――阿久津さんがリョーマ役を演じ始めてからちょうど2年経ちましたが、今の率直な感想を教えてください
こんなに長い間同じ役で舞台に立てることは嬉しい面もありますが、キャラを追究していかないと、っていうプレッシャーもありますね。もっともっとリョーマに近づきたいです。また、2年経って良い意味で舞台に立つ時の緊張感を自信に変えていける状況にもなってきました。でも最初の頃の必死な気持ちも大切にしながら、舞台に立ちたいと思っています。
――公演を重ねていく中で何か変化はありましたか?
ここ最近ですけど、帽子をかぶったらスッと役に入れるようになりました!役に入り込むのには集中力が必要ですが、日頃の生活も以前とは変わってきているので入りやすくなったのかなと思います。

――初舞台の頃に比べて、演技やダンスはどう感じていますか?
楽しいです。ラケットを持っていたら自信が持てるようになりましたね。振ったり、スマッシュしたりと少しずつ自信を持てるようになってきました。でも、ラケットがないとその間手をどうしていたらいいか分からない時があるので、普通のお芝居やダンスとはまた違うものですね……(苦笑)
――阿久津さんとリョーマで共通している部分は?
早起きが苦手なのは似てます(笑)。あとは、負けず嫌いなところが似てきたかな……。最初は演技に自信がなくて、何でも控え目だったんですけど、ちょっとずつ自分の意志を表に出せるようになってきて。そういう面で負けず嫌いになってきました。
――稽古場の雰囲気はどうですか?
今回の公演の対戦校は、大阪の四天宝寺という賑やかな学校なので、楽曲も面白くて一緒に稽古をしていてとても楽しいです。見ていても演じていても面白いので、前回の全国氷帝公演とはまた違った雰囲気の公演になるかなと。フルで公演を楽しめるような作品作りに向けて、みんなで頑張っていますね。どれだけお客様を楽しませるかを第一に考えて稽古に臨んでいます。
――四天宝寺のキャストの方とはコミュニケーションを取っていますか?
稽古が始まったばかりの頃はあまり近づけなかったです。緊張して話せなくて(笑)。でも稽古を重ねていく中で少し近づけてきました!本番が始まったら、実際に同じ舞台に立って時間も共有していくのでもっと会話も増えていくんじゃないかな。
――稽古中のエピソードを教えてください
差し入れでカップラーメンをたくさんいただいたんですけど、それに自分の名前を書かなきゃいけないルールがあるんです。他の人に持って行かれないように。なので、たくさん置いてあるけど気づいたら名前が書いてあるものばかりで取れない、っていう(笑)。この間みかんも差し入れでいただいたんですけど、それも一瞬で無くなりました(笑)。ケータリングは争奪戦なので、そこは男子だな……って感じました。

――四天宝寺公演で注目してもらいたい部分は?
四天宝寺公演は全部の試合が好きなんです。リョーマの立場で先輩たちの試合を見る見方も、全国大会になってから変わってきたように思います。それは台本を見てもわかりますし、自分自身の心境の変化もありますね。
――どう変わってきたんですか?
最初の頃はリョーマって先輩に興味がなくて、自分がただテニスの試合をしたい、勝ちたいがために部活に入った感じだったんですけど、今は先輩頑張れ!って気持ちに変わってきました。これは演じていく上で自分自身の中でも芽生えてきている想いでもあるので。だから全試合楽しみですね。早く始まってほしいです!
――四天宝寺戦の見どころを教えてください
やっぱり一球勝負ですね。試合の稽古も始まっているんですけどまだよくわからない感じなんです。上島(雪夫)さんに「テニスっていうより、見ていてなんだこれって思うようなものにしたい」と言われたので、やるとなったら難しいんですよね。技を繰り出すにあたっていろんな仕掛けがあると思うので、大変な部分でもあります。でも1公演、一瞬だと思います。ぎゅっと凝縮されているので、目が離せないくらいいろんなものを見せられたらと思っています。