本作は、NHKの脚本開発チーム・WDRプロジェクトが送る、スタイリッシュなオフィス・サスペンス『会社員』。英理子とるりの関係からますます目が離せない第3回が放送され、吉田羊、南沙良からオフィシャルコメントが到着。

【主人公・宮木英理子役 吉田羊】
大手企業のコーポレートデザイン本部長。勝ち気で完璧主義な幹部候補。会社組織を努力と実力で勝ち抜いてきたという自負がある。その行動力は周囲を巻き込み、時に事態を悪化させることも。野心家だが、その根底には仕事で成果を出し続けなければ自分には価値がないという、強迫観念にも似た思いがある。
<コメント>
――第1回では組織での自分の評価を優先し、部下の問題をもみ消そうとした英理子。役作りではどんなことを意識しましたか?
就職氷河期をサバイブしてきた世代の生き残りと考えると非常にキレものであることは間違いなく、その時代に顕著な男性優位の社会で、不当な扱いや、理不尽な思いをたくさんしてきたのだろうと想像しました。彼女は、会社利益や会社に尽くすことを人生のプライオリティとし、“会社のため”という大義名分を掲げながら清濁合わせ飲んで生きてきたのだろうなと。また、パワハラという言葉もない時代を生きてきた彼女には、それへの認識の甘さも正直感じます。例えば、部下のパワハラを業務の一環と置き換え、被害者にも非があるのではと本人に迫るシーンでは、一見相手に寄り添う仕草を見せつつも、最後はまるで本人の意思であるかのような結論へ誘導する。脚本を読んで最も背筋の凍るシーンでしたし、現在の英理子の本質だと感じました。ただ、彼女にも良心はある。だからこそ迷う。そして、目の前にぶら下げられた役員昇進という人参を前に、保身と倫理に揺れる姿には共感しきりで、強さと弱さが背中合わせの彼女の感情を、しっかりと演じたいと思いました。この先物語が進むにつれて、英理子の過去が少しずつ明らかになってきますので、引き続きご覧いただければ幸いです。
――南さんと共演しての感想は?
英理子は負けん気も強いですし、自分に負い目があるものですから、なんとかそれを相手に悟られまいと自分を固くするところがあるんです。でも、それを超えて突き刺してくる南沙良さんの目力があって。彼女の視線を受けていると、「この人の前ではウソをつけない」「ごまかしが利かない」という気持ちになるんです。表では冷静なのに、内心はすごく焦っていて、それをなんとかごまかそうとしている――そんな英理子の感情は、実際に彼女とお芝居で対峙してみて生まれたものだったと思います。
そんな沙良ちゃんですけど、顔合わせの時には全く目が合わなくて、この作品楽しんで入ってくださっているのか心配でした(笑)。その後、加藤清史郎さんから「彼女はすごくシャイで人見知りで、打ち解けるのに時間がかかる子です」という情報をいただいたので、果敢に話しかけるようにしたら、今は何を聞いても答えてくれるようになって。とても優しい沙良ちゃんです!
――今後の見どころは?
英理子にとって、前向きに諦めなければいけない出来事が次から次へとやってきます。お芝居だとわかっていても、自分がこの立場だったらと考えると、やっぱりすり減っていく。そのすり減り方は、最終回に向けてむしろパワーアップしているかもしれません。
私たちも、台本が完成するたびに驚いていました。どこに着地するのかは知らされていなかったので。前向きに諦めることが重なると、うっかりすると孤独に陥ってしまう。
でもそんなとき、苦しみをシェアできる仲間や同僚、頼れる先輩がいることで、その孤独を脱することができる。その頼れる存在が会社員であり、その集合体が組織である――そうあってほしいと、このドラマを演じて感じました。
皆さんにもぜひ伝わればいいなと思っています。

【斉藤るり役 南沙良】
メールセンターで働く派遣社員。夜はスポーツジムで受付のバイトを掛け持ちし、社会保険労務士になるための学費を貯めている。組織にすべてをささげてきた英理子とは対照的な25歳。
<コメント>
――どこかミステリアスな人物でもあるるりをどう捉えて演じていますか?

るりは過去の出来事から、正しくないことや見て見ぬふりをすること、そして自分自身のことも許せずにいる人だと思います。正しいことをしているようで、時には結構ギリギリを攻めることもありますが!(笑)
自分の行動で世界を変えられるとは思っていないけれど、世界に自分を変えられたくはない。そう思って、必死にふんばっているんだと考えていました。
行き場のない怒りを抱えている子なので、その内圧を心の中でどれだけ膨らませるか、抑えるか。そこを大切にしていました。
――吉田さんと共演しての感想は?
吉田さんに「目力がある」と言っていただきましたが、私も吉田羊さんの目力に引っ張られそうになりながら、頑張って立っていた感じがあります(笑)。
るりはきっと、英理子さんと自分自身を少し重ねているんだと思います。るりが一番許せないものは、きっと自分自身でもあるので。
実際にお芝居をしてみて、「許せない」という気持ちがこんなにもどんどん上がっていくものなんだ、というのは発見でした。
普段の羊さんは、英理子と打って変わっておちゃめな、かわいらしい方です!現場でもたくさんお話ししてくださって、本当にありがたいです。
――今後の見どころは?
人は組織の中で他者とどのように関わり、どのようにキャリアを選択していくのか。「会社員」という日常的で身近な言葉がタイトルですが、とても普遍的なテーマを扱った作品だと思っています。
第4回では、るりが心に秘めてきた思いも描かれます。ぜひご覧ください。

■第3回 あらすじ(10月27日放送予定)
英理子(吉田羊)とるり(南沙良)は、山岸(小久保寿人)のスマホから、ある決定的なデータを発見する。英理子は寺田(加藤清史郎)の訴えを軽んじた自分の判断を悔い、山岸をプロジェクトから外すと安西(尾美としのり)に宣言。山岸抜きでプロジェクトを成功させるため、後任探しに奔走する。一方、休暇明けで復帰のはずが、出社してこない寺田。るりはその身を案じ、寺田のマンションを訪れるが…

■第4回 あらすじ (11月3日放送予定)
山岸(小久保寿人)の処遇に憤る英理子(吉田羊)は、安西(尾美としのり)の部屋に乗り込む。そこにはなぜか、音信不通だった寺田(加藤清史郎)の姿が。寺田はカウンセリングを受け、心機一転会社のために頑張るという。寺田の変化が腑に落ちないるり(南沙良)は、寺田の身に何が起こったのか探ろうと奔走する。一方、英理子はプロジェクトの役員報告会に向け正念場を迎えるが…