――この度、日本初のミュージカル×ボーイズグループオーディション「OK!Diamonds」を始動するに至った経緯からお伺いできますでしょうか?
12歳からミュージカルの世界に入り、10代、20代はミュージカルの舞台に立つことだけを目標に夢を見て走り続けて、年間5本ぐらいミュージカルをやる年もあり、29歳でずっと出たかった4作品(『モーツァルト!』『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』『エリザベート』)の舞台に立つという一つの夢が叶いました。次の30代からの目標として、ミュージカル界とメディアの懸け橋になって、ミュージカル界をもっと広げて身近なものにしていきたい、盛り上げていきたいという想いでメディアへの進出を決めて、この10年、走ってきました。初めは1人でスタートしたところから、自分以外のミュージカル俳優さんもテレビに出るような流れができたり、歌番組ができたり、ミュージカルがお茶の間の方に届くような大きな変化があった10年でした。ミュージカル界とメディアの懸け橋になる存在という目標が30代で達成でき、今年40歳になって次の10年を考えた時に、一つの大きな夢として、海外に持っていける日本のオリジナルのミュージカルを作っていきたいというのがあって。ブロードウェイやロンドン、ウィーンなど、色んな海外の作品を僕もやらせてもらいましたが、これからは日本のコンテンツが世界に出るようなものをミュージカル界でもっと作っていきたいなと。その中で自分だけじゃなく、全国の人に知ってもらえるようなミュージカル俳優を生み出して、今の音楽シーンに新しい風を吹かせることができて、そしてミュージカル界にとっても新しい起爆剤になるようなグループを作りたい、という想いでスタートしました。
――今回、“グループ”オーディションなのが新鮮に思いました。グループの構想は早い段階からあったのでしょうか?
自分自身、アーティスト活動の中で歌手として全国ツアーをしたり、俳優としてドラマや映画に出たり、踊ることもあり、バラエティに出たり、色んな活動をできているのは“ミュージカル”というジャンルにいたことでできていると思っていて。今回、グループを作ることで、このメンバーが全員集まった時には、日本武道館、将来的には東京ドームでもできるグループになり、それぞれが日生劇場や帝国劇場でミュージカル俳優として主演を務めらえるようになってほしいし、メンバーの誰かが映画やドラマに出る可能性もあるという、今までにない新しい形ができるんじゃないかと思いました。
――このプロジェクトを発表した時、ミュージカル俳優の方など周りの反応はいかがでしたか?
「また面白いことをやっているね」と興味を持って連絡してくれたり、ミュージカルの後輩たちも「僕も入りたいです」ってたくさん連絡してくれたり。結構ミュージカル界も注目してくれていると思います。


 

――応募者の方のどんな魅力や可能性に期待していますか?
まず、ミュージカルがベースではあるので、ミュージカルは音楽のジャンルが1つではなく、作品によっては『オペラ座の怪人』や『レ・ミゼラブル』とクラシックの発声がとても大事な場合もあれば、ロックミュージカル、今はラップのミュージカルもあり、時代とともに求められる音楽が変化していくんですね。なので、実はミュージカル俳優と言っても本当は何でも歌えないといけないし、色んな音楽の色があっていいので、そういう色んな要素が凝縮したようなグループを作りたいとなった時に、1つのジャンルだけではなく、色んなジャンルのメンバーが集まると良いなと思っています。だから、ミュージカルが好きでミュージカル俳優になりたいという方はもちろん、クラシックやオペラを勉強している方、ロックをやっている方、ポップスをやっている方、どんな方でもピースにはまれば魅力を最大限に出せる場所になると思っているし、ミュージカルに興味が無かった方ででも、役にはまっていけば誰にでもチャンスがある場所だと思っているので、本当に色んなジャンルのメンバーに集まってほしいなと思っています。
――“従来のオーディションのような緊迫感や緊張感は与えたくない”とコメント動画で話されていたのが印象的でした
日本の独特なと言いますか、稽古場にしてもオーディションにしても、緊張感のある、ものすごく硬い空気感で、それが自分も若手の頃は葛藤があり、自分が表現する以前の戦いがいつもあって、なんでこんなに緊張するんだろうとか、表現したいのにそこに行くまでがすごく苦しいんだろうとか、そういうものはエンタメをやる上でプラスに運ばないんじゃないかと若手の時から思っていました。そんな中、20代で尊敬する海外のチームと仕事をした時に、そういう方が1人もいなくて、演出家とかリーダーは精神カウンセラーで、とにかく皆が良い精神状態でリラックスして、先輩後輩も年齢もキャリアも関係なく、全員がそこで同じ立場で自分らしく居られる空間を作るのが僕たちの仕事で、オーディションでもなんでも、とにかく楽しめるようにということをコンセプトでやってくださって、それがすごく衝撃的で印象的でした。その時のチームが生き生きとして、こんなに自由に表現していいんだと思い、それぞれ自分らしく居られた時に、とても素晴らしい舞台になった経験があって、そういう自分が若い時に経験したことを生かしたいと思いました。


 

――オーディションタイトルにある「OK!」もその時の経験を経ての言葉なんですよね
自分も「大丈夫」とか「OK!」とか、前向きなポジティブな言葉を言うのが口癖になっていて、そういう空気感でできたらいいなという想いがあります
――緊張しすぎて本来の力を発揮できないのも、縮こまってしまうのももったいないなと思ってしまいます
人前でパフォーマンスをすることが、どれだけのプレッシャーで、精神力と心を疲弊するかはやっている側なので分かるんです。10人の前で喋るとなっても、誰でもドキドキすると思います。それが常に何百人、何千人、何万人の前で表現しなければいけない状態で日々過ごすので、とんでもない精神力が必要で。そこが日本は割と体育会系で、「やれって言ったらやれ!」みたいな昔からの流れがどこかあるので、そういうのは断ち切りたいなと。昔ももしかしたら繊細で、そういうところで押しつぶされてしまったけど、実はものすごく才能があったかもしれない。僕も生きてきた昭和のエンターテイメントの世界は、どこか体育会系の人しか生き残れない場所だったと思うんですけど、そうじゃなくて良いと思っていて。才能がある子の魅力を引き出せるようなオーディションになれば良いなと思っています。
――山崎さんは緊張してしまうタイプでしたか?
そうですね。むしろ人前が嫌いで、喋るのも嫌で、見られるのも嫌というのは根本にずっとあったので、それをどう乗り越えていくのかを自分なりにすごく考えていました。
――そういったご自身の経験があるからこそ、オーディションの空気作りも意識されているのかもしれませんね
日本は特に硬い空気が強いかもしれません。海外の演出家や監督は、自分自身も役者の勉強をしたり、人前で演じることをやったり、表現したりするのを知って初めて人を指導していくというのがあり、基本的には、表現に失敗とか間違いはないんだよ、全部正解だよっていつも言ってくれるんですよね。やったことは全部OK、でも僕のピースにはまるかどうかだけの問題だから、あなたは何も間違っていないし、素晴らしい正解だよ、と。今回もこのピースにはまるかどうか、それをダイヤモンドとしているんですけど、それぞれの鋭いダイヤモンドが集まった時に、1つの美しい大きなダイヤモンドになり、そこにハマるかどうかを選んでいくので、表現した皆が間違っているとか、ダメだということはないよということは伝えていきたいです。


 

――ただいま1次審査のWEB応募審査が行われていて、たくさん応募がきているかと思いますが、皆さんの動画をご覧になっていかがですか?
通常のオーディションでは考えられないぐらい幅広いジャンルの方が参加してくださっていて、オペラをやっている方や音大生、もちろんミュージカルが好きな方、年齢層も下から上まで幅広く応募いただいています。そして音楽のジャンルも様々で色んな音が聞こえてくるので、面白いですね。
――最終的に誕生したグループの皆さんに、どのような存在になってほしいですか?
多分唯一無二の、これまでにないジャンルのグループになると思うので、自分たちにしかできない音楽と場所を作ってほしいですし、それと同時にこのグループの活躍がミュージカル界を盛り上げる一つの起爆剤にもなると思うので。でも、楽しみながら自分たちにしか出せない色を作ってほしいです。どこまでも行けると思うので。
――山崎さんが「この人は輝くだろう」と魅力を感じるのはどの部分ですか?
自分に対して本気で向き合っていたり、覚悟を持っていたりする人ですかね。歌やお芝居の表現もそうですし発言も、自分はこうなんだと言い切れる何かを持っている人はやはり輝くし、その人にしかない輝きが見えてくると思います。周りがどうこうじゃなく、自分と本気で向き合っている人は魅力を感じます。誰になんて言われようと、自分はこうなんですって言えるものを持っている人は強いですよ。