――ここからは百瀬さんのお話を。俳優としてテレビや映画、舞台と様々な作品で活躍されていますが、元々芸能界には興味があったんでしょうか?
あったとは思うんですけど……そもそものきっかけが幼い時に母親と劇団四季を見に行って。あまり覚えてないんですけど、ライオンキングを見に行ったんですよね。その後、帰ったら家の階段の上でシンバの真似をしていたらしく、母親がこれだと思って事務所に送ったのが最初だと話していました。
――これまで出演されてきた作品の中で、印象に残っている作品は?
こういう質問をしていただいた時に、これまでは一度出演させていただいた大河ドラマの話をしていたんですけど……。3、4年前に大河ドラマに何話か出演させていただいた時に、クランクアップの日に一言言ってわーって行くシーンで10回くらいNGを出したのがすごいトラウマになって。大御所の方がたくさんいらっしゃってとんでもない雰囲気になって、それが結構トラウマになったのでこれまではその作品かなと思っていたんですけど、最近はちょっと変わってきて……。
最近の印象に残っている作品は、『血界戦線』の前にストレートの舞台に出演させてもらったんですけど、その舞台に関しては僕の中で出番が少なくて、ピンポイントで出演する役だったんですけど、見に来てくださった方が「良いね」ってすごく言ってくださって。稽古ではなかなかうまく出来なくて、でもその演出家の方が「もう一回やってみよう」「もう一回やってみよう」って付き合ってくださって、苦しんだからこそ、自分の中で渾身なのかなと思ったんです。
その後の『血界戦線』も座長として3作目でしたが色んな発見があって、座長としての立ち振る舞いみたいなものを今まで以上に考えて、少し変えたりもしました。その時に並行して『顔だけ先生』ってドラマの5話にも出させてもらったんですけど、自分の中でどうなるのかドキドキな気持ちもありつつ、結構重要な役だと思ったので考えて役を作って行ったら、監督さんとも色々と話が出来て、すごく寄り添って役のことを考えてくださったので、撮影の時もすごく感触が良いというか。自画自賛ですけど、自分の映像作品の中ではすごく好きな作品になりました。
今、自分でもやりたいことが出来てるんじゃないかなっていう、良い流れが出来ているんじゃないかと思ってるんです。色々きっかけはあると思いますけど……何の質問でしたっけ?これ(笑)

――印象に残っている作品ですね(笑)
そうですよね(笑)。昔は大河ドラマを挙げてたんですけど、やりたいことが出来ているっていうことだと、最近の『血界戦線』だったり『顔だけ先生』だったり、その前の舞台です。
――百瀬さんといえば2.5次元など、舞台に出演されている印象が強いのですが、公演前に行っているルーティンとかはありますか?
ないんですよね……。決めないことがルーティン、みたいな。ストレッチぐらいはやりますけど。例えば初日あるあるなんですけど、バタバタしててもう本番が始まっちゃう、みたいなことがある時に、いつものルーティンが出来ない可能性があるじゃないですか。出来ないと、出来なかったことを引きずっちゃうからあえてやってないっていうのはあります。
――舞台と映像作品にはそれぞれ良さがあると思います。百瀬さんはどのような魅力を感じていますか?
どっちも好きなんですけど、舞台に関しては、いわゆるですけど、生ものだなと思っていて、前回の『血界戦線』ではちょっとアドリブパートも多かったんですよ。そうなると、まず昼と夜でお笑いのノリが違って、昼公演だとあまり温まってないから夜公演の方がお客さんが笑ってくれるっていうのもありますし、東京と大阪でリアクションも違うので、笑ってもらうことに関しては特にその雰囲気を見ている感じはありますね。ちょっとジャブを出して、結構笑ってくれるんだって思ったら行けばいいし、今日は違うなと思ったら、これじゃないんだろうな、とかは舞台では結構感じますね。
――映像ではどうですか?
映像も多分やってることは基本的に一緒なんですけど、色んな要素がすごく組み合わさる気がしていて。例えば自分の芝居があまり良くなかったかもしれなくても、良く見せるようにしてくださったり、言い方が分からないですけど、撮り方とかありますし、組み合わさった時は最高だし、っていうその楽しさがあります。
――2021年は百瀬さんにとってどんな年になりましたか?
今年は変化じゃないですけど、色んな状況がある中で僕は今の事務所に変わって、仕事のことも改めて考え直して、こういう仕事をやっていきたいなっていうので仕事を決めていったところはあります。世の中もそうですけど、僕の中ではここ何年かで1番変わったなっていうのが今年の印象です。
――そんな今年を経て、2022年の目標は?
僕的には、仕事の流れがすごく良いと思っているので、その流れは続けていきたいし、もっと良くしていきたいし、ってところですかね。でも仕事も舞台とかやりながらも映像作品とかも出来るだけ増やしていけたらとか、そういうやりたい仕事を出来れば良いなと思ってます。
――ありがとうございます。それでは最後にファンの方々へのメッセージをお願いします
今回の『莫逆の犬』は僕はすごい好きな作品だし、まだ出来上がってないですけど、きっと良いものが出来ると思っているので、足を運んでいただける方はぜひとも見ていただけたらなと思います。僕も最近は2.5次元の大きな作品をやっていたんですけど、それとはまたちょっと違う普通の男の子みたいな役なので、その一面も見てもらえたら嬉しいです。


カメラマン:秋葉巧、ヘアメイク:勝部絵理奈