――第25章で復活を果たしましたが、そのお話を聞いた時はどんな気持ちだったんでしょうか
いつか復活するんだろうなっていうのは自分の中で勝手に思い込んでいたんですよ。わざとそう思い込まないと本当に怖くなっちゃうので。視聴者の方からもTwitterとかで「賢人はきっと復活するよ」とか「代々先輩が復活してきたから」って言ってくださっていたので、僕もそれに乗っかって「いつか復活するからな!」って考えてはいたんですけど、実際にそれを現実として受け止めた時はすごく嬉しかったです。飛び跳ねそうになるぐらいでした(笑)
――第26章では闇黒剣の中で賢人がどのように過ごしていたのかも分かりました。こちらのお話もご自身にとって大切な撮影になったのではないかと思いますがいかがでしたか?
一発目の撮影からなかなかハードなシーンでしたが、とても大切な撮影になりました。第25・26章は上堀内(佳寿也)監督が担当してくださったんですけど、上堀内監督はものすごく台本を読み込まれていて、キャラクター一人一人の解釈がものすごく深いんです。僕たちももちろん自分の考えを持って行って撮影に臨んでいるんですけど、上堀内監督は僕の2周も3周も先のことを考えている方なんです。撮影の時にも、色んなことを指摘していただいて、僕が考えつかないようなことを言ってくださるのでかなり勉強になりました。より一層役への解釈が深まりました。
――エスパーダの時と復活後のカリバーの時、賢人としても全く違う想いを抱えていると思います。カリバーの賢人を演じる際に意識していることはありますか?
賢人としては数ある未来を見てきたわけなので、普通の精神状態ではないんですよね。闇黒剣の中に閉じ込められていた時に、例えば僕の想像ですけど飛羽真(内藤秀一郎さん)が死ぬ未来とか、皆が死んでしまう未来とか、何十万何百万という未来を一人で見てきたと思うんです。それゆえ精神をすり減らしてしまったというか、自分の心の中の感情はほとんどないんだろうっていう状態で演じることを気をつけています。
あとは飛羽真と皆との差を作ろうと思っていて。もちろん全員のことを大事に思ってはいますけど、その中でも幼馴染の飛羽真との関係性は特別だと思うので、飛羽真と喋る時は感情が少し芽生えるというか、怒りの感情も飛羽真の前では少し滲ませるけど皆の前だと怒る気力もなく淡々としてしまう、といったようなことを意識しています。
――復活後の仮面ライダーカリバーのスーツアクターは中田さんが務められるんですよね
そのまま引き継ぎなんです。賢人がカリバーにはなりましたが、例えばエスパーダの剣さばきやアクションが垣間見える部分が多々出てきたりします。そういったところで飛羽真や周りの皆が、「やっぱり賢人はカリバーになってしまったんだ……」とエスパーダを脳裏に思い浮かべるといったこともあります。なので、引き続き中田さんと一緒に演じさせていただいています!
――今後の展開ですが、希望としてはエスパーダの頃の賢人に戻ってほしい想いもありますが……
僕もいつかは飛羽真と元の関係に戻れるのかな、と想像はしていますけど、最後までカリバーっていうのも自分自身としては悪くないと思っていたり(笑)。色んな考え方があると思いますし、僕自身も先読み出来なくて楽しみにしているところなので、ぜひ視聴者の皆さんも一緒に考察していただければと思います。

――ここからは青木さんご自身について伺っていきます。芸能界に入ったきっかけは?
『BoysAward Audition』っていうエイベックスが主催のオーディションがあったんですけど、友人にやってみなよって言われて受けに行って、賞をいただいたのがきっかけです。
――元々芸能界に興味はありましたか?
正直なかったです。未知の世界だったので触れようとも思っていなかった業界だったんですけど、たまたま友人に誘ってもらったご縁があって、それからはこれを仕事にしていきたいなって思いました。
――前回インタビューに出演いただいたのが2019年10月でした。この約1年半でご自身に変化はありましたか?
やっぱり仕事の面で言うと舞台から映像の方へ行ったということ、しかも『テニスの王子様』から『仮面ライダー』っていう、大きい作品からまた大きい作品へ携われるというのもすごく嬉しかったです。
あと私生活はまた新しい趣味とかも見つけられたので、ガラッとまでは行かないですけど色んなことに挑戦しようって思える1年半になっていたかなと思います。
――ちなみにその新しい趣味とは?
元々自然を見に行くことが大好きなんですけど、コロナ禍で見に行けなくなって。ネットで植物の写真を見ていたんですけど味気なくて、緑をすごく見たくなったので植物集めが趣味になりました(笑)
――ではお家には観葉植物がいっぱいあるんですか?
そうですね。今相当買っていますね。一番ハマっているのが「バキュラリス・ミカド」っていうサンスベリアって種類の植物で、何が良いかってサンスベリアは結構乾燥に強くて冬がすごく育てやすいんですよ。いっぱい種類があるんですけど全種類を買うとちょっとお金が足りないので(笑)、「バキュラリス・ミカド」を買いました。結構スタイリッシュで、今は5,60cmくらいなんですけど半年育てると1m40cmくらいになるって言われて。大きい植物は値段も高いんですけど、小さいものから育てて色々植え替えとかしていくと大きく育てられて良いなって思ったんです。あとガジュマルもこの間買いました。欲しかったんですよ、可愛くて!
――植物園みたいになりそうですね(笑)
これから水植えとかもそうですし、色んな植え方をしたり、楽しみ方を探してやりたいなと思っています。
――今後挑戦してみたいお仕事はありますか?
学園ものの作品に出てみたいなって思います。学生時代あんまり青春が出来なかったので(苦笑)、そういうのに憧れもありますし、今の年齢とこの体格で高校生役が出来るのかなっていうのは知りたいんですよね。作品として面白そうだなって思うものもたくさんありますし、こういうの出てみたいなとか日々思うこともあるんですけど、今の自分に出来るのかなって興味があってやってみたいなっていうのがあります。
――では最後にファンの方々へのメッセージをお願いします。
まずは復活についてたくさんのコメントやメッセージなど、本当にありがとうございました!これから賢人としては第三の台風の目として、今の状況をぐちゃぐちゃにかき乱していくキーパーソンになりたいと思っています。賢人としての性格とか基本的なことは変わりませんが、新しく目標や目的が変わってきています。何を目的として賢人が動いているのかとか、カリバーになった賢人とプリミティブになってしまった飛羽真との絡みというのも新しい展開がたくさん生まれているので、そこを楽しんでいただきたいです。


カメラマン:秋葉 巧