――ドラマ『半沢直樹』に出演が決まった時の気持ちを教えてください
コロナ禍になかなか仕事が思うように出来ない中、『半沢直樹』という誰もが知る国民的なドラマのお話をいただけたことが本当に嬉しかったです。10年以上お芝居をやらせてもらってきていますが、たった10年ですけど、これまでの経験を全部ぶつけたい、といった気持ちが大きかったです。
――プレッシャーはありましたか?
良い意味でプレッシャーはありませんでした。メイン監督である福澤(克雄)さんとご一緒させていただくのが今回3度目で、そのステップアップを福澤監督に見せられたらと思っていました。プレッシャーや緊張を高揚感ややる気に変換出来ているのかもしれません。楽しくてしょうがないです。

――入江さん演じる田島春は4話(8/9放送)からの登場となりました。役どころを説明いただければと思います
半沢さん(堺雅人さん)が東京セントラル証券から元々いた東京中央銀行に戻ってきたんですが、その東京中央銀行で問題になっているのが、倒産しそうな帝国航空という大きな航空会社で、再建を任された半沢さんの下についています。
――役を演じる際に気をつけていることはありますか?
台本を読ませてもらって思ったのは、連続ドラマの枠って基本的に1時間じゃないですか。でも『半沢直樹』はどう見ても分厚いんですよね、台本が(笑)
――1時間以上ありそうなくらいですか?
そうですね。セリフが多いのでページ数も多くて。でもたらたら喋っていたら尺に入り切らないんです。実際クランクインの前に福澤監督から「セリフは速めに言ってね」と言われましたし、特に気をつけています。あとは専門用語が多いので、そこを立てられるようにセリフを言うようにしています。
――セリフのテンポの速さは『半沢直樹』の魅力の一つになっていると思います
ジェットコースター感と言いますか、セリフの応酬となっていて感情の起伏が激しいドラマなので振り落とされないように、と思っています。
――堺雅人さんの印象はいかがですか?
誰もが知っているような様々な作品で活躍されている凄い方なんですけど、本当に優しい方で、スタッフさんにも役者にもエキストラの方にも、どんな相手に対しても気さくにお話してくださるんです。その姿を間近で見て、ああいう人になりたいな、とシンプルに思いました。
――演技の中で堺さんのお芝居から感じたことはありますか?
たくさんあるのですが……基本的に堺さんはどのシーンでも長ゼリフで、僕は傍にいて聞いていることが多いんですけど聞きやすいんですよね。セリフのリズムとテンポと明瞭さが素晴らしいので勉強になります。あれだけ速いテンポのドラマでも堺さんのお芝居から何を言っているか、何をしたいのかがちゃんと伝わってくるので、近くで学ばせてもらっています。
あとは、ずっと練習されているんです。カットがかかって空き時間になっても、休まずにずっとセリフを練習されていて、すごいなと思います。やった分だけ結果が出る、というのを堺さんの姿勢から感じられています。
――撮影現場の雰囲気はいかがですか?
大変な状況下でやらせてもらっていますが、和気あいあいという以上に活気が溢れています。福澤組は基本的には毎回同じスタッフさんが多いので、僕も慣れ親しんだ方々と1年ぶりに再会して撮影が進んでいくので、大家族のような感覚です。
――撮影中に印象に残っているエピソードは?
帝国航空の再建に取り組む中で、一つ案件が上手くいってその時に半沢さんに報告するシーンがあって、カットがかかった時に「田島が嬉しそうだったから僕も嬉しくなっちゃったよ」って言っていただいて。嬉しいお芝居を堺さんにお伝えしたら、堺さんが喜んでくださったので、僕もまたさらに嬉しくなった、といったことがありました。

――入江さんからみたドラマの見どころを教えてください
これまで半沢さんは次々と迫りくる強敵をなぎ倒してきたわけですけど、なぎ倒せばなぎ倒すほど敵が強大になっていって……。
――いよいよ国家ですね
そうなんです。国家を相手にどのように立ち向かっていくのかがもちろん見どころだと思いますし、何といっても裏切りがつき物なんですよね、『半沢直樹』は。視聴者の方をハッとさせるような展開も待っていると思います。
――帝国航空再建の前に立ちはだかる国土交通大臣・白井亜希子を演じるは江口のりこさんです
これまで敵対してきた相手って基本的に男性の上司が多かったと思うんですけど、満を持して江口さんがやってきます。政治家やアナウンサーと色々なキャラクターが混ざった最強の女性が敵として現れます。それにこれまでは胸焼けするような本当に濃い強敵ばかりの中、江口さんが演じるのは斜に構えているようなスッとした女性なんです。暖簾に腕押しじゃないですけど、いくら戦おうとしてもスッとかわされて無力化されるような強敵です。これまで見てきてくださった『半沢直樹』ファンの方には違った角度からの攻め方となるので楽しんでもらえるのではないかと思います。
あとは何と言っても田島春じゃないですかね!半沢さんの忠犬として、その活躍もぜひ見ていただきたいです!