
繊細かつ豊かな表現で読む者の心を捕らえて離さない世界観で魅了し、5月27日に発売された新刊『多類婚姻譚』が第175回直木賞候補に選ばれ注目が高まる小説家・凪良ゆう。数ある作品のなかでも最高傑作との呼び声も高く、『流浪の月』(’19)に続き2度目となる第20回本屋大賞を受賞した『汝、星のごとく』(’22)。現在100万部を超えるミリオンセラーとなり、スピンオフ続編『星を編む』と合わせ、シリーズ累計が200部を突破している大ヒット小説が横浜流星×広瀬すずのW主演・監督:藤井道人でついに実写化となる。
物語の舞台は風光明媚な瀬戸内のとある島。京都から島に転校し、漫画原作者になる夢を持つ男子高生・青埜櫂(あおのかい)(横浜流星)と、島で生まれ大好きな刺繍を仕事にしたいと願いながら母親と暮らす女子高生・井上暁海(いのうえあきみ)(広瀬すず)が出会い恋に落ちるも、それぞれの抱える運命に翻弄され、選択に迫られる15年間が描かれる。
横浜はNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」で約1年半に及ぶ撮影を完走し、『国宝』では第49回日本アカデミー賞・優秀助演男優賞を受賞、作品も最優秀作品賞をはじめ最多10部門を受賞する快挙を成し遂げた。広瀬も『遠い山なみの光』で第49回日本アカデミー賞・優秀主演女優賞をはじめとする名だたる映画賞を数多く獲得し話題に。2025年の第78回カンヌ国際映画祭でも同作でその名を世界に知らしめ、確かな実力を示した二人が、本作では珠玉の愛の物語に挑む。さらに松村北斗・中村アン・濱田岳・尾野真千子・木村佳乃・石田ゆり子・長谷川博己といった豪華実力派キャスト陣が発表され、より一層期待の声が寄せられた。
メガホンをとったのは数々の映画賞を獲得し、横浜が主演を務めた『正体』(’24)では日本アカデミー賞最多12部門で13受賞・最優秀監督賞の快挙を成し遂げた藤井道人。Netflix週間グローバルTOP10(非英語シリーズ)で世界1位の大ヒットを記録、88の国と地域でもトップ10入りの快挙を果たし世界から注目を集める最新作「イクサガミ」や、『余命10年』(’22)、『青春18×2 君へと続く道』(’24)など心情を丁寧に描くエモーショナルな恋愛作品まで幅広い作品を手掛ける藤井監督が、盟友の横浜・初タッグの広瀬と共に、15年にわたる愛と選択の物語を紡ぐ。
昨日6日(火)より開催され、盛り上がりを見せる「第31回釜山国際映画祭」。本作からは主演の横浜流星と藤井道人監督がオープニングイベント・レッドカーペットに参加し、圧倒的な存在感を放った。
2日目となる本日7日(水)、まずは釜山の名所である海雲台(ヘウンデ)ビーチを訪れた二人。昨日歩いたレッドカーペットをはじめとする釜山国際映画祭の雰囲気について、横浜は「本当に熱気に包まれていて、皆さんの映画愛を肌で感じましたし、何より温かく迎えてくださって嬉しかったです!」、藤井監督は「昨日は本当に映画を愛している人たちが集まっていて、それを祝福しているような感じで、すごく幸せな体験でした。様々なアジアの映画祭に行った時に思うのは、本当に俳優・スタッフ・来場された方々など全員が映画を愛していて、全員が映画を文化としてどう残していこうかという営みをしていて。本当にリスペクトを感じますし、自分もなるべくこういう機会に参加できる映画人生でありたいなと思っています。」とコメント。

さらにこの後に参加する舞台挨拶について、「我々がこの作品に込めたものが、観ていただいた方に届くと信じていますし、上映後の舞台挨拶ということで、ご覧になった方々から、この作品をどのように受け取ったのか、直に感じられると思うので楽しみです。」(横浜)、「上映後の舞台挨拶は日本も含めて初めてなので、どんなQ&Aが来るのか…全然想像もつかないのでドキドキしています。」(藤井監督)と期待に胸を弾ませた。

続いて場所を劇場の映画の殿堂・Cinema1&野外ステージに移し、舞台挨拶を実施。
まずは劇場内にあるCinema1にて400人を超えるお客様を前に登壇。MCの呼び込みで二人が登場すると、会場からは大きな拍手が巻き起こった。横浜と藤井監督が「アニョハセヨ!(こんにちは)」と韓国語で挨拶をすると、会場には温かなムードが漂い、さらに歓迎ムードに。MCから「原作を基に映画化をする過程で、重要だと考えたことは何か?」という質問に「自分も原作ファンなので、誰よりもあの世界観を壊さないようにという気持ちを一番大切にしていました。凪良先生が紡ぎ出す物語と、藤井監督が作り出す世界と演出は深く共鳴すると確信していましたし、現場でも感じていました。藤井さんやたくさんのスタッフさんが、世界観を作ってくださっているので、自分はやはり俳優として櫂を生きることを全うしました。」(横浜)、「原作のある作品を映画化することは何度かありましたが、今回はすごく特別な想いで作ったと思います。まずは流星、そして広瀬さん演じる暁海と櫂の高校生から30代になるまでの15年間というビジュアルを、メイクや撮り方までこだわりましたし、彼らが生きた瀬戸内と東京という場所の対比を作りたいと思って。映画の製作に携わってきたこの20年間の経験と技術の全てをこの作品に出し切りたいと思いました。あとは凪良先生が紡いだ言葉の一つ一つを俳優さんが喋るわけですから、演じる俳優たちがどれだけこの言葉を愛して、そして発せれるかということは自分の中ですごく大事にした作業だったなと思います。」(藤井監督)と回答。二人の熱意に会場のお客様も熱心に耳を傾けている様子だった。

さらにお客様からの質問に答えるコーナーでは多くのお客様から手が上がり、どこか嬉しそうな表情を浮かべる横浜と藤井。最初の質問者から「とても良い映画を朝から観せてくださってありがとうございます。横浜さんは『正体』でもそうですし、今回も年齢層が違う演技をされましたが、このようなものを演技される時、気を使われる部分、あるいは難しい部分はないか質問したいです。」と聞かれた横浜は「ありがとうございます。15年という歳月は本当に難しくも残酷で。高校生からの15年は激しく人生が変わるので、その中で必死に生きたからこそ滲み出る心の揺らぎだったり重み、そして暁海に対する思いを大切にしながらも、目に見えて分かる変化というのを作り出すために計算した部分もあります。高校生では体重を62kgに増やし顔を少し丸くして、あどけなさが出るように、東京に行ってからは削ぎ落される感じを出すために57kg、最終的には48kgまで落としました。ただ、決して自分1人の力ではなく、たくさんの方々の力添えがあって15年を生きることができましたし、携わった皆様に非常に感謝しております。」と真摯な回答に質問者も納得の表情を見せた。

次の質問者からは「北原先生は、人は自らの力で自分の人生を生きていかなければならないということを非常に重要だと考える方なのだと感じました。みなさんは櫂にはどのような正論があったと考えられているのか気になります。」と聞かれ、「北原先生はどちらかというと、正論というものには縛られてないというか。たくさんの間違いや過ちがあっても、正しいと社会が言ったことに対しても、その人たちが自分の信じたものを持って生きた方がいいと思っている人だと思います。そして櫂という役に関しては、自分のやってることは誰かのためだと思いながらも、その通りにならない。環境が変わって、何でこうなってしまうのか…と思いながらも、素直になれない部分があったりとか。自分がどんどん落ちてしまう姿から逃げてしまう脆さがあるキャラクターだと思いながら、あの演出をしていました。それはまるで自分たちが物作りというものに命を懸けすぎて、たくさん失敗してきたものや、その中で残ったものを見つけた姿のようで。櫂という人間は、自分なりの矜持というか誇りみたいなものと、暁海への愛情を持ち続けたキャラクターなのかなと思って演出しました。」と藤井監督が回答。鑑賞後のお客様だからこその質問にも言葉を尽くして回答し、現地のファンと心を通わせた。

Cinema1での舞台挨拶を終えると、屋外に位置する野外ステージに移動し、2回目の舞台挨拶を実施。野外ステージは本映画祭で最も広いステージとなっており、およそ2500人近くの映画ファンが集結。二人の登場を心待ちにしているお客様で溢れる中、ついにMCの呼び込みで登場すると、会場のボルテージは最高潮に。1回目を超える熱烈な拍手に笑顔を浮かべ、「アニョハセヨ!(こんにちは)チャル プタッカムニダ(よろしくお願いします)」と横浜が挨拶。
MCから「現場でのエピソードは?」という質問に「この作品の撮影中に監督から一度だけ怒られたことがありまして。櫂は島から東京に出て、多くの荒波に揉まれて、すごく変化をしていく人物です。最終的には目に見えて体が変化(痩せていく)するのですが、あまりにも体重を落としすぎて意識が朦朧としてしまい…藤井監督の演出が一切理解できなかったことがありまして…反省しております。」(横浜)、「横浜流星くんの趣味の一つは、サウナでございまして!非常にサウナが大好きなんですが、今治の瀬戸内の撮影で非常に暑い日だったんですけども、流星くんの代謝が良すぎて、汗が止まらなくて…撮影が中断したことが夏の撮影で多々ありました(笑)」(藤井監督)と回答。まさかの裏話に会場は和やかな雰囲気に包まれた。

最後には「生きづらい世の中で、SNSだったりとか、こうしなきゃいけないんじゃないかという正しさに縛られて生きている人たちを原作は救ってくれました。そのエッセンスがこの映画にもきっと宿っていると思っています。そして流星をはじめ、素晴らしい俳優たちが演じてくれたこの映画が、韓国の皆様の心にもきっと響いてくださると信じておりますので、ぜひ応援よろしくお願いします。カムサハムニダ。ありがとうございました。」(藤井監督)、「短い時間でしたが本当にありがとうございました。初めて韓国に来て皆さんとお会いできて、非常に温かく迎えてくださり嬉しく思っております。『汝、星のごとく』が韓国でもたくさんの皆様に届いてほしいと思っております。この作品が皆様の、1番星のような作品になることを願っておりますし、公開したら皆様の支えでこの作品を育てていただけたら嬉しいです。カムサハムニダ。」(横浜)と締めくくりの挨拶をし、会場からはこの日一番の大きな拍手が贈られた。本作に懸ける並々ならぬ熱意と覚悟を言葉にする二人に、会場のお客様もどこか胸を打たれた様子で、その顔に期待の色を浮かべた。

2日間に渡り釜山国際映画祭で本作をアピールし、全ての行程を終えた横浜は「本当に短い時間だったんですが、皆さんの熱量に包まれて、映画愛を肌で感じることができましたし、すごく温かく迎えてくださって、釜山国際映画祭に参加できて嬉しかったです!藤井監督と参加できたことに本当に大きな意味があると思いますし、一人でも多くの方に届いてほしいと思います。上映後の舞台挨拶でも我々が込めた想いがしっかりと皆様の心に届いたと感じられて、自信になりました。日本では明後日に公開ですが、まだできることはあると思いますので、これからもこの作品に向けて全力で尽くしていきたいなと思っております。」、藤井監督は「韓国の皆様と、映画祭が持つ熱気を非常に感じて、映画を作ってよかったなと思いましたし、またこういう場所に戻ってこれるように頑張りたいなという気持ちです。この作品について韓国でも直接お話しできたことに嬉しさを感じました。」と締めくくった。アジアをはじめ各国から映画ファンが集う映画祭で、本作の魅力を言葉を尽くして伝えた二人。いよいよ明後日10月9日(金)、日本で公開となる。















