――ここからは東さんご自身についてお伺い出来ればと思います。改めてになりますが、芸能界に入ったきっかけを教えてください
学生時代にずっとテニスをやっていて、教えることが好きだったのでテニスのインストラクターになりたいと思っていたんですけど、高校の時に怪我をしてしまって辞めざるを得なかったんです。その後何もしない期間があった時に、友人の家に行ったら雑誌の裏に所属している事務所のオーディションのページがあって、そこにテニミュ(ミュージカル『テニスの王子様』)の写真が載っていて。「別の場所でテニス出来るんじゃない?」って言われてなるほど、と。ダンスとか芝居とかやったことないけどやってみるか!と思ったのがきっかけでした。
――2013年にテニミュでデビューということで目標を叶えられたんですね
そうですね。当時はそれだけのためにやっていました。テニミュへの出演が叶わなかったら辞めるつもりでもいました。書道がある大学に通っていたんですけど、その書道を活かせるような国語の先生になろうかなって思っていました。
――役者のお仕事を続けようと思ったきっかけはあったのですか?
それこそテニミュに受かって稽古に入って、かなり長い期間で本番が行われるわけじゃないですか。そこで、皆で一つのものを作り上げたことがすごく良いなって思ったんです。こんなにも切磋琢磨して皆が同じところを目指して頑張るっていうことが、学生の時って合唱コンクールや文化祭とかがあってもどこかふざけている人ややらない人もいて、自分もそのうちの一人でもあったんですけど(苦笑)。お仕事としてやっていることなので当たり前ですけど、全力で皆と一緒の方向を向いて頑張っていく取り組みを見て、この環境すごく良いな、この環境でもうちょっと続けたいって思って、今に至ります。

――これまで様々なミュージカルや舞台に出演されてこられていますが、ミュージカルや舞台の魅力はどういったところにありますか?
毎日同じことをやらなきゃいけないんですけど、でも絶対毎日同じにならないのが面白さです。全てが終わった時には、たった1週間であれ、3ヶ月であれ、それ以上を過ごしたかのような絆が生まれたり、なんか不思議な世界だなって思います。
――最近ではドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』の出演もかなり話題になっていると思います。周りからの反響はありましたか?
「テレビ出てるじゃん!」って連絡を取っていなかった高校の友だちに言われたり、知り合いからも連絡が来ました。今まで僕のことを知らなかった方がインスタライブに来てくださったこともあって、嬉しかったですね。
――ミュージカルや舞台とは違う、映像作品の良さや面白さはありましたか?
映像はその場での新鮮味や、現場で起こる化学変化みたいなものがすごく素敵だなと思いました。あとは画角的なことになるんですけど、対面で喋っている時に後ろから浜辺(美波)さんの表情を抜くカットになって、「東さん、ちょっとこっちにズレてもらえます?」って言われて。
――カメラの位置を少しずらして撮影することもあるんですよね
映像はよりリアルにって言いますけど、画角的な微調整だったり映像なりの意味のある嘘があるんだと思って面白さを感じました。
あとは物を持つ時でも、向きや高さとか細かい部分をこだわって撮ってくださっていて、こういうところを撮っているんだなと自分も気づくことが出来て、舞台をやる時にも何気なくやるのではなくて、一つの動作にも意味が出るように出来るな、っていう発見もありましたね。
――休日はどのように過ごされているんですか?
良いですね、素朴な質問(笑)。時と場合によりますね。家から全く出ない日もあれば、先輩に会いに昼から出たり、写真を撮りに朝から出たり。でも基本は家から出ずに一日が終わることが多いですかね。家に居る時はYouTubeや映画を見たり、何回も寝たり……皆の休日の過ごし方と一緒です。
――写真はどのようなものを撮ることが多いですか?
風景ですね。何か面白い写真を撮りたくて、散歩しながら見つけるんですけど。僕のInstagramを見てくださっている方は知っていると思うんですけど、ジャガイモが赤いベンチで干されているのが目に入って、何これ面白い!って写真を撮って「ジャガイモもこうやってベンチで休憩するんだね」って言葉を添えたりしました。あとは道と道の隙間に放り込まれたヤカンとか。
――個性的な場面を切り取っているんですね
他にも道に自販機があるじゃないですか。普通は自販機に並んでゴミ箱があると思うんですけど、ちょっと浮いた状態で置かれていたりするんです。これは何でだろう……っていう疑問で撮ることが多いです。そういった変なやつを探すのが楽しいです(笑)
――今後お仕事で挑戦してみたいことはありますか?
まだまだドラマや映画にチャレンジしていきたいですね。今回は北川(悦吏子)さんがお声をかけてくださってドラマに出演することが出来ましたが、今後は自分の力で、その作品に必要とされるような人になっていきたいのでもっともっとチャレンジしていきたいです。
――最後になりますが、ファンの方々へのメッセージをお願いします
いつも応援してくださってありがとうございます。今年に入ってこんなに大きな役でドラマに出演させていただいて、これから始まる舞台の役とかで東の新たな一面が見せられるようまだまだ羽ばたいて、もっともっと上へ上がっていきたいと思っていますので、支えてくださるとありがたいです。よろしくお願いします!


カメラマン:秋葉 巧、取材:村松千晶