
『water』は、丸山隆平が友人の勧めで観劇した演劇団体マームとジプシーの公演をきっかけに、劇作家・演出家の藤田貴大の作品に興味を持ち、その後、京都で上演された『cocoon』の観劇を通じて藤田本人と出会ったこと、そして時を同じくして、藤田が京都でリサーチを進めていたことが重なり、動き始めた企画となっている。さらに、丸山自身が京都出身であることも結びつき、いくつもの偶然が同時多発的に交差する中で、作品の構想が一気に立ち上がっていったという。
本作の創作にあたり、藤田と丸山は対話を重ねるだけでなく、実際に京都を訪れ、丸山が幼少期から親しんできた場所を共に巡った。当時の風景や記憶を辿りながら、ゆかりのある場所へも赴き取材も実施。そこで語られたのは、特別な出来事ではなく、誰もが持っているような幼少期の記憶や地元での日常だった。本作は、丸山隆平の記憶の断片を散りばめながら、藤田の視点で見つけた京都という土地、そして虚構の世界を織り交ぜて描いた半自伝的作品となっている。
藤田との出会いについて改めて聞かれた丸山は、「こんな現象を巻き起こせる方々がいるんだと、いたく感動いたしまして」と感激しながら「僕は“やりたい”とは言ってないんです。口が裂けても言えないほど、美しくも肉体的な世界観を作られているので、まさか自分がそこに立つなんて思ってなかった。事務所の舞台班の方に、『すごい良い演劇を見たんだよ!』って言ったら、やりたいと取られてしまって…一緒にやること自体ないジャンルだと思っていたし、頻繁に外の人たちとやることがないと分かっていたので、『藤田さん、良いって言ったの?』って」と信じられなかった様子。

藤田も「コロナ禍の時は面会とかができなかった。偶然京都で僕が公演をしている時に来てくれて、そこで初めてお会いして、同年代だからめっちゃ盛り上がって、何ヶ月か後には(一緒に)京都歩いてましたね」とすぐに意気投合したと語る。
そんな藤田から見た丸山の印象について、「この感じなんですけど、不意にちょっと真面目なんですよね。芸に真面目だなと思って、どこかしらで何か表現に携わりたいと僕に言ってくれる人だから、そういう真面目さも含めて関わりたいなと思わせてくれる人だったので、僕の方から一緒にやりたいですと、事務所さんの方に言いました」とオファーの経緯が明かされると、丸山は「もったいないお言葉でございます…恥ずかしいです。褒められることに慣れてないので。でも嬉しいですよね」と微笑み、喜びを隠しきれない様子だった。

今回、本作が上演される東京グローブ座と京都劇場はどちらも丸山にとって特別な劇場になっており「グローブ座は、グループから一人でストレート芝居で初めて立たせてもらった『ギルバート・グレイプ』をやった場所であり、京都劇場は研修時代の時に初めて板の上に立った場所なんです」と明かされる。「京都劇場は『KYO TO KYO』という舞台でわらべ役で、本当一瞬なんですけど、あれが初めてだったんです」と、当時の楽曲を一節口ずさみながら思い返していた。
また、メンバーの安田章大と舞台の公演期間が被ることが多い丸山。今回も舞台『water』と安田が主演を務めるPARCO PRODUCE 2026『髪結いの亭主』が同時期に開幕を迎えるが、「現場で『まる、どう?』『初日がこの日で』『僕じゃあ次の日や』って会話をしたり、楽屋にいる時はお互い台本をブツブツ言ってて、向こうは方言で大変そうだなみたいな。ヤスがブツブツ言うから、こっちのブツブツとぶつかり合ってるんです楽屋で(笑)。お互いに頑張れよ、体気をつけてね、と思いながらやり取りしてます」と微笑ましいエピソードを披露。以前、安田の舞台をゲネプロで観劇することもあった丸山だが、「今回はこれに集中しようかなと思ってます。だから、ヤス、ごめん。今回は多分行けないと思う!」とメディア越しからメッセージを送った。

そして話題は、2026年9⽉30⽇をもってグループ活動を終了する後輩・WEST.について、「こればっかりは、ファンの皆さんもきっと色々思うことはあると思うんですけど、グループによって、自分たちならではの調合があると思うんです。うちもグループから旅立っていったメンバーがいますけど、その時に僕らも感じたのは、それぞれ人生があって、自分を生きていくのは生きとし生ける人たちの権利だと思うんですよ。ファンの方もきっと同じ歴史を一緒に紡いできたと思うし、それが無くなったことにはならないと思うので、それをすごく大切にしていただきたいし、嵐も言ってましたけど、音楽って無くならないんですよね。だからそれをこの先も楽しんでいってほしいなと思います」と自身の経験も交えながら、WEST.のメンバー、そしてファンへ心を寄せる。
「それぞれの活躍を僕らも楽しみにしているので、もし何かあったら絡むこともあったりするやろうし、年齢を重ねていったら、色んなマインドや考え方、生活も変わって、どこかで合流することもあるかもしれないし。これを期待させてるみたいな感じになったら申し訳ないですけど」と断りを入れながら、「僕らも袂を分つメンバーのこととかも、何かで見て活躍してんなとか、朝ドラ決まったね、亮ちゃん(錦戸亮)がね。そういうのも見たりしていますから」と話を続け、「人生やっていればどこかで交わることもあるし、そういうのは皆さんも多分あると思うので、変わらず応現してあげてほしいなとも思うし、変わってしまうものもありますけど、それも楽しんでいけたらいいんじゃないかと。川の流れのように、水の流れのように広がっていって、バラバラになって、また繋がってどこかで交わると思うので。大海へ行けば絶対繋がっているじゃないですか」と、作品のテーマにかけながら、温かいエールを送った。
舞台『water』は9月27日(日)から10月25日(日)まで東京グローブ座、11月7日(土)から10日(火)まで京都劇場で上演される。





















