――稽古中で心の支えになるものやルーティンはありますか?
舞台の稽古は時間がはっきりしているので、家に帰ってご飯を食べることです。自分で料理して、朝ご飯は家で食べて、お弁当や軽食を持って稽古場に行って、合間に少し食べて、また頑張って、家に帰って何作ろうかな、みたいな感じです。普段の食事は結構コントロールを頑張っているんですけど、舞台中はかなり体力も使うので基本は太らなくて、いっぱい食べても大丈夫なんです。むしろ体にいいものを食べないといけないので、そういう意味でご飯が一番楽しみです。
――東京公演はシアタークリエでの上演となりますが、葵さんにとってどのような劇場でしょうか?
クリエは子どもの頃から、母と一緒にたくさん演劇を観に行っていた劇場なので、自分が立てるのはすごく感激ですし、すぐに母に「クリエに立つんだよ!」と報告しました(笑)。暗転したら本当に暗くなりますよね。閉じ込められている感じがして面白そうです。
――お母さんに出演を伝えた時はどんな反応でしたか?
多分二人で一番多く観に行った劇場がシアタークリエだったので「ええ!すごいじゃん!よく昔行ったね」って言われました(笑)
――シアタークリエで観た作品で印象に残っている作品はありますか?
大竹しのぶさんが出られていた作品を観たことがあって、小中学生ぐらいの時ですが、あの距離感で重厚感のあるお芝居を観て、子どもながらにすごく驚きました。作品が自分をとらえて逃してくれず、集中して観入ってしまう感じや、1幕が終わった時の心地よい疲労感を覚えています。劇場の周囲はすごく綺麗な街で、都会に来たなという気持ちを感じたのも思い出です。
――葵さんが感じる演劇の魅力や好きな部分を教えてください
お客様がいて、間近で演じることで届けているという実感と、それに対してお客様が返してくださるものがある、というのが映像では得られない感覚なので面白いなと思います。一つの作品を稽古から本番まで何か月もずっとこだわってやり続けていけるという、その時間のかけ方ができるのも舞台の良さで、特別な部分だと思うので好きです。


 

――本作をどのような方に届けたいでしょうか?
とても演劇的な作品ですが、ホラーになっている分、観やすくなっていると思うので、同世代や若い子に勧めたくなりました。私の印象ですが、若い人はホラーが好きなイメージがあり、舞台に馴染みがないなと思う人に、おすすめしたいですね。ホラーにプラスして、人間関係がしっかりと描かれているので、演劇ファンの方にも十分に楽しめますし、ホラーというスパイスも楽しんでいただけると思います。ぜひいろいろな方に観ていただきたいです。
――ホラーが怖い人も平気でしょうか?
前提としてお化けが出る出ないの話ではありますが、それを全く信じていない側の登場人物もいますし、話がそれにとどまらず、人間関係で物語が膨らんでいくので、常にずっと怖いということはないと思います。あとは、後ろから驚かされたりとかも多分ないと思います。あったらすみません(笑)


 

――そして、本作が2026年のスタートを切る作品になるかと思います。2026年はどんな1年にしたいですか?
2025年は舞台のお仕事がなく、1年ぶりに舞台に関われることがすごく嬉しいので、良い年明けだなと思っています。個人的には28歳になる年なので、そろそろ30歳も見えてきて、20代の残りの期間をどう過ごすかを去年から考えています。20代はお仕事中心だったなと思うんですけど、一生懸命頑張ってきたら、いつの間にかこの歳になっていたなというのが正直なところです。体力もまだありますし、引き続きお仕事を頑張りたいという気持ちと、20代はこんなことがあったなって後から振り返れるような経験や体験もしていきたいと思っていて、1年って長いようであっという間なので、何をしてみようかワクワクしています。
――20代のうちにやりたいことはありますか?
旅行にいっぱい行きたくて、行ったことが無い国にも行きたいですし、趣味を増やしてみたいなとか、誰かに会いたいと思っているうちに会いに行きたいなとか、小さなことからたくさんある気がします。
――本作の楽しみにしてほしいポイントを教えてください
ホラーの舞台は新鮮で、自分自身も想像がついていない部分も多いのですが、きっとお客様も何が行われるのかドキドキしながら観るのは面白いと思います。少人数キャストで「幽霊」という、「無いはずのもの」を前提にした、かなり見応えのある会話劇ですので、ドキドキしながら観に来てくださったら嬉しいです。
――日本初演なので全貌が分かっている方はほとんどいないかもしれませんね
ぜひ観た方には結末を内緒にしてほしいですね!こういう演出だったとかも徹底して言わないでほしいです(笑)

撮影:泉健也
ヘアメイク:masaki
スタイリング:岡本純子