――第13章(2020年12月6日放送)で闇の力に飲み込まれて消滅してしまった賢人が、第25章(2021年3月7日放送)で仮面ライダーカリバーとなり復活しました。お正月特番の書初めでは今年の抱負として「復活したい」と書かれていましたが……
叶いましたね。書いてよかったなって思いました。高橋(一浩)プロデューサーにもお礼を言わないと(笑)
――撮影から離れていた期間はどのように過ごされていたんですか?
その期間は毎日、一日中家に居ました。毎日掃除や自炊をしたり、あとはベランダがあるんですけどその空間が好きで、イスとテーブルを置いてゆっくりコーヒーを飲む日々を送っていました。
――放送はチェックしていましたか?
もちろん見ていました!でも僕がいないところで他の皆が揃っているシーンがあるとちょっと悔しかったです。良いなって思いながら見ていました(笑)
――久しぶりに共演者の方と再会した感想は?
皆と会えた時は嬉しかったですし、周りのスタッフの方々からも「待ってたぞ」とか「おかえり」って温かい声をかけてくださったので、素敵な現場に帰って来れて本当に良かったです。

――改めてになりますが、『仮面ライダーセイバー』に出演が決まった時の気持ちはどうでしたか?
マネージャーさんから電話をいただいたんですけど、喜びより驚きと不安の方が大きかったですね。50年も続いている、由緒ある作品に出させていただくにあたって、本当に受かったのかっていう驚きと、自分に務められるのかっていう不安が強くありました。
――役を演じる上で難しい部分はありましたか?
賢人としてはキャラ作りがまず大変でした。最初に第4章までの台本をいただいた時に賢人の人となりがちょっと見えなくて、ただのクールでかっこいいって言われるようなありがちなキャラなのかなと思ったんですけど、第5・6章辺りからあれ?と。何か重大な過去を背負っているんじゃないかって展開になって、そこから色んなことを考えるようになりました。賢人は何でクールにしているのかとか、誰かに心配をかけないようにしているのかっていうのを探り探り自分の中で考えていくうちに、こういうキャラだったんだなっていうのがどんどん分かってきて。自己犠牲の心ってどうなんだろうとか、そういうことを色々考えて作っていきました。
――青木さんご自身が賢人に似てきたと感じる部分は?
賢人は難しい性格の持ち主なんですけど、きっと皆のことをすごく想いながら毎日生きてきたんじゃないかと思っていて、僕自身も周りのことをより考えられるようになったのかなとは少し思いました。あとは問題を一人で抱え込むところは似てるのかな……。僕も周りに何かを言うわけではなく、これ以上考え込みすぎないようにしようとか一人で自己完結していくことが多いので。でも賢人みたいに一人であそこまで突っ走ったりはしないですけどね。
――仮面ライダーエスパーダの変身ポーズについてもお話を伺えればと思います
変身ポーズはスーツアクターの中田(裕士)さんと一緒に作っていきました。中田さんは天才肌な方で、きっと自分が見たものを少し練習したら完璧にこなせる方だと思うんですけど、動きを教えていただく時の効果音がすごいんですよ!プシューとかザッとか、ガッとやって、とか。変身ポーズを考えた時も「バッてやってガッてやってクルっと回してガッみたいな」って。
――擬音だらけですね(笑)
中田さんの中ではイメージが出来上がっていてご自身でやるのはすんなり出来るんだと思いますが、教え方が独特だなって(笑)。でも本当に丁寧で優しくて、一つ一つ、ここのポーズはこうやった方がかっこよく決まるよって教えてくださいました。
――二人で一つの役を作り上げるのは特撮ならではと言いますか
他の作品だと滅多にないことですよね。だからものすごく楽しかったです。

――そんな賢人が消滅してしまうと、その展開を知った時はどんなお気持ちだったんですか?
消滅することを聞いた時は、まあ当然だなって思いました。賢人の性格もそうですし、今までの行動を考えるとこれはしょうがない結果だったんだなっていうのが第一印象でした。でもどんどん最後のシーンに迫っていくにあたって、本当に消滅するんだってちょっと悲しくなっていたんですけど、これもひとつの結果だと受け止めて、いつか復活出来るかもしれないっていう方向に向けて考えていました。
――消滅のシーンは青木さんにとってかなり大切な撮影になったと思います。どのような想いで臨まれたんですか?
あのシーンは誰かとすり合わせるようなことはしなかったんですけど、自分の中で第1章から第13章までの賢人の言動や一体何を考えていたんだろうなっていうのを一回ノートにまとめて、その後にきっとこういうことを考えるんだろうなって詰めて演じていました。
――その役作りの方法ってこれまでもやられていたことですか?
あのシーンが初めてです。初めてノートに必死に書きました。
――放送後はかなり反響も大きかったと思います。「復活してほしい」という声もたくさん見かけました
ありがたいですし、本当に嬉しかったです。でもちょっと冷や冷やしていたんですよ。賢人のキャラクターって、視聴者の方から見るとこいつちょっと理不尽だなとかどんだけ自己中なんだよって思われる方もいたんじゃないかなって思って。賢人が消滅するにあたって、ストーリー的にもこの消滅はしょうがないって言われたらどうしようっていうのを日々怯えながら生きていました(苦笑)