――6月から『刀剣乱舞』の新作公演“悲伝 結いの目の不如帰”が始まるということで、稽古の真っ最中だと伺っています
知ってる顔が多いので、稽古初日で僕が挨拶する時に「ただいま」とだけ言ったら、みんな笑って迎えてくれて、「おかえり」と言ってくれました(笑)。
――2016年から舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺で不動行光を演じてきたわけですが、不動行光という刀剣男士の最初の印象を教えてください
原案となっているゲームは立絵で動きがなかったので、最初に演じた時は、全然イメージが湧かなくて。どうやって作っていくんだろう、なんで甘酒で酔っているんだろう、という不思議がいっぱいありましたね。稽古でキャラクターを深めていく程、そういう過去があったのかと思うことはありましたけど、第一印象は“なんで酔ってるの?”でした(笑)。
――確かに不動は常に酔っているという刀ですよね
そうですね。前回の公演では顕現されたばかりの不動行光を演じたので演出家さんからも「弱く」と言われていました。最初は弱く、というのはゲームを原案とした作品らしいと思いましたね。

――織田信長が所有していたとされる短刀ですが、役作りの際にはそういった歴史的背景のことも考えたりしましたか?
そうですね。作品中にも“信長様が好き”っていう部分は結構出てくるので、意識はしました。
――同じ織田家に縁のある刀ということで、へし切長谷部との絡みも楽しみです
結構おもしろいかもしれないですね、関係性が。前回と比べて、それぞれが成長していることもあり、以前と違った二人の関係性がみられるかもしれません。
――新作公演では刀剣も十二振り登場しますよね。椎名さんからみてここを注目してほしいという部分は?
やっぱり今回主軸になる三日月宗近の存在には注目してほしいですし、サブタイトルの意味も想像しながら観に来ていただけたら。今回はめちゃくちゃコメディ部分があるというわけではないと思うので、お芝居を純粋に楽しんでいただけたらと思います。

――台本を読んでみての印象は?
もう衝撃です。攻めるなと思いましたね(笑)。
――刀ステシリーズの集大成となる作品ですが、改めて今回の公演に対しての気持ちを教えてください
久しぶりに帰ってくることができて、待っていてくれたファンの方も多かったと思うので、その期待に添えるように自分のできることをやりたいなと思います。前回出た“虚伝”では、本能寺の変の話だったので織田信長に縁のある刀の役の比重が大きくて大変だったのを僕自身が経験しました。今回も比重が大変な人を裏でフォローできたらいいなと思いますし、そうしたいメンバーが集まっているので。長い公演になるので、みんなで乗り越えたいです。前よりも成長した不動の姿をお届けできると思うので楽しみにしていてください。