――映画「ニート・ニート・ニート」に出演が決まったときの気持ちを聞かせて下さい
決まった時は正直異次元すぎて、ピンとこなかったです。半信半疑なところがありました。ただ撮影祈願の大安の日がたまたま私の誕生日だったんですけど、オールスタッフ・キャストの顔合わせの日でもあり、そこで初めて実感が湧きました。これだけ多くの人が集ってこれから作品を作っていくんだなと思いました。
――今回は3人のニートと謎の家出少女・月子のロードムービーですが、台本を読んだときの印象は?
台本を初めて読んだ時は「セリフ少ない、ラッキー」って思いました、最初は(笑)。でも読み重ねていくうちにセリフが少ないことは難しいことだと分かって。セリフの無い部分をどうやって表現したらいいのか、という部分でプレッシャーになっていきました。

――どのような役づくりをされましたか?
月子は子どもですが、精神的な面では大人で達観している部分が強い子でした。なので、子どもっぽく演じるのは絶対に違うと思って、幼く魅せる役作りはやめました。
あとは監督から、月子はどこか孤独じゃなきゃいけないと言われていたので、皆さんでご飯に行くときも仲良くなりすぎないように気をつけていました。
――月子と自分との共通点はありましたか?
月子は本当に難解な子でしたね。態度にも表わさず、口にも出さずという…。その面は一緒ではないですが、自分の中に溜め込んでしまうところは似ているかもしれません。ただ、私はその場が楽しくあるのが一番と思っているので、嫌な態度をとるようなことはないです(笑)
――共感できる部分は?
月子の強くない所です。すごく強い女の子に見えるんです月子は。気の強いっていうか。でも本当は殻に閉じこもっているだけで、弱い普通の女の子なんだよっていう部分が誰しも共感できるだろうし、私自身も共感できます。
――北海道の総移動距離3300km以上、とありましたが印象に残っている場所は?
襟裳岬が北海道ロケの最終日だったのですが、天候も悪くてすごく寒くかったんです。そんな中で薄着に半ズボンという衣装の私をスタッフさんが6人がかりでガードして温めてくれて、人の温かさが北海道の寒さに映えましたね。その光景を後から写真で振り返った時に、この作品の為に多くの人が関わっていたんだなと感じて、このシーンは覚えておかなきゃいけないと思いました。
――SNSに北海道グルメを載せていましたが、何が美味しかったですか?
ゴジさん(藤本隆宏さん)の家のシーンで食べたシチューととうもろこしの丸かじりがめちゃめちゃ美味しかったです。寒かったので温まりました。全部北海道の食材なので、基本的になんでも美味しいんです。ご飯には恵まれていました!
あとは撮影の出番がない時間帯で1人ジンギスカンに行きました。皆さんが働いている間のジンギスカン…少し罪悪感がありながらも(笑)、最高でした…!
――北海道ならではのグルメを堪能されたんですね
はい。他にも北海道で流行っている「夜パフェ」にも、私と森田(美勇人)くんとスタイリストさんとヘアメイクさんで食べに行きました。そうしたら同じお店に映画の撮影部さんが全員いらっしゃっていて、お店の一角が全員顔見知りで面白かったです(笑)

――同年代の役者さんが揃っていましたが、現場の雰囲気はどうでしたか?
現場は自然体でした。ワーキャー楽しむ青春映画のようではなく、埃っぽかったり男臭かったりっていう部分がこの映画の魅力であり、現場もそんな雰囲気でした。皆がナチュラルに、一緒に時間を共にしていましたね。
――撮影中、印象に残っているエピソードは?
夜の北海道で満天の星空が見えているというシーンがあったんですけど、撮影の合間にふとRADWIMPSさんの「トレモロ」を口ずさんでいたらそこに安井(謙太郎)くんが入ってきてくれて、2人でハモって歌いました。いい雰囲気だね、ってなっていたんですけどメイキングの方がちょうどその時にいなくて!映像に残らなかったのがもったいなかったですね。ロマンチックなエピソードはこれくらいでした(笑)
――話の展開も気になりますが、灯さんが作中で注目してもらいたいポイントを教えて下さい
ある大切な物を直すシーンがあるんですけどそのシーンがかなり重要で、月子の服装も普段と違っているんです。物語のキーとなり最終的に彼女の心のわだかまりを解くカギでもあるので、そこは注目してほしいです。