――本作のオファーを受けた際の心境を教えてください
映画に出演するのがソロになってからは初めてだったので、まず“映画に出られる”という喜びの方が先にあって、あとから、誰も観てくれなかったらどうしよう……みたいなプレッシャーが来ました。映画は映画館に足を運んで観るもので、偶然テレビで観るのとは違うので、そういうアクティビティ的な不安はありました。
――鈴木さんの中で映画は特別な位置づけにあるんですね
映画はスクリーンに映写されるものなので、紙を見ている時と一緒で、アナログなものを見ている感覚と同じイメージがあると聞いたことがあり、そういう面では映画は映画館で観ることに意味があると私は思っていて、映画館で自分のお芝居を観ていただける、何かを届けることができるというのはすごく光栄なことだなと思いました。
――作品のテーマについてはどのように感じられましたか?
最近はラブコメ作品への出演が多かったのですが、年齢的にもヒューマンものや、お芝居で社会に問いかけたり訴えたりできる作品をやってみたいという想いがあったので、やりたいという一心で受けさせていただきました。
――いつも新たな挑戦をされているイメージがあるのですが、モチベーションの維持はどのようにされているのでしょうか?
多分、何か挑戦しないと倒れちゃうんです(笑)。自分に飽きちゃうことがすごく怖いので、小さくても良いので何かしらチャレンジしてみる、そして新しい自分の何かを見つける、みたいなのは、些細なことでも常にやるようにしています。前進している感覚を得られるようにしたいというだけで、意識的に何か挑戦しているわけではないですが、親がアスリートなので、血が騒ぐのかもしれないです(笑)


 

――鈴木さんが演じる中学教師・えりこについて、どのように捉えて演じられましたか?
元々、えりこは、人との関わりの中で傷ついた経験を抱えたまま大人になった人物だと思っています。勇敢な部分を持ち合わせているからこそ教師になって、また誰かと向き合っていくんですけど、そのたびに自分自身もしんどくなってしまう。そういうことを繰り返している人なのかなと感じました。自分的にも遠くないなという面が多かったので、結構すんなり共感できて、苦労せずに溶け込むことができました。
――役を演じる上で大切にしていたことや意識していたことはありますか?
今まで先生を一つにカテゴライズして考えていたんですけど、小学校、中学校、高校、大学で全然違うなというのが明確に分かりました。特に中学校教師は、義務教育でありながらも、子どもは思春期でちょっと大人になり始めていて、親もすごく関与してくる年代で、国からの決まりと学校の決まりと、親と子どもに挟まれて大変なことが多いんじゃないかなというのはすごく感じました。先生役を演じてみて、先生も誰かの子であるんだと思い、自分が将来、親になる時に、子どもを学校に通わせることがあったら、今回のことがきっかけで先生に対する考え方はすごく変わるだろうなと思います。
――塚本(連平)監督から言われて印象に残っている言葉や演出があれば教えてください
本読みの時に「そのままで来てください」みたいな感じで言っていただけたのが印象的で、そのまま!?って逆に悩みました(笑)。塚本監督の作品のファンだったので、監督の作る世界に入れるのはとても光栄だった中、監督が今、何を撮ろうとしているのか、会話もしながらその場の空気感をしっかりつかんでお芝居をしようと心がけました。そのままで来るというのはそういう意味かなという感じで、えりことしていかに日々を過ごせるかはすごく意識していたと思います。


 

――役とご自身で似ている部分はありましたか?
めっちゃ似てます!私も元々勇敢というか、小さい時は堂々として弟を守る、みたいなお姉さんだったんですけど、大人になっていくうちに、色んな傷も積み重なって、言えなくなってしまったこともありながら、一周回って最近また幼い頃の自分みたいな心を取り戻していて、すごく自分らしくいられているかなと思います。強く見えたり明るく見えたりする人にも傷はあって、それを抱えながらも前進している姿はすごく似ているかなと思います。お母さんとの距離感は、私はあそこまで反抗的ではないですけど、今でも電話はしますし、大人になってからも喧嘩をするので、劇中の友だちみたいな関係性は似ているかもしれないです。
――鈴木さんご自身は、反抗期はあったのでしょうか?
なかったんですけど、大人になってから、親としては仕事をする幸せだけじゃなく女性としての幸せを考えなさいよ、みたいなあるあるの喧嘩は私もしました(笑)。たまに喧嘩はするんですけど、私は親の幸せを願いたいので、親孝行したい気持ちで今はいっぱいです。喧嘩している場合じゃないですね(笑)