――舞台『六番目の小夜子』に出演が決まった時の気持ちを教えてください
舞台に出演させていただくのが約3年ぶりになるんですよね。高校生の頃は割と舞台中心にお仕事をさせていただいていたんですけど、最近は映像作品が多かったので「舞台、久しぶりだな」「どんな感じだったっけ、ドキドキする」っていうのが一番大きかったです。
――『六番目の小夜子』は小説版・ドラマ版とありますが、どちらかご覧になりましたか?
一応両方持ってはいるんですけど、演出の方々から「ドラマとも小説とも少し違う、舞台版のストーリーにしている」と言われて、まだ舞台の台本をちゃんと自分の中で消化出来てない状態でドラマや小説に手を出すと訳が分からなくなりそうだなと思って、今はまだ見てないです。
――自分の中である程度役が固まって落ち着いたら、って感じですかね
それから見ようと思っています。

――台本を読んでみた感想は?
ホラーやミステリーをやること自体も初めてだったので、不思議な気持ちになりました。怖いことが起きていて自分がびっくりしている、っていう立場になることがなかったので不思議だなと思いながら、でも不気味な感じで、お正月の緩んだ気持ちを吹き飛ばしてくれるんじゃないかなって思います(笑)
――普段ホラーやミステリーの作品は見られますか?
一人ではあまり見ないですね。怖いもの見たさに心霊動画とか写真をたまに見ちゃうんですけど、お化け屋敷とかも全然好きじゃないですし、ちょっと苦手です。
――尾碕さんが演じる役どころについて教えてください
花宮雅子という女の子を演じさせていただくんですけど、すごく責任感の強い、自分の思ったことをちゃんと口に出来る強い子だなという印象で、他には友だちのことを信じて無理に聞き出したりせず、周りを見る視野の広さを持った優しい女の子です。
――役とご自身で似ている部分はありますか?
割と物おじせずに人と対峙出来る、意見のぶつかり合いが出来るのはちょっと似ているかなと思いました。私自身も考えるより先にパッて言っちゃうことが多かったりするので、そこは似ているかもしれないです。
――既に稽古は始まっているんでしょうか?
2日前に本読みをして、ちょうど昨日から稽古が始まりました!(※取材時)
――稽古初日の感想はいかがでしたか?
皆さん慣れていらっしゃる方も多いので、初めてとは思えないほどサクサク進みました。まだ細かく演出がついてないっていうのもあるんですけど、初日だったのにサクッと進んで、間合いもどんどんやるごとに良くなるので、本番までにどれくらいのクオリティになるんだろうって楽しみです。
――まだ稽古初日ですが、共演者の方から早速勉強になったことや新たな発見はありましたか?
初舞台の方もいらっしゃるんですけど、演出家の方から「(今はここにいたから)次は全然違うところに移動してやってみよう」とか「さっきやったのとは違う動きをしてみよう」って言われた時も、皆自由に怖がらずに動けていたり、アドリブを挟む方もいらっしゃったりして。私が今までやってきた経験の中では、自分自身だったら怖くて出来ないなというか、急にアドリブをしてみてって言われて、思い付いてもなかなか実行出来ない、怖いっていう気持ちとかがあったので、皆が頑張っている姿はすごいなと素直に思いました。たとえ間違えたとしてもポンって出来る勇気は感動しましたし、見習いたいです。
――現時点にはなりますが、役を演じる上で気をつけようと思っている点などはありますか?
舞台はお客様に伝わるようにするために、ちょっと大げさに芝居したり誇張したりすることもあるんですけど、今回はお客様に届けなきゃいけないのはもちろんですが、映像に近い、よりナチュラルなお芝居でお客様が見てリアルに怖いと思ったり、楽しいと思えるように演じたいです。
――主演の鈴木絢音さんの印象は?
まだお話したことがほとんどなくて、一度ポスターのビジュアル撮影をした時にご挨拶させていただいたくらいなんですけど、クールな方なのかな?っていうイメージはあります。
――稽古を進めていく中で、色々お話が出来ると良いですね
雅子は沙世子と友だちになって心を許したりするようなシーンもあるので、現実でも距離を縮められればと思います。

――物語に出てくる「サヨコ伝説」のように、尾碕さんが小さい頃から信じている伝説や言い伝えはありましたか?
「早く寝ないと山姥が来る」って言われていて、小さい頃は山姥がいるって信じてました。でも今は夜行性なので、効果があったのかなかったのかって感じです(笑)
――伝説や言い伝えは信じるタイプですか?
真に受けて自分に影響が出るようなことはないですけど、信じた方が楽しいじゃないですか?宇宙人はいるとか、あれは幽霊だって言われて幽霊なんだ、って思えた方が楽しいかなって思うので、自分に影響しない限りは好きなように信じています。
――演劇部が舞台となっています。学生時代の部活動の思い出とかはありますか?
部活動は一切やったことがなくて……。小学生の頃から事務所に所属しているので、中学の時も週末はずっと高知から飛行機でレッスンに通っていて、中学一年生の時に吹奏楽部に友だちと皆で入ろうってなったんですけど、発表会みたいなものって土日に行われるので、部活に行っても発表会には出られなくて、私はやる意味ないなと思ってすぐに辞めて美術部に入ったんですけど、美術部も年に1、2回行くか行かないかの幽霊部員みたいな感じで。高校も部活には入っていなかったですね。
――作品を通じて部活動を経験しているような感覚でしょうか。今回の作品では演劇部ですが、演劇部はどうですか?

セリフの中で「発声練習やるよ!」と言っているんですけど、発声練習ってどんな練習するんだろう?と思ったり、まだ探り探りなところはあります。これから深めていきたいです。
――尾碕さんからみた舞台の見どころを教えてください
全体的に作品の世界観がずっと不気味なんですよね。それがどんどん謎が解けていく面白さ、ストーリーの面白さももちろんありますし、学校ということで始業式から始まってだんだん季節が変わっていくんですよ。なので、四季を感じられますし、制服も夏セーラーから冬セーラーに変わったり、季節の転換が多くて、私は今までやってきた舞台で季節が変わる舞台は初めてだったので、そういうところにも注目していただければと思います。他にもたくさん面白い仕掛けが散りばめられているので、そこも見つけていただければ嬉しいです。