Netflixにて11月5日(木)より世界独占配信となるNetflix映画『余命一年、男をかう』。節約が趣味の独身女性・片倉唯、40歳。恋愛、結婚はコスパが悪いのでパスして生きてきた。しかし、無料で受けたがん検診で、余命宣告を受ける。余命、あと一年。唯の胸に湧いたのは恐怖ではなく、不思議な解放感。「死ぬのなら、もう節約なんて必要ない」。そんな唯の前に現れたワケありピンク頭のホスト・瀬名。「お金、貸してくんないかな?」突然の申し出に、72万円で瀬名を“買う”ことに。唯にとって人生初の “無駄遣い”の冒険が始まる。

原作は2021年第28回島清恋愛文学賞を受賞した同名小説。柴咲コウ、赤楚衛二の豪華W主演で、監督は「silent」「海のはじまり」などで繊細な心の機微を描いてきた風間太樹が務め、原作の持つ“生きることへのまなざし”を丁寧に映像化。脚本は「さよならのつづき」『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の岡田惠和。新鮮な実力派タッグが余命という題材を新たな視点で描き、チャーミングでユーモアあふれる世界観を丁寧に構築、人生の輝きを見つめ直す作品に仕上げる。

節約命の女・片倉唯を演じた柴崎は、役作りについて聞かれると「パブリックイメージとは違うキャラクターかもしれないですけど、私自身は共感しかなかったです。生活のちょっとしたことを思いながら、どこか世の中に対して漠然とした諦めみたいなものがあったり、人との距離を置いて自分の時間を楽しんでいる孤独が好きなところとか、共感ばかりだなと。あとは、当然煌びやかな時間ばかりではなく、ものづくりをしている裏側で、地道な作業や、汗水垂らしてコツコツやることも積み重ねているので、自分のリアルな部分と重なるところが多いなと思いました」と、自身と近しい部分を感じながら演じていたと語る。

ピンク頭のホスト・瀬名を演じた赤楚は、研修でホストの勉強を行ったようで、「歌舞伎町だったのでスマートすぎて、瀬名っぽさはなかったなと。瀬名は理想の人というより、隣にいてほしいようなキャラクターに落とし込みつつ、瀬名としてどう生きたかというより、どれぐらい唯さんをみていたか、新しい一面を次々発見していくことが大事だなと思い、とにかくずっと唯さんをみていました」と、振り返る。ピンク髪のビジュアルの反響については「実はウィッグなんですけど…言っていいのかな?」と告白しながら、「(ウィッグを)取って黒になった瞬間に物足りなさというか、瀬名っぽさがなくなってしまい、寂しくなるぐらい自分でフィットしていたなと思います」と愛着を見せ、「先日柴崎さんも『本当に似合っていた』と言ってくださって、ずっとピンクで生きていたいぐらいには思っていました」と気に入っていた様子だった。

脚本を務めた岡田は「脚本を書く初期段階から二人にお願いするお話は伺っていたので、書いている間はずっと二人の写真を貼って、当てがきという感じでやらせていただきました」と明かす。

そして風間監督は「お二人の素材としての魅力がそもそもあるので、アドバンテージを感じながら現場に入っていきました。コウさんのパブリックイメージの中の内面を覗いていくのは僕自身も楽しかったですし、赤楚さんの潔癖さをどれだけ身軽にできるというところに取り組んで、自分の中に目的があり、そこに向かって演出をしていくのがすごく充実した日々でした」と語った。

初共演となった柴崎と赤楚だが、役を通した互いの関係性について、柴崎は「矢印を向けてくれている人という安心感がありました。撮影中に(役の)二人として会っているので、今も抜けない感じがあります」と顔を見合わせると、赤楚も「その通りで、楽しいですよね」と共感。続けて「恋人とかそういうわけではない、分かりやすい関係ではなかったですが、とにかく居心地は良かった印象です」と振り返った。
柴崎は、唯にとっての瀬名は「お茶請け、お茶菓子」と表現。「お茶だけでも美味しいんだけど、それがあったらお茶の美味しさが倍増する」と理由を語ると、対する赤楚は、瀬名にとっての唯は「新人類。全く違うところにいる人。新たな発見やハッとさせられることを次々に見せてくれる人でした」と返していた。

物語にちなみ、「最近自分へのご褒美で日常がパッと色づいた瞬間は?」という質問が。
柴崎は「何かを足すとういうより、あるものを再確認すること。例えば、模様替えをすると今までそこにあった同じものが全然違う見え方をして、移動するだけでこんなに気分が変わるんだなと。素敵なものってここにもうあった、と再認識させられるのが嬉しい瞬間で、模様替えをちょこちょこしています。季節が変わった時期に色々入れ替えたりもしています」と話す。役にも影響を受けたようで「唯は全部のものにちゃんと位置があって、多分鉛筆一本も大事にしているんですよね。そういう生活に近づけたら良いなと、この1年でだいぶ唯になりました。捨てないで置いておくものは命が宿っている、と思えたら良いなと、撮影中から影響を受けていましたね」と話した。

一方の赤楚は「調理器具」と答え、「最近新しい鍋を買って、それで料理をするとすごい楽しくて、無水カレーばかり作ってます。自炊なんて全然してこなかったのにするようになって、一気に生活に彩りが出ましたね」と嬉しそうに報告。鍋以外にも調理器具を買い足しているようで「最近はチーズを削るやつとかも買っちゃって。オシャレになりたいんだなと思いました。次はミキサーみたいなものがほしいですね」と微笑んだ。

試写会が迫る中、最後に赤楚は「個人的な話なんですけど、撮影現場は自分一人で立っていなきゃいけないみたいな瞬間があって、どうしても一人で戦っている感覚になることがあるんですけど、今回は監督にも柴崎さんにも甘えることができた現場だったんです。その甘えることが、僕を一歩外に出させてくれたような感覚になって」と話し、この映画と重ね合わせながら「人と交わることで、自分が行けなかったところに連れて行ってくれたり、色が何重にも鮮やかに見えたりする世界を感じられると思うので、ぜひ楽しんでください」と呼びかける。

続く柴崎も「人と交わることによって変わるのが嫌な唯が、(瀬名と)出会ってしまい、揺り動かされ、変化していくのは自分も身につまされる想いがありました」とコメント。続けて、「昨年、自分をセルフネグレクトしていたなと思うんです。なんかめんどくさいな、自分のご飯を作るのももういいや、みたいなことが続いていたんですけど、この作品に出会ったことによってそこがちょっと見直されて、自分をもうちょっと愛してもいいのかなと。この作品のおかげだなと思っています」と自身の変化を明かし、イベントは締めくくられた。