本作は、2018年にミュージカル『バンズ・ヴィジット』でトニー賞ミュージカル脚本賞を受賞したアメリカの劇作家、イタマール・モーゼスの脚本で、2007年にサンディエゴ・オールドグローブ劇場にて初演。初演の好評を受けて、2008年にはオフ・ブロードウェイでも上演され高い評価を得た。

本作では、高校の同級生で、ともに大きな夢を追いかける男二人が過ごした17歳から27歳までの10年間が描かれる。先に小説家として成功を収めたベンジャミンに対し、なかなかチャンスに恵まれない劇作家・デヴィッドとの間で次第に軋轢が生じていく過程が、リアルな会話を通して描かれる。賞賛と嫉妬、希望と不安、それぞれの葛藤に揺れる姿を描く男の友情ドラマを、二人芝居でお届けする。
日本初演となる本作で翻訳・演出を手掛けるのは、これまで脚本、翻訳、訳詞、振付などジャンルを問わず多岐にわたる活動で引く手あまたの活躍を見せるマルチクリエイター・福田響志。14歳よりアメリカに留学し、大学時代には演劇科で演出を学んできた福田が留学時に出会い、「いつか自分で演出したい」と熱望してきた『The Four of Us』が、自身の初演出作品となる。ジャンルレスな活動から得た表現でどのような演出を魅せるのか、注目したい。

売れない劇作家のデヴィッドを演じるのは、その確かな演技力とユーモアでシリアスからコミカルまで幅広くこなし、話題作への出演も続く戸塚純貴。2024年に福田響志が翻訳・訳詞・振付を担当したミュージカル『グラウンドホッグ・デー』に出演し、福田との親交も深い戸塚が彼の演出によってどのような化学反応を起こすのか注目が集まる。
デヴィッドの学生時代からの親友で、初めて書いた小説が大ヒット。一躍スター作家となるベンジャミンを演じるのは、高い演技力とクールな佇まいで存在感を残し、俳優・モデルとして多彩な活躍を見せる渡邊圭祐
戸塚と渡邊は今年公開の映画『SAKAMOTO DAYS』で共演し、見事な対決シーンを演じたが、本作ではともに夢を追いかける親友として男の友情ドラマを繰り広げる。

<あらすじ>
学生時代からの友人で共に大きな夢を抱いていた劇作家のデヴィッドと小説家のベンジャミン。
かつては理想の未来を熱く語り合っていたが、ベンジャミンは小説家として先に成功を手に、デヴィッドはなかなかチャンスを掴むことができず、徐々に2人の心に溝が生まれ始める。
「先にキャリアを掴んだベンジャミンは自分の人脈でデヴィッドを助けるべきか?」、「そもそもデヴィッドは友人からそんな恩恵を期待していいものなのか?」、そして「2人の昼食代はどちらが払うべきか…?」
それぞれの葛藤に揺れる二人のキャリア・友情・人生の選択そのものが後に彼らが生み出す作品の題材になっていく――――

【翻訳・演出:福田響志 コメント】
15歳の時に『RED』という二人芝居を観てから、僕もいつか演出家になって二人芝居を演出したいと思っていましたが、まさか同じ新国立劇場 小劇場で叶うとは思いませんでした。
ニューヨークで演出の勉強をしていた頃に出会い、好きで翻訳した本戯曲。嬉しかったのは、今年の2月に初めてキャストのお二人とご飯に行った時に、「早く読み合わせしたい!」と言ってくださったこと。実際に、3月に初読み合わせ、実質初稽古をしました。本番、来年の1月ですよ?(笑) こんなに早く稽古すること滅多にありません。気合十分です。しかも、この読み合わせがまあ面白くて!戸塚さん×渡邊さんの相性の良さは半端ないなと感じました。本稽古が楽しみで仕方ありません。
子役時代から数えて20年以上、いろんな形で演劇をやってきて、初の演出作品です。この上ないキャスト・クリエイティブと共に、全力で挑みます。来年1月、ぜひご観劇いただけたら幸いです。

【戸塚純貴 コメント】
福田響志くんが翻訳・振付を手がけてくれたミュージカルで共演したとき、
「いつか戸塚くんと一緒に作りたい作品があるんだ」
そう真っ直ぐに言ってくれたあの言葉が、ずっと心に残っていました。
今その想いが、この『The Four of Us』という作品として動き出します。
響志くんの中で長く温められてきた大切な作品に関われること、こんなに嬉しいことはありません。
しかも本がとにかく面白い。読むほどに引き込まれます。
さらに、渡邊圭祐くんという最強に心強い仲間も加わり、ピースはすべて揃いました。
舞台は整った。あとは、ぶつかるだけです。
福田響志、初演出。
その覚悟も情熱も全て受け止めて、真正面から応えたい。
そして何より、観てくださる皆さまに心から楽しんでいただけるよう、精一杯向き合います。
この『The Four of Us』のような、剥き出しで、不器用で、それでもどうしようもなく愛おしい青春を、3人で追い求めていきたいと思います。

【渡邊圭祐 コメント】
この度、新国立劇場の小劇場にて福田響志さん演出の下、戸塚純貴さんと二人でお芝居させていただきます。
初だらけということも相まって、ここまで出てきた単語一つ一つに個人的に胸が躍っております。
膨大な台詞量に圧倒されながら、二人で織りなす生暖かく青臭い絶妙な空気感みたいなものが観にきてくださる皆様に伝われば嬉しい限りだなと、ぼんやりぼんやり思っております。
伝えなければならない使命感に押し潰されないように稽古の時間も楽しみながら新年を迎えられるようにしたいです。是非とも、よろしくお願い致します。