©2026 映画「未来」製作委員会 ©湊かなえ/双葉社

原作のある映画作品の公開直前イベントということで、映画館やホールではなくリアル書店で実施。主人公・篠宮真唯子役の黒島は「今日は皆さんと近い距離でお話が出来るという事でとても楽しみです」と挨拶し、真唯子の教え子の章子の母・佐伯文乃役の北川も「劇場公開が近づいてきたという事で、みんなで『未来』について語れることを楽しみに来ました。原作を知らない方にも興味を持っていただく機会だと思うので色々なお話しが出来たらと思います」と呼び掛けた。瀬々監督は「六本木蔦屋書店さんに初めて来ましたが、こんないい感じの本屋さんだとは知らず、ビビりました」と笑いを誘い、湊も「この映画で私が感動したところや見所などをはしゃぎながらお話しさせてもらえたら」と饒舌に挨拶した。

原作小説内での印象的なシーンや一節を尋ねられた黒島は「子どもたちが“ハイテンション!”と言って、自分たちの気持ちを盛り上げていくところ」を挙げて「辛い中でも自分たちの意思で声を出していこうという所が心にグッときた。この要素は映画にも絶対に必要な描写だと思った」と述べた。このシーンにまつわる創作時のエピソードを尋ねられた湊は、「過酷な状況の中で進んでいく物語なので、章子たちはどんな人たちに必要とされているのかその姿が見えなくなって、そこで筆が止まり…。出版社からいよいよ“ホテルに缶詰めになりましょう”と言われました。本当に缶詰めってあるんです。ホテルに閉じ込められるんです!」とヘビーな執筆の状況を明かして黒島を驚かせていた。

©2026 映画「未来」製作委員会 ©湊かなえ/双葉社

北川は、「人の心は目に見えないけれどとてもやわらかい物だと、パパは思う」という原作小説に出てくる手紙の一文を印象的な一節として挙げ、「原作を初めて読ませていただいた時に、パパが言ってたことの部分が心に残って。文乃という人がこのパパと出会えて本当に良かったと思いました」としみじみ。湊は「章子の父親は病気で早く死んでしまうけれど、手紙の文章を通してその存在がいかに章子を励ましてくれるものだったのかというのが伝わればいいなと思って、あのような表現にしました」と解説した。

©2026 映画「未来」製作委員会 ©湊かなえ/双葉社

“未来の私からの手紙”が章子を支える力として描かれる本作にちなんで、これまで苦しい時期に救われた「言葉」を発表。黒島は「10代の頃にこの仕事を頑張りたいと上京してきたものの、上手くいかなくて辛いと思う時があって。家に帰るまでの道で母に電話した時に、『いつでも帰って来れるんだから』という言葉をかけてもらい、自分には帰っていい場所があるんだという風に思えたのは凄く大きくて。頑張ってみようと思った言葉なので今でもすごく大事にしてます」と感謝。北川も、「この仕事をするかしないかを悩んだ時、当時の私は17歳でしたが、『若くしてやりたいと思うことを見つけたことに自信を持つといい』という風に両親に言われたのはすごく心に残っています」とこちらも肉親の金言を挙げた。

イベント終盤では、集まった観客から寄せられた質問に答えるコーナーを実施。「本作に関わったことで、『未来』という言葉のイメージに変化はあったか?」との問いに、北川は「私は小さい頃に被災したこともあって、未来というものは不確かであるという感覚がありました。当たり前にやって来たり繋がっていくものではなく、ある日突然奪われたり、損なわれたりするものではないかという考えが小さい頃からあって、未来という言葉に漠然とした不安がありました」と話し、本作を通して「未来とはみんなが希望を持てるものではないかもしれないけれども、光の当たらない場所や困難な場所にいて、未来に対して確かな希望も持てない人たちの救いに本作がなったらいいなと思いながら、撮影に取り組んでいました」と打ち明けた。

©2026 映画「未来」製作委員会 ©湊かなえ/双葉社

黒島も「未来とはよくわからないからこそ、良い未来や明るい未来を作るために今の自分に出来る事をやっていきたいと思えるようになった」などと変化を述べた。湊は撮影時等々でのキャスト陣の様子に触れながら「黒島さんや北川さんのようなベテランの方を若い方が追いかけていって、それこそ黒島さん北川さんお二人の姿が、これからの役者さんたちが目指す未来なのではないかと思いました」と見事にまとめていた。

©2026 映画「未来」製作委員会 ©湊かなえ/双葉社

質問が読まれた方には、登壇者4人のサイン入り原作文庫本と、劇中に登場するしおりの現物が黒島&北川から直接手渡された。最後に湊と瀬々監督は本作の大ヒットを祈願し、北川は「皆さんの印象に残ってるシーンは原作に全部あると思いましたし、原作好きな方は本当に楽しいと思います」、主演の黒島は「苦しい内容ではあるけれど、この映画が一人でも多くの方の希望と未来に繋がったら良いなと思います」と5月8日の劇場公開に思いを馳せていた。

©2026 映画「未来」製作委員会 ©湊かなえ/双葉社