『ミス・サイゴン』は、『レ・ミゼラブル』のクリエイティブ・チームが手がける第2弾として製作され、日本では1992年から1年半の帝劇ロングラン以来、通算上演回数1569回を重ねる大ヒット作であり、2022年の帝国劇場公演以来4年ぶりに再演される。
舞台は、ベトナム戦争末期のサイゴン。エンジニアの経営するキャバレーで知り合った、ベトナム人の少女キムと米兵クリスの二人の愛、別離、運命的な再会。そして、キムの子タムへの究極の愛と、『ミス・サイゴン』はすべてを歌で表現する。

この度、約60名のオールキャストが集結し、劇中のミュージカルナンバー8曲を豪華メドレーで披露。本番さながらの熱気に会場が包まれた。
その後に行われた製作発表記者会見では、エンジニア役のトリプルキャスト、駒田一、東山義久、桐山照史、運命に翻弄されるベトナム人少女・キム役のトリプルキャスト、屋比久知奈、清水美依紗、ルミーナをはじめ、プリンシパルキャストが登壇。

2014年からエンジニア役を務める駒田は「かれこれ12年目ということで、いつの間にか最年長になってしまいました。今回は新しいメンバーが半分以上いるみたいで、多分稽古場では苦しく悩んでもがいて大汗かいて、というのは全員がそうだと思うんですけど、最終的には楽しく一致団結して、ラストまで怪我や事故のないように努めていきたいと思います」と、最年長の頼もしさを見せる。

同じくエンジニア役の東山は、「4年前の2022年にエンジニアを務めさせていただいて、4年経ったんですけど、またあの時の情熱を持って、2026年の『ミス・サイゴン』をこのカンパニーでお客様に届けるために頑張って参ります」と意気込む。

そして、本作が初参加であるエンジニア役の桐山は「先輩方が作り上げてきた『ミス・サイゴン』に入らせてもらう緊張感、『ミス・サイゴン』のファンの人もたくさんいるのは分かっています。その方々に2026年版を観てもらって、楽しかったな、また観たいなと思ってもらえるよう、色んなキャストの組み合わせがあると思いますけども、僕のエンジニアも観ていただいて、良かった、また観たい、これからも頑張れ、と思ってもらえるようなエンジニアを全力で努めさせていただきたいと思います」と気合を入れ、「大体こういう時って迷惑かけないように頑張りますっていうのが普通だと思いますが、迷惑かけます!すいません!先に謝ります!お願いします!全力で一さんや東山さんに甘えながら、桐山の出せる100%、150%の力で頑張りたいと思います!」と力強くコメント。

2020年、2022年に続いてキム役を演じる屋比久は、「この作品、そしてキムという役は、私自身沖縄出身というルーツも含め、とても大事な、自分の中にコアとして今でも強く残っている作品なので、またこうして参加できること、キムとして生きられることを本当に嬉しく思っています。そして、ルミ(ルミーナ)と美依紗というとても頼もしい2人の新しい風にきっと刺激を受けるんだろうなと思いながら、私自身も新たな気持ちで精一杯役を生き抜いて、心強い皆さんの力をお借りしながら、精一杯努めさせていただきたいと思います」と期待を寄せる。

また、本作が初参加となり、キム役を演じる清水は「ニューヨークにミュージカルを学びに留学した時、初めて授業で歌った課題曲が『命をあげよう』だったんですね。その時からキムという役は私の中で特別な存在で、いつか演じたいと夢見てきたので、今、こうして皆様の前でご挨拶させていただいているのがまだまだ夢のようです。皆様に劇場でお会いできること、とても楽しみにしております」と、喜びを語る。

同じくキム役で初参加となるルミーナも「私事ではございますが、十数年前の自分のSNSを見返したら、当時3、4回ほどミスサイゴンを観ていまして、いつか自分が絶対やりたい役と書いてあったんです。そして今、こうしてキムとして立たせていただけてること、そして大先輩の皆様、心強い2人と一緒にできることがとても光栄で幸せに思っております。全力で大切にキムとして生き抜きたいと思います」と、笑顔を見せた。

クリスを演じる甲斐翔真は「歴史ある作品に参加させていただけることが本当に光栄に思っております。初参加ということで、新しい風を吹かせられるように、誰よりもこの作品を理解したいと思っております」と意気込み、小林唯は「『ミス・サイゴン』は僕にとって初めて観た時から憧れの役と作品です。今の世の中の状況を鑑みても、改めて戦争の悲惨さや戦争が招いた悲劇というものを伝えるという意味で、上演する意味が今こそあるんじゃないかなと思っております。そういう気持ちで、僕も心して臨みたいと思います」と気合を入れた。

ジョン役のチェ・ウヒョクは「初めまして。日本語で歌うのは本当に難しいですが、今も日本語の勉強も一生懸命続けています。皆さんご期待ください」とメッセージを送り、金本泰潤は「ジョンは二人とも初めてということで、袖で肩を揉み合いながら今日の歌唱を頑張りました。2024年まで劇団四季におりまして、そこから音楽活動をやると、去年飛び出したんですけど、だから今ここにいるのが本当に嬉しいことであり不思議がすごい強くて、本当に素敵な皆様とご一緒できることを楽しみにしております」と、初参加同士で支え合っていることを明かす。

エレン役のエリアンナは「全世界からずっと愛され続けていた『ミス・サイゴン』参加できることを本当に嬉しく思っております。私自身も客席で何度も観たことがあって、その時に心がたくさん揺れ動きました。どんな時代でも揺るがないものは愛だなと思っています。心を込めて、パッションを込めて届けたいと思います」と宣言。加藤梨里香は「大学3年生の時にゼミ発表があり、『ミス・サイゴン』のことを発表したことを昨日寝る前に思い出しました。その時の資料を引っ張り出して、また1からこの作品と向き合っていこうかなと思っております。この世界情勢の中で、この作品を届ける責任感をしっかりと持って、誠実に向き合っていけたらと思っております」とコメント。

トゥイ役の岡シモンは「高校生の時に初めて帝国劇場で『ミス・サイゴン』を観させていただき、すぐにこの作品の虜になりまして、受験勉強の合間を縫っては音楽を聞いたり、音楽室で大声で『ミス・サイゴン』の歌を歌ったりしていました。今、こうしてこの作品に参加させていただけること、皆様とご一緒できることが本当に光栄に思います」と喜びを語り、製作発表は歌唱のみの参加となった吉田広大は「初めてこの作品に携わらせていただけることにとても興奮しているとともに、偉大な作品に関われることを光栄に感じています。実直に作品と向き合い、トゥイとしてただただ全力で生きていけたらと思います」とメッセージを寄せた。

ジジ役の乗松亜海は「昨年12月に子どもを産み、新たなライフステージで初めての挑戦の舞台となります。この世界情勢の中で、子を持ち、母となり、また違った見方で見ることができると思うので、1から作り直すつもりで、心を込めて演じたいと思います」と想いを口にし、藤森蓮華は「世界から愛され続けるこの作品の一員として、この場に立っていることが、心の底から感謝が溢れてきていますし、同時に非常に身の引き締まる思いです。この時代にこの作品を届ける意味を自分の中に宿しながら、ジジとして誠実にまっすぐ、力強く生き抜きたいと思います」と話した。

本作の好きなシーンを駒田は「史上最悪の戦争と言われた重いテーマの中で、ミュージカルということを考えるとトップクラスの音楽で、そしてあの頃の情勢、人間、空気と色んなことが含まれています。僕も大好きな曲ばっかりで、(好きなシーンは)どのシーンって言われちゃうと、自分が出てるシーンが良いですって言うしかないんですけど」と話しながら、「どのシーンを取っても画になるし、聴き心地もいいし、ど頭から最後まで全て僕的には大好きです」と見どころを語り、「もう1回言います。僕の出てるシーンが一番好きです」とチャーミングな一面を見せると、会場からは笑いが。

また、エンジニア役を演じてきた駒田・東山に聞いてみたいことを聞かれた桐山は、お会いしたのがまだ2日目で。一さん、東山さんと先輩が引っ張ってくれているので、楽しく現場に入らせてもらっています。エンジニアはやる人によってすごく変わってくると思います。伝わり方も違うんです。オーディションを受けさせていただいた時に、演出家の方々から『広くやりすぎ』と言われて、どうしてもその時はコンサート中だったので世界を見ながらやっていたんですけど、『エンジニアという人間はもっとピンポイントで、パツンと細い針の先で指すような、右向いたらこういう顔、左向いた瞬間に違う顔、みたいな蛇のような人材なんだよ』と教えていただいて」と、エンジニアの人物像に触れながら、「ここを掴んでいたらやりやすい、というのはありますか?」と二人に問いかける。

すると東山は、「『アメリカン・ドリーム』がリハーサルですごく難しいというか、皆さんの前で一人で4分ぐらい歌わなきゃですから。前回出演された市村(正親)さんのゲネプロを観させていただいて、『アメリカン・ドリーム』が素晴らしすぎて、袖に走って行って、めちゃくちゃ良かったです!って言ったら、『そうだろう!でも俺の真似しちゃダメなんだ』と言われて。『まだ1回もやってないだろ?俺は900回近くやってるんだよ。だから俺の真似をしたら絶対ダメだからね。お前のエンジニアはお前が作ったやつを『アメリカン・ドリーム』に乗っけろ』と言われてからすごく気持ちが楽になって。やっぱり緊張するじゃないですか。歴史がある色んな想いがある舞台だから。その時にその話を聞いて、そうか、俺も選ばれたんだから俺のエンジニアを、というのが、千穐楽まで務められた一つの源泉だったなと。僕も初めましてのつもりで、桐山くんと一さんと新しいエンジニアを追求していきたいなと思います」と、自身の経験を語る。

さらに駒田からも「僕も17年前に似たようなことを言われたことがあって。装置が一つも無くなるのは『アメリカン・ドリーム』のシーンだけだと思うんです。あの空間を自分一人で背負う重圧はすごくあるんだけど、同じことを言われて『コマはコマのエンジニアを作ればいいんだよ。俺の真似したって俺の方が上手いんだよ。でも、俺はコマの真似はできないんだよ。コマの真似をしたらコマが上手いに決まってるの」と言われたことがあって、そうだな、と気が楽になった」と同じような経験があると明かされ、「あの時代に生き延びるために、人を傷つけて、嘘をついて、自分がのし上がっていく。アメリカに行くために、という綺麗事だけではないことを言われたことがあって、それをいつも感じて。すり抜けていくたくましさは一つ心がけていることで、三者三様のエンジニアで良いと思っているので」とアドバイスが送られた。

ミュージカル『ミス・サイゴン』は2026年10・11月の東京・東急シアターオーブでの上演を皮切りに、大阪、福岡、静岡、北海道で上演される。