本作は、2017年に中部国際空港で主婦たちが【金の密輸】で逮捕されたという実際の事件に着想を得たオリジナルストーリー。二児の母、大学の研究者、そして妊婦―。一見、犯罪とは無縁そうに見えるものの、実はそれぞれに事情を抱えた3人が偶然出会い、金の密輸という秘密によって絆を深めていく。3人のイリーガルな自分探しの旅が、一筋縄ではいかない現代を生きる私たちに新しい選択肢を見せてくれる、大注目の一本が完成した。

この度、本作の公開を記念して実施されたトークショーに登壇した有村は、本作でオファーを受けて脚本を読んだ感想を「直感でこの作品、面白くなるかもっていうのが第一印象でした」と話し、「何回か読ませていただいたら、社会に切り込んだお話の中でも、ただシビアでシリアスなだけじゃなく、登場人物が皆どこか面白くて、シュールで滑稽で、真面目にやればやるほどクスッと笑えるエンターテインメント作品だなと感じて、そういった作風がその時の自分には新鮮に映って。女性3人が主軸になって進んでいく友情物語みたいなところもあったので、全てにおいて新鮮な風が吹いたような気がして、やってみたいなと感じました」と作品への印象と意欲を語る。

また、自身と役との共通点を「私もこのお仕事を始めた頃は、自分の意志を表現できなかったこともありました」と振り返り、「今でも考えを言うべきなのか、そうではないのか揺れ動いたりすることはあるんですけど、自分の言葉を飲み込んで、周りに身を委ねて生きるところは、自分も学生の頃やデビューしたての頃はあったので、共感できました」と昔の自分と通じる部分があったよう。「今は、自分の表現をしていかないとお仕事する上で困ることもあったりするので、なるべく頑張って表現するようにしているんですけど、今でも苦手なところはあります」と告白。「頑固になっちゃってたらどうしようとか、そこはいつも自問自答して気をつけるようにしてます…」と意識しているそうだが、天野監督から「頑固とは違うんですよね。しなやかなんだけど、芯の部分は揺るがない感覚なんだと思います」という言葉があり、「良かったです」と安心する有村だった。

そして、有村が演じた和歌子が「金の密輸」をきっかけに人生を思いっきり生きることにちなみ、来場者からの人生の悩み・相談を事前募集。その質問に答えるコーナーへ。
「今が正しいか分からなくなった時にどう対処していますか?」という27歳からの悩みに、有村は「30手前って私も悩んだような気がします。もう30だ、って甘えてしまった自分もいましたし、ちゃんと歩めているのかなとか、ここから技術や実力が問われてくる年代だとか、色んなことを確かめる年齢だった気がします」と思い返しながら「悩む時はどうしても視野が狭くなっているなと思うので、視野を広く持つようにして、今まで自分が歩いて来られたから、こういう人にも出会えた、ああいう言葉ももらえた、あんな景色も見れた、あれが食べられた、とか、今までの自分の良かったところを振り返って考えてみたりして」とポジティブに考えていき「焦りや不安があるってことは、今、自分自身としっかり向き合えている証だから。きっと常に真摯に自分自身と向き合っているからこそ湧いてくる感情で、私は素晴らしいことだと思うんです。自分は今こんなことに気づけた、考えられている、ということを誇りに思ってほしいなと感じます」と質問者に寄り添うアドバイス。

そして30代から「どのように自身の殻を破って自己表現をしていますか?」という質問には「全員に自分自身を表現しなくていいじゃないかと思っています」と口にする有村。「まずは自分の周りにいてくれる人たちに対して、自分が今、感じていることを言葉にして伝えるようにしています。色んな自分がいて良いと思いますし、人は多面的が当たり前だと思うから、一貫してこの自分でいなきゃいけないという決まりは全くなくて。自分がどういう環境に身を置いて、どういう人たちと関わったら自分が気持ちよく過ごせるか、考えてみても良いのかなと思います」と、自身の考えを述べた。