――今年に入ってドラマ・CMと大活躍でしたが、1月27日からは主演の映画『幸福な食卓』も公開になりますね。初映画ということで、決まったときはどんな気持ちでしたか?
実は、決まった時のことをあまり憶えていないんですよ(笑)。私の中で、“映画の主演”ということが、どれほど凄いことなのか分からなくて、やり始めてからその大変さに気付きました。
――プロデューサーさん曰く「顔つきまさにが“佐和子だった”」ということですが、それを聞いたご感想は?
そうですねぇ・・・(照笑)。オーディションを受けに行った時は、まだストーリーを知らなかったんですが
、そこである質問をされたんです。その答えが映画の中の佐和子と一緒で。たぶん、そういったところも佐和子役に決まった理由の一つかもしれないです。
――佐和子と似ている部分は?
積極的で前向きなところ、逆に似てないのは、悩みを人に相談しないところですね。
――佐和子を演じるときに注意したことはありますか?
本当にピュアなコなので、余分な色がつかないように気をつけました。ただ、お芝居の経験がまだ浅いので“役作り”というのがよく分からなかったんです。だから、演じている時に、『あっ、いま佐和子になってる。』と感じたときもあるし、『ちゃんと佐和子になれてるのかなぁ』と思うこともありました。撮り終わった後に気付いたんですけど、佐和子は、色に例えると基本的に白で、悩みや心の傷を抱えたことによって限りなく白に近いベージュ色になった女のコだと思ったんです。先輩達から、色が無い役というのが一番難しいと聞いていたんですが、佐和子はその白に近いコだったので難しかったですね。
――北乃さんは、この映画はどんな映画だと思いました?
観終わった後、心が温まるんですよ。改めて家族って大切だなと思ったし、忘れていた大切なことを思い出させてくれる映画だと思いました。
――ボーイフレンドの大浦勉学役を演じた勝地涼さんは同じ事務所ですよね?ご一緒にお仕事されていかがでしたか?
この映画を撮るまではあまりお話しをする機会がなかったんですけど、現場では沢山話しました。プレッシャーもあったし、撮影中はずっと緊張していたんですけど、勝地くんは現場を盛り上げて緊張を解してくれるんです。凄く良い先輩です。
――石田ゆり子さん、羽場裕一さん、平岡裕太さんともご一緒でしたが。
アットホームで、本当にお父さん、お母さん、お兄ちゃんがいる感じでした(笑)。スタッフさんも優しくて、初主演映画がこの作品でよかったなと思います。

――大変だったシーンはありますか?
お風呂場のシーンで、私が『お母さん、救急車!』って叫ぶシーンがあるんですけど、そこは半日かかりました。6秒くらいのシーンなんですけど、どうやって気持ちを入れたらいいのか分からなくて、自分の家のお風呂でも練習していたんです。そうしたら、お祖母ちゃんがびっくりして飛んできました(笑)。あと、2月に夏のシーンを撮ったので、寒かったんですよ。台詞を言うと白い息が出てしまうので、ギリギリまで口に氷を含んで、「せーの」で吐き出して台詞を言うという・・・しかも半そでですからね。寒かったです。
――この映画の見所は?
やはり“小林ヨシコ”の台詞ですね。“友達は作れるけど、家族は作れない”という台詞がとても好きなんです。 あと、この作品はアクション映画みたいに盛り上がりがあるというものでもないので、一ヶ所にしぼるのは難しいのですが、映画を全部通して観て、全体から何かを感じて頂けたら嬉しいです。
――北乃さんにとって家族とは?
う~ん・・・光?
――おぉー、かっこいいですね(笑)!
なんでですか(笑)!悩んでるときも温かく見守ってくれる。しかも光って大切ですよね、生きていくうえで無くてはならないもの。物で言ったら必需品です(笑)。