――『私の正しいお兄ちゃん』に出演が決まった時の心境を教えてください
これまでも少女漫画原作の作品に関わらせていただいたことがありましたが、どちらかというと主人公とヒロインの恋仲を邪魔することが多くて、ちょっと視聴者の人から嫌な目を向けられることもあったので(笑)、今回憧れていたラブストーリーのヒロインを演じる機会をいただけてすごく嬉しかったですね。ずっと追いかけていた夢が一つ叶ったなって喜びが大きかったです。
――台本を読んでみた感想は?
王道のラブストーリーではなく、主人公とヒロインのどちらも過去に大きなバックボーンを抱えていて、人にあまり話すことが出来ない痛みや悲しみ、孤独を抱えた人間味溢れる登場人物がたくさん出てきたので、映像として見た時にきっと面白いものが出来るんだろうなって思いました。

――山谷さんが演じた木崎理世の役どころを教えてください
幼少期から家庭環境が複雑で、一見ほんわかしてか弱そうに見えるんですけど、一人で力強く生き抜いてきた、そんなパワーのある子です。恋愛の方は海利(古川雄大さん)と出会って初めてするんですけど、ちゃんと自分の想いを言葉にして伝えることが出来るたくましい子だなっていう印象です。
――役とご自身で似ている部分はありましたか?
現場では、私の顔と原作の画が似てるって言っていただきました。内面の方は、ちょっと涙もろいところとか似ているかもしれないです。
――どういった場面で涙もろくなるんですか?
最近はCMを見ただけでも涙が出てきちゃって、感動しやすくなりました。でも理世ちゃんの場合は、私生活の場面で傷ついたり、例えば気になっている人が女の子と仲良くしているのがすごく悲しくて一人で泣いちゃうようなまた少し違ったジャンルではあるんですけど、人目をはばからず涙を流せるのは共通しているかなと思いました。
――演じる上で気をつけた点は?
私自身落ち着いて見られることが多くて結構物事をハキハキ言う性格なんですけど、そこが理世ちゃんは違うので、出来るだけ台詞の言い方は柔らかく優しくゆっくり、声のトーンも普段の地声よりちょっと高めに心がけていました。なるべく幼く見えるように、歩き方だったり動作の部分でも普段自分がやらないことを意識して、何も染まっていない無垢な感じを表現出来るように演じました。
――主演を務めた海利役の古川さんの印象は?
多分最初は人見知りだったのか、静かなイメージだったんですけど、日に日に人見知りの殻を破ってくださって、最終日が近づく頃には何気なく話せるくらい距離は近くなりました。「ミュージカル界のプリンス」って印象があったので、ナルシストだったらどうしようって勝手なイメージがあったんですけど、ご本人はそれを全く意識されずに現場ではフラットにいてくださって、ものすごく普通を大事に過ごされていて、だからこそ私も現場で自然体にいることが出来たのではないかなと思っています。
――撮影は既に終えられているとのことですが、撮影現場の雰囲気はどうでしたか?
結構ハードなスケジュールでしたが、アットホームな雰囲気で、古川さんもすごい落ち着いた方だったのでメリハリがありながら、皆で面白い作品を作ろうっていう団結力がちゃんとある大人な現場でした。
――撮影中のエピソードはありますか?
今回「睡眠」もテーマにあって海利も理世ちゃんも結構寝るシーンが多かったんですけど、結構タイトなスケジュールだったのでお互い何回か本当に寝ちゃって。もしかしたらどこかに本当に寝ているカットが入っているかもしれないです(笑)
あとは、7月に撮影していたんですけど設定が秋や冬だったので、暑さを感じさせない皆の頑張りも見てほしいです。冬服で撮影していたのでサウナスーツを着ているような感じだったんですけど、堀井(新太)さんだけはサウナ大好きみたいですごく喜んでました(笑)

――山谷さんはもし好きな人が何か隠し事をしていたら、追及するタイプですか?それとも何も言わずに見守るタイプ?
直接的に聞くんじゃなくて、「前に聞いたよ」っていう体にして相手がうまく吐くように誘導します。なので追及する方かもしれないですね。
――隠し事は嫌ですよね
話しすぎだよ、っていうぐらいにちょっと隠し事があっても良いんだよってぐらいな関係が良いです。
――作品の見どころを教えてください
王道のラブストーリーとは違ってちょっとサスペンス要素も含まれていて、二人の恋愛の成長と同じくらい、一人一人の人間としての成長も描かれています。最近だと人と関わることがすごく減ってきていて、なるべく人と接しないように過ごしている方もすごく多いと思いますが、やっぱり人は一人じゃ生きていけないんだよっていうことをこの作品を通して改めて感じることが出来ると思うので、ぜひご覧ください。