に担任の先生に「エイベックスの全国オーディションがあるけど受けてみない?」って言われたんです。元々将来の夢について話した時に「テレビに出たい」って言ったのを覚えてくださっていて。当時住んでいた宮城でもオーディションが開催されることを教えてくれて、受けに行ったのがきっかけでしたね。
――「テレビに出たい」ということは、元々芸能界に興味はあったんですか?
子どもの頃テレビを普通に見ていて、テレビの中に人が入っていると思っていたんですよ!なのに、CMになると同じ人が違う服で出てくるのが分からなくて。テレビに出演するっていうより、仕組みを知りたかったんです(笑)
――デビューしてから11年の間で転機になった作品はありますか?
2つあるんですけど、最初は中学1年生の時に出演した映画『告白』です。初めて作品が作られていく過程を知りました。ものづくりの面白さやこんなにたくさんの人が関わっていることを知り、それをもっと色々な作品で味わいたいなと思いました。
――2つ目の作品は?
去年出演させていただいた映画『劇場版コード・ブルー』です。『告白』の時に感じた気持ちで10年やってきた中で色々なことがあって、本当に自分はこの仕事を続けていけるのか悩んだ時に出会った作品です。この役を自分が演じることが出来て、たくさんの人に見てもらえたらこの仕事を続けていける自信になるのかなと思って受けたオーディションでもあったんです。オーディションに合格して、実際に公開された後の反響を自分の目で確認してこれから先も頑張っていきたいなと思えました。
――結婚を控えた末期がんの女性を演じ、髪を丸刈りにしたことも話題になりましたよね
髪はフジテレビの楽屋で、バリカンで刈りました。あの役に助けてもらった部分も多く、本当に腹をくくった役でもあったからこそ、それが自分にもリンクしました。この役の影響を受けて今までの価値観や自分がこれから目指していきたいものも変わったので、この作品に出会えたことはとても大きかったです。

――ちなみに、最近ハマっていることは?
インドアに磨きがかかりました。元々外に出ない性格だったんですけど、猫を飼い始めてからは一緒にこたつで丸くなるか、猫を膝の上に乗せてアニメと映画を見るのが私の中でのルーティーンになっています(笑)
――どういう基準で見る作品を選んでいるんですか?
予告とあらすじを見て楽しそうと思った作品や、あとはポスターで決めます。奇抜だったり、攻めていたり挑発するような言葉が書かれているポスターの作品は見たくなりますね!
――それを猫と一緒に見るんですね(笑)
そうですね。猫はハードアクションが好きなんです(笑)。刀とかを振っていると、テレビの前で仁王立ちしてペンペン刀を追いかけるので画面が見えなくなるんですけど、そこがまた可愛いんですよね。
――お休みの日もずっと家で過ごしているんですか?
映画を見ること以外には料理や読書と、基本的に家で出来ることをしています。それこそ、新垣結衣さんにお会いした時にすごく肌が白くて「なんでそんなに白いんですか?」って聞いた時に「外に出ないから」っておっしゃったんですよ(笑)。ここまで白くなれるのなら私もそうなりたい!と思って。その影響もあって外に出ないのかもしれないですね(笑)。新垣さんのようになりたいっていう憧れがあります。
――2019年の抱負は?
2018年は「覚悟」や「決意」だったり、自分の中の気持ちが固まる1年でした。なので、2019年はその固まったものを継続していく1年にしたいですね。一つ一つの作品を同じ気持ちでやって、経験がないことに出し惜しみなく挑戦していきたいです。あとは来年23歳になり、そろそろ制服がキツくなってきたので(笑)、学生役もタイミングを見て数を重ねていけたらいいなと思っています。
――最後に、ファンの方へメッセージをお願いします
いつもありがとうございます。2018年で固まった自分の意思を、今後は見てくださっている方々に自分の好きなこと、続けてきたことで証明していきたいです。良い意味でも悪い意味でも、期待を裏切るような存在でありつづけられたらなと思います。『トレース~科捜研の男~』もぜひ見てください!


撮影:秋葉 巧、文:藤森 大輔・村松 千晶