本作品の原作『昨夜は殺れたかも』は、「今からあなたを脅迫します」シリーズの藤石波矢と、「いなくなった私へ」で第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞した辻堂ゆめ、ミステリー小説界で気鋭の作家二人が競作し2019年に刊行された⻑編小説。藤石、辻堂、二人の作家それぞれが夫視点、妻視点をリレー形式で書き分け、ミステリアスでポップな筆致で誰もが羨むような夫婦の運命を軽快に紡ぎ出している。

本作でダブル主演を務めるのは、THE RAMPAGEのボーカルで、昨年5月にはHOKUTO名義でソロデビューも果たした吉野北人。愛妻家の平凡なサラリーマンとして日々を送りながら、妻には素性を明かしていない元ヤクザ・藤堂光弘を演じる。
もう一人の主演は、アイドルグループ解散後、ソロヴォーカリストとして音楽活動を続ける傍ら、ドラマや映画、バラエティー番組でのMCなど、幅広いフィールドで活躍する鈴木愛理。夫をこよなく愛する専業主婦でありながら、実は若くして起業した帰国子女の敏腕社⻑という裏の顔を持つ藤堂咲奈を好演している。
監督を務めるのは、数多くのドラマやドキュメンタリーを手掛けた松木創。脚本は『事故物件 恐い間取り』のブラジリィー・アン・山田。

あいにくの天候のなか会場に駆けつけた観客へ感謝を伝えた吉野は、「スクリーンの方ではだいぶふざけた感じだったので、この場ではちょっとイケメンキャラで頑張って演じたいなと思います」と挨拶して会場の笑いを誘った。

一方、妻の早苗役を演じた鈴木愛理は「約1年前に撮影した作品がやっと公開となりました。ちょっと気持ちだけは女優さんみたいな感じで来てるんですけど(笑)、きっと我々のポップな現場の空気が出ちゃうお時間になるかなと思います」とポップに挨拶。

プロモーション活動を振り返り、吉野は「約1年前に撮影した作品なので当時の記憶も蘇ってエモい気持ちになります。昨日、メンバー会議があったのですが、メンバーからも『公開おめでとう』と言ってもらえたので、メンバーにも見てもらいたいです」と笑顔を見せた。
鈴木も「この作品自体が、タイトルから思うサスペンス感よりもとってもポップでコメディが強いことが取材の内容から伝わっている気がするので、もっと色んな方に作品を通して、その楽しさが伝わると良いな」と、希望を語った。

松木監督からは、演出について「吉野さんはクールめなお芝居を今までやってこられたと思うんですけど、せっかくなら崩してみようと。できる限り極端な方向に、でもやりすぎた場合だけやめてくれ、って言うような、ご本人のナチュラルな良さを制御しないようにしました」と話し、鈴木については「コメディエンヌの才能も十分分かっているので、今回はコメディエンヌというより、狂気の方向ぐらい、極端な表情を撮りたかった。聞いてみたら『私、全然NGないですから』って言うので、アップフロント(事務所)に抹殺されるんじゃないかなと思いながら…」と笑いを誘いながら、「鼻血を出して叫ぶシーンなど、結構やりましたね」と語ると、鈴木は「血管が何本か切れました(笑)。でもああいう演技をさせていただくと、日常と全部切り離されるので怖いものがなくて楽しかったです」と度胸の良さを覗かせ、「憧れの鼻血だったんです。意外と役で出したことがなくて、楽しかったです」と笑顔を見せると、吉野も「僕もコミカルな鼻血は初めてでした」と鼻血演出に嬉しそうにしていた。

そして、吉野との撮影シーンが多かったISSEIと田中から、現場での吉野の素顔や手厚いサポートに関するエピソードが次々と明かされた。
今作が映画初出演となったISSEIは、「ずっと吉野さんといたんですけど、お兄ちゃんみたいな感じでめちゃくちゃ優しくて。きつい撮影だったんですけど、撮影現場に差し入れをいただいて、そのカフェラテがめちゃくちゃ美味しくて、癒やしをいただきました」と感謝を告白。吉野は「僕も歴が長いわけではないですけど、初映画で緊張感が伝わってきたので、なるべく良い雰囲気を作ってあげたいなと思って」と先輩らしい思いやりを覗かせた。

さらに田中美久からも、撮影現場での吉野の優しすぎる“神対応”が明かされた。田中が吉野演じるミッチーに迫るシーンを振り返り、「裏話なんですけど、私が『ミッチー!』ってやるシーンで、ちょっと屈んでくれていたんです。私の身長が低すぎるので膝が絶対きついはずなのに……。本当に映っていないところでもそうやってくださって、お優しい方なんだなと思いました」と大絶賛。
これに対し、吉野は「そうだっけ?」と首を傾げ、鈴木からも「あらあら、やってるな~!(笑)」とツッコミが入るなど、キャスト陣の仲の良さが伺えるやり取りを見せた。

舞台挨拶では、HOKUTO(THE RAMPAGE 吉野北人)と鈴木愛理によるデュエットソング『ゾンビ・イン・ラブ』を登壇者が生パフォーマンスし、観客と一緒に踊る企画も行われた。会場の一体感に、吉野は「人前でちゃんとパフォーマンスするのはこれが初めてでした」、鈴木「何気にやってこなかったもんね。皆と踊れて嬉しかったです」と嬉しそうにしていた。