――ドラマ『おじさんはカワイイものがお好き。』に出演が決まった時のお気持ちを教えてください
この作品のお話をいただいたのは自粛期間中だったんですけど、この先どうなるんだろう……と思っていたところに突然マネージャーさんから電話が来て「仕事決まったよ」と言われて、本当に驚きました。
――印象的なタイトルだと思うんですけど台本を読んでみた感想はいかがでしたか?
まず台本を渡されて、表紙に「パグ太郎」がいたんですけど、それを見ただけで絶対面白いだろうと確信しました。読んでみたら最初はエリートな小路さん(眞島秀和さん)のお話かと思いきや、すぐに可愛いものの話になったりして、とにかく面白いお話だと思いました。

――原作の漫画は読まれましたか?
出演が決まった時にこれは読まなきゃダメだなと思って読みました。
――漫画から役作りへ生きるものはありましたか?
原作では僕が演じる真純はかなり大人っぽい感じというか、スッとしているけどたまに良いことを言うようなキャラクターなんですけど、ドラマの台本ではそんな感じが全くなくて、最初は自分の中でかなり迷走していました。その後衣装合わせで監督と初めてお会いした時に「真純は今回オリジナルだよ」と言われて。
――では原作とはまた少し違って描かれているということですね
真純には少女漫画が好きという設定も加わっていて、しかも常にト書きに「天使のような微笑み」というような事が書かれているキャラクターなのでかなりハードルが高いんですけど(苦笑)。常に笑っていて、人のことを元気にさせるような役柄です。
――真純の笑顔がポイントになってくるわけですね
そうですね。真純の表情やポロっと言った一言が他の3人を動かしたりする、意外とキーパーソンになっているところがあるので、そういうところに注目していただきたいです。

――藤原さんご自身は現在高校生ですが、真純は大学生です。演じる際に気をつけようと思った点はありますか?
監督に「真純は大学生だからちょっと大人っぽくした方がいいですよね?」って聞いたら「中学生だと思って演じてほしい」って言われて。情報解禁した時に「大学生役やるんだ」「どういう大学生になるんだろう」っていうコメントをたくさんいただきましたが、心の中で「皆が想像している大学生じゃないかも……」って思いながら演じています(笑)
――キービジュアルが公開されていますが、衣装も可愛らしい感じですよね
皆さんも「あれ?原作と違う?」っていう風になっていたと思います(笑)。可愛く見せられるように頑張っています。
――藤原さんと真純で共通点は?
共通点は人のことを楽しませたい、っていうところですかね。真純には人が落ち込んでいたりする時に自分がどうにかその気持ちをポジティブにさせてあげたいっていう気持ちが常にあって。それは僕も同じなので似ているなと思いました。
――少女漫画家志望という設定もありますが、役作りで何か行ったことはありますか?
この作品では「好き」という言葉が大きなテーマになっていて、その「好き」にどう接していくかが描かれています。少女漫画が好きだからこういう芝居になるというより、好きなものに対してどう接するかということだと思ったので、少女漫画に固執せず自分が好きなものに置き換えて考えました。
――何に置き換えたんでしょうか?
僕にとって好きな可愛いものを考えた時に浮かんだのが愛犬のアンドレで。可愛いアンドレに対する愛情を少女漫画に向けていったらどうなるかを考えて演じています。
――真純は家事力が高いと言われています。藤原さんご自身の家事力はいかがですか?
出演が決まった時に真純のキャラクター設定の資料をいただいて、そこに家事がとにかく出来ると書いてあったんです。これはやらなきゃやばい!と思って自粛期間中にかなり練習しました。まず料理を練習して、その中で1つだけ動画を撮影してインスタに載せたんですけど。あとは洗濯物を畳むのを練習していたら、畳むことにハマってしまって。手伝うようになったらこだわりが出てきちゃいました。
――畳み方にも色々ありますよね
Tシャツの畳み方が癖になってしまって、その畳み方じゃないと嫌だな……って。なので、親には「置いておいてくれて良いよ」って言うようになったりしました(笑)。謎のこだわりが出来るぐらい、洗濯物を畳むのは好きになりました!
――真純は眞島秀和さん演じる小路さんの甥っ子にあたりますが、眞島さんとの共演はいかがですか?
眞島さんはとても優しい方です。眞島さんとは共演シーンが多いのでよくお話させていただくんですけど、今回のドラマのことだけではなく「こういう時はこうした方がいいよ」って色々教えていただいています。まだ芸能界に入って間もないので、現場で分からない単語が出るんですよね、「しりボールド」とか。「あれって何ですか?」って眞島さんに聞いたら「おっ、大祐良いね。じゃあクイズするか!」って僕が知らない単語を出して、意味を予想して答える、っていうクイズ大会をやったりして(笑)。楽しく過ごさせてもらっています。
――眞島さん以外にも今井翼さんや桐山漣さんもいらっしゃいます。お二人の印象は?
桐山漣さんは最初から優しそうな方だと思っていて、その印象は変わりませんでした。今井翼さんは最初ちょっと怖いのかな?っていう印象がありました。本読みの時にあまり笑っていらっしゃらなかったので……でも後から話を聞いたらすごく緊張していたらしくて。今井さんご自身も「緊張してたんだよね」って笑っていて、それから色々話しかけてくださいました。

――撮影中のエピソードはありますか?
先日の撮影で、小路さんの家は二階建てになっているんですけど僕が一階にいて目薬をさそうと思って上を見たんですよ。そしたら眞島さんがちょうど階段から下を見下ろしたタイミングと被ってしまって。目薬をさすタイミングで目が合っちゃったので、お互い恥ずかしくて大爆笑しました(笑)
――そんなことがあったんですね(笑)
眞島さんも「うわー!目合っちゃった!」って楽しそうにしていて、人生で二度とない経験をしました(笑)
――藤原さんが思うドラマの見どころや注目してほしいポイントを教えてください
眞島さん、今井さん、桐山さん演じるお三方はかなりイケメンで何でも出来るという一面がありながら可愛いものが好き、といった秘密があって、そのギャップが一緒にお芝居をしていて笑いを堪えられない時があるくらい面白くて、そこは視聴者の方にも楽しんでいただけるに違いないと思っています。真純に関しては、可愛いもの好きっていうのが完全に溢れ出てしまっているんですけど、でも少女漫画好きを打ち明けられなくて。4人それぞれが自分の「好き」に対して葛藤してどう寄り添っていくのかがこの話で描かれていきます。皆さんもそれぞれ絶対好きなものがあると思うので、自分の「好き」と照らし合わせながら、「好き」に対するネガティブな感情を無くして、ポジティブに考えるきっかけになれば良いなと思います。