ウルグアイ・モンテビデオで初演されて以降、ラテンアメリカ、ヨーロッパ諸国、インドでも上演され、世界中の観客の心を鷲掴みにしてきた本作。
スペイン語圏で今、最も注目を集める劇作家の一人、と言われるセルヒオ・ブランコによる作で、2016年には「オフ・ウエスト・エンド・シアター・アワード」で最優秀製作賞を受賞。

この度が日本初演となり、演出は大澤遊が手がける。

物語は、劇作家S(甲本雅裕)が、父親殺しの物語である演劇作品「テーバスランド」を企画・制作した経緯を、観客に回想しながら語るところから始まる。
現代のオイディプスを求めていた劇作家Sは父親殺しの罪で終身刑に処されていたマルティン(浜中文一)と出会うが、犯罪者を舞台には上げられず、彼と背格好のそっくりな俳優フェデリコ(浜中文一/2役)と作品を創り上げることに。
劇作家Sとマルティンの交流、そしてフェデリコとの稽古、それら濃密な時間を過ごすうち、いつしか現実と虚構が交錯していく――。

劇作家Sを演じるのは、朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」での印象も記憶に新しい甲本雅裕。
そして、受刑者マルティンと俳優フェデリコの演じ分けという挑戦に挑むのは、舞台を中心に活動しながら培ってきた硬軟自在に演じ分ける演技力と、きっぷの良い演技で多方面から引っ張りだこの浜中文一。

たった二人で創り上げてゆく、濃密な世界。現実と虚構の交錯、そして絶望の先に見える、一筋の光。私ではない誰かと出会う、出会いの物語に期待が高まる。

舞台『テーバスランド』は、2022年6月17日(金)から7月3日(日)までKAAT神奈川芸術劇場 大スタジオで上演される。

チケットの一般発売は、4月23日(土)10:00よりスタート。