2024年、商業映画監督デビュー作『みなに幸あれ』が脅威のスマッシュヒットとなり、国内外の観客に衝撃と歓喜と戸惑いを与えた下津優太監督の劇場公開二作目となる映画『NEW GROUP』(ニューグループ)が6月12日(金)に全国公開。一作目の『みなに幸あれ』は、「幸せは、人の不幸の上に成り立っている」というテーマで描かれたが、二作目となる『NEW GROUP』は組体操という「集団行動」における人間の行動心理の根底を、コミカルにそしてシリアスに炙り出す。

主演の山田杏奈が演じるのは、家族に問題を抱える、引っ込み思案な普通の高校生の主人公・愛。愛のクラスメイトであり、海外帰りで日本の学校の協調性を重んじる集団行動に馴染めない転校生・優を⻘木柚が演じている。そして、不敵な笑みを浮かべ集団を導く校⻑をピエール瀧が務めている。

いよいよ公開を迎え、撮影を振り返った山田は「奇妙な映画だったので、撮影中も時間がタイトだったり、やらなきゃいけない要素もたくさんあったので、振り返ってみるかなり過酷な撮影期間だったなという印象」と話しながら、届いている反響については「面白かったって声もいただきましたし、撮影中にすごく真剣に取り組んでいたシーンが、誰かにとって笑えるポイントだったりするようで、撮影中気づかなかった発見が、公開して返ってくるのを、今、楽しんでいます」と笑顔を見せた。

青木も友人から「組体操のやつ、公開したね」と言われたようで「皆さん楽しみにしてくれていたのを肌で感じました」と語る。

ピエール瀧は本作での舞台挨拶登壇は初となるが「撮影の時、どういう人が見る映画なんだろうと思って、なるほど、こういう人たちかと」と会場を見渡し笑いを誘う。「奇妙な映画ではありますけど、SNSでは、なるほど、と分かった人もいれば、全然分からないって人もいたりして、二分するのはこの映画の良さなんだなと思っております」と、反応を楽しんでいるようだった。

山田は、ピエール瀧との共演に「ご一緒できたのですごく嬉しかったですし、台本だけ見ると奇天烈な役じゃないですか。あれを体現されるピエールさんが、本当にすごいと感じていました」と語る。
一方の青木は「ピエールさんが先にクランクアップされたんですけど、僕らがいる控室で『なんかよく分かんないけど、頑張ってね!』って言っておかえりになられたのがすごく印象的で。頑張るしかないなという気持ちで、残りを駆け抜けました」とエピソードを披露すると、ピエール瀧が「こんだけハッキリと“よく分かんない現場”って言ってくれる大人がいるんだってね」と続け、その言葉に青木は「救われました」と話していた。

本作は、22もの海外映画祭に招待され、山田はドイツ・フランクフルトで開催された第26回「ニッポン・コネクション」でニッポン・ライジングスター賞を受賞した。自身にとって初の海外映画祭参加となり、「楽しかったです!お祭りだなと思いましたし、映画を見たての海外のお客さんの前で話せる経験もなかったので、とてもいい経験をさせてもらいました」と笑顔。「面白いポイントが各々あるんだなと思いました。フランクフルトでの映画祭では、愛が優の顎をくわえるシーンで一番笑いが起きていたみたいで、あんなに真剣にやってたのに!って思って、その違いも楽しめました」と、驚きを語る。
そのシーンの裏側について司会から聞かれると「どういうことですか?ってさすがに監督に聞きました」と戸惑いも感じていたよう。さらに下津監督から「顎にキスしているように見えたので、“はむっ”ってアフレコを録りました」と明かされ、「すっごい恥ずかしかったです…」と照れくさそうにする山田の姿があった。

さらに、完成披露で観客騒然となった異様な組体操が再び映画館を襲来。日本体育大学・体操部の学生たちが登場し、劇中の“組体操”&“人間ピラミッド”を生披露した。山田は、「日体大の皆さんも同じく過酷なスケジュールのなかで頑張ってくださって、感謝してもしきれないです。スタッフロールの一番上に日体大の皆さんがいらっしゃるなという感じです」と、この作品に欠かせない存在として、感謝を述べた。