――本作は数々のミステリー、サスペンス作品を手がけてきた岡田道尚氏によるオリジナル脚本となります。脚本を最初に読んだ時の感想はいかがでしたか?
まず本当に大事なことなんですけど、オリジナル脚本ってすごいっすね!0から全国で公開する映画の脚本を書いていただいて、色々乗り越えて今、俺の手元にあるんだと思うと、頑張らなきゃと、読む前からそんな気持ちになりました。色んな人の想いが乗っかっているんだなと思いました。実際に読んでみて、脚本の岡田さんは以前仕事でご一緒させてもらったことがあって、今の自分の助けになったのでやりたいなと思いましたし、ギャガさんも『溺れるナイフ』で以前ご一緒させてもらっていました。僕も生成AI使うんですけど、日常に染み付いている生成AIと完全犯罪という、不気味さとリアルさと、でもそれをちゃんとエンターテインメント映画として昇華している印象でした。面白いと思いましたし、やりたいと思いました。
――重岡さんは日頃から生成AIは活用していますか?
結構使いますよ。日常でも仕事でも使いますし、最近では、日本や海外のニュースのこととか、どういう背景でこうなったのか、とかは壁打ちみたいな感じで聞きます。ただ、いつも思うのが、第三者目線で自分のことを見ながら使っているというか、鵜呑みにしないというのは思いながら使ったりします。あとは、自分で書いたブログの文章の誤字脱字があるかとか、自分のトレーニングをスマホで記録したやつをスクショして褒めてもらったりしています。
――本作は生成AIが身近になったからこそ生まれた作品ですよね
そうだと思います。なんとなく怖くないですか?生成AIって。こんなこともできるんだ、みたいな。人間っぽいこともしているらしいですけど、ちょっと凌駕しているような、だって映画とかも一瞬で作れたり、曲だって爆速でできたりしますよね。例えば、小学生の子でもプロレベルの技術を持った何かも一瞬で作れちゃうんで、そういう意味では完全犯罪っていうのも、嘘じゃないんじゃない?っていう、そんなところから切り込んでいる作品だと思います。
――重岡さんご自身も、生成AIを便利に使いつつも怖さも感じているんですね
ありますね。僕の中では最近出てきたものだと思っているから、黎明期というか、テクノロジーが育ちながら、色んなルールも一緒に遅れて伸びているようなタイミングなので、使い方には結構気をつけています。どこにも載っていない情報は載せないようにしているし、誰かにどっかで見られるかもしれない、そんな可能性はあるなと思いながら使っています。
――ちなみに、生成AIに対してはどのように喋りかけていますか?
関西弁です。僕の生成AIは馴れ馴れしいんすよ!でも僕、まだ現象として起こっていないことを、起こったらどうしようって謎に心配性なところがあるので。世代で言うと、ターミネーターとかを見ながら育っているから、いつかAIに逆襲されたら怖いと思って、ちゃんと感謝の言葉を述べるようにしてます。「ごめん、俺ちょっと間違ってたかも」「さっきはキツイ言い方してごめん」とか言います。いつか報復しないでねっていう(笑)。

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――ご自身が演じる航の役柄の魅力はどのように感じましたか?
航は、普通に見えて普通じゃない、狂気的な何かがはらんでいる気がしていて、その動機が自分の大切な何かを守りたい、みたいな。それは僕も分かるし、そういう深い何かを航に感じて、そこを自分で紐解いていくのも楽しかったし、航が生成AI、完全犯罪、そして妹という中で、どういう結末を迎えるのかが魅力だなと思って。航自身がエンタメになっています。
――役作りのためにノートに書き込んだそうですが、ノートはいつも活用しているのでしょうか?
いつもやってるんですけど、今回はもう1、2歩踏み込んでやりました。めっちゃ書いたんですよ。書かないとスッキリしないような感じになっちゃって。でも、これは自分の中で役作りの一つの手段として、今後も合ってるんだろうなと思っています。
――思いつくままに書いていく感じですか?
思いつくままですね。別に誰に見せるわけでもないのが大事だと思ったんでしょうね。ほんまに汚い字で(笑)。今日取材があるから、昨日の夜中に引っ張り出して読み返したんですけど、笑っちゃいましたね。でも1冊ぐらいシーンごとに思ったこととかが書かれていて、あの時の自分があの手この手で前に進もうとしている感じは伺えました。「航よろしく!」とか書いてたもんな……。
――妹を守るためとはいえ、気持ちの面ではかなりハードな役柄だったのでしょうか?
ハードでしたね。こういう作業はかけようと思ったらいくらでも時間はかけられるので、要は自分が納得いくまでできちゃうので大変ですね。だから最初は「やばい、ギャガさんや!岡田さんや!生成AIや!完全犯罪サスペンス面白そうやん!ラストもおもろい!めっちゃええやん、やります!」って言ったけど、いざ航としてやろうと思ったら、これ大変やな、やってもうたなって。
――そんな大変さを感じる中で、一つ一つの感情を整理していくような形で、ノートを活用していたんですね
活用しまくりました。でも良かったです。手書きでやるというのが、五感を全て使って書いているような感覚なので、自分の中のモヤモヤとした抽象的な何かがどんどん形になっていくし、昨日見返して、これだ、と思うやつには線とか引いてますもん。自分の納得する何かを、0から1を生む作業のように感じて、面白かったです。
――航のことは理解できましたか?
理解しようとして一生懸命って感じで、納得いくまでやったし、難しかったです。けど、自分なりに今はスッキリしているので、やれるだけやったかなと思っています。
――役を引きずったりすることはありますか?
全くないですね。役を引きずるって感覚が分からないんですよね……。それで言ったら、ウェブライター役だったので、タイピングをするシーンがあったんですけど、今、毎日タイピングやってるんですよ。ハマっちゃって、ブログを投稿するためにタイピングで書いたりして、そういう意味ではめちゃくちゃ引きずってるかもしれないです。