
自身初の映画化作品『告白』が大ヒットを記録した作家・湊かなえ。デビュー10周年に発表し、彼女の集大成と評された渾身の傑作ミステリー『未来』を、『ラーゲリより愛を込めて』『護られなかった者たちへ』の瀬々敬久が映画化。
主演の黒島結菜を筆頭に、新星・山﨑七海のほか、坂東龍汰、細田佳央太、近藤華、さらに、松坂桃李、北川景子ら実力派俳優が集結し、人間という存在の明と暗を鋭く表現する。声にならない痛みを抱えて生きる人々の“見えない声”に寄り添い、社会の陰に潜む痛みとかすかな光を鮮やかに描き出す。
数々のベストセラーを生み出し、最新作の『暁星』は2026年本屋大賞にノミネートされるなど、常にミステリーの最前線を走る湊かなえ。デビュー10周年記念として刊行され、著者史上もっとも過酷でもっとも切ないミステリーと評されている『未来』の映画化に際し、「社会問題を深く、鋭く、温かい目で描かれる瀬々監督に、いつかご縁をいただきたいと願っていた」とコメントするほど信頼を寄せる瀬々監督に、その思いを託した。
本映像では、複雑な家庭環境で育ったかつての自分と重なる境遇にある章子(山﨑七海)に寄り添う教師・真唯子を演じた黒島が、絶対に映像化するべきだと感じた原作の印象的なシーンを明かしたほか、「ちゃんと周りを見て、助けを必要としてる人がいるかもしれないというアンテナは、すごく大事だなとこの作品を通して感じました」と、声を上げられない人々にどう寄り添うべきか、原作から得た気づきを語っている。
また、ある秘密を抱え、心を閉ざした章子の母・文乃を演じた北川は、「助けを求めているのは子どもだけではないかもしれないなと思えたことは、私にとってすごく大きかったんです」と、子どもに限らず、光の当たりにくい人々の声が届くきっかけになればと、映画に込めた思いをコメントした。
映画で描かれる子どもの貧困や虐待といった社会問題は、決して絵空事ではない。2022年の調査では、日本の子どもの貧困率は11.5%で、約9人に1人が「相対的貧困」状態にあるという。物語の生みの親である湊は、「この作品を自分の世界とは別世界の特殊な困っている人の物語ではなく、自分が生活している半径一キロ以内にこの登場人物たちがいるのかもしれないという思いで見ていただけたら、きっと世の中に対する見方であったり、自分の社会の目の向け方が少し変わってくれるんじゃないかなと思いますので、この物語を自分の生活の中の一部として見ていただけたらいいなと思います」と語りかけている。
キャスト陣の役作りをはじめ、湊が実際に撮影現場を訪れた際のエピソードなど、貴重な舞台裏を収めた座談会の全編は、4月26日(日)正午より双葉社文芸総合サイト「COLORFUL」Podcastにて配信。




