――映画『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』に出演が決まった時の気持ちを教えてください
個人的な話になるのですが、前から橋本環奈さんがすごく好きだったんです!SNSもフォローさせてもらっていたので、一緒にお芝居が出来ることが嬉しかったです。『かぐや様は告らせたい』も作品は存じ上げていて、出演が決まってから改めて漫画を読み直しました。すごいスピードで話が進んでいくのが面白かったですし、アニメも見たらドハマリしてしまって。最終回に近づくにつれて「私がこの作品に出演するんだ」と改めて実感しました。
――漫画もアニメもご覧になった上で台本を読んでみた印象はどうでしたか?
作品独特のテンポ感が一切崩れることのない脚本だったので、完成がとても楽しみでした。それと同時に「このシーンやりたかったな」とか「あのセリフ少しニュアンスが変わってる」という想いもあったり……。
――ファン目線ですね(笑)
ただのファンです(笑)。なので、私が藤原千花ちゃんを演じるにあたって、出来るだけアニメのイントネーションに近づけるよう、言い方やテンポ、どういう声のテイストだったのかを研究したり、表情を作るのも漫画に出来るだけ寄せられるように鏡を見て一人で練習しました。いかに自分が千花ちゃんになれるか常に考えて……その結果、撮影期間中にすごく痩せました(笑)

――考えすぎて、ですか?
そうですね。他にも撮影に入る1か月くらい前から歩き方を内股にしてみたり、あとは自分がどこまで高い声を出せるのか、テンションが上がった時に聞き取りにくくないレベルで千花ちゃんの声が出るか、時間をかけてちょっとずつ研究もして。自分の中で日々積み重ねていって撮影に挑んでいました。
――千花に対する愛がすごいです
本当に好きなんです、千花ちゃんが。漫画だけだったら、声のイメージは人それぞれだと思うのですが、アニメでは小原(好美)さんが魂を吹き込んだ千花ちゃんがいて、それが一つの正解だと思っています。なので、できるだけ小原さんに寄せたいと思いながらも、実写になったときに生身の人間が演じるからこそ生じる違和感を、原作に寄せながらいかに削れるかというところで、すごいせめぎ合いでした。
――あらゆるところに精神を使って演じられたんですね
その結果、すごく痩せたんですよね(笑)。あと、撮影が終わってもたまに内股になってしまったり……。
――役が残っているんですか?
残るんですよ!手の仕草だったり、動きもすごくオーバーに演じていたので、ふとした時に千花ちゃんが出ることがあります(笑)
――浅川さんと千花で共通点はありましたか?
千花ちゃんは驚くほど天然なんです(苦笑)。驚くほど能天気で、でも何も考えていないように見えて実は腹黒い一面もあったり、鬼のように鈍感だから、白銀とかぐやが好き同志だからこそ言い合いをしていることに全く気付いていないような可愛い女の子なんです。私が個人的に好きなエピソードはテストの日の回なのですが、白銀とかぐやは「テスト勉強はしない」「しない方が良い点数が取れる」と言いながら実はしているんですけど、千花ちゃんは2人の「勉強はしない」という言葉を真に受けてしまうんです。すると勉強をしないので順位がどんどん下がっていってしまうという……。そんな素直な一面は自分と真逆だなと思いました。あそこまでの純粋さは兼ね備えていないです(笑)
――細かい部分まで注目されているんですね
千花ちゃんのことが大好きだったので注目して見ていましたし、見ていたからこそいざ演技をする時はイメージがしやすかったです。2次元から3次元になった千花ちゃんの表情や動きを考えるのがとても楽しくて、演じていても楽しかったです。

――浅川さんの千花を早く見たくなりました!
でも私は逆に怖いんですよね。研究して撮影には挑みましたが、実際どういう表情になっているのか……。また、アニメでは最初は明るく能天気な雰囲気が後半になっていくと腹黒さが出てきて若干キャラクターが変わってくるんです。なので、自分が演じる時にも腹黒い一面が出ているシーンでは声質を変えてみたりしました。それがどう映っているんだろうという不安は大きいですが、噂によるとスタッフさんからお褒めの言葉をいただいたと聞いたのでワクワクもしています!