――ドラマ『瓜を破る~一線を越えた、その先には』は久住さんにとって民放ドラマ初主演となります。オファーが来た時の心境を教えてください
これまで演技のお仕事をしてきましたが、映像の作品でここまでフィーチャーされた役は初めてだったので緊張はありました。自分で大丈夫かなと思いつつ、せっかくお話をいただいたので、とにかく期待に応えようと思って頑張りました。
――撮影は既に終えられているとのことですが、いかがでしたか
一か月ちょっとくらいの撮影期間だったのですが、朝から晩まで撮影して、すごく濃くて全力で駆け抜けたという感じでした。
――台本を読んだ時の感想は?
原作の方も読ませていただいていて、基本的には原作のエピソードを抜粋しているので内容としては分かっていたんですけれども、初めて演じるシーンもたくさんあったので、このシーン大丈夫かなと不安もありつつ、まい子のイメージを膨らませながら読みました。

――久住さんが演じる香坂まい子について、どのような印象を受けましたか?

すごく明るくて普通に彼氏もいて、一見コンプレックスが無いような感じの役柄だなって思いました。でもちょっと自分に自信がないような印象がありました。
――役とご自身で似ているところはありますか?
自信がなさそうという部分は自分とは違うかなと思いますが、私は結構派手に見られるのですが、実際は思ったより派手ではない感じが自分の中であります(笑)。そういう見た目のギャップは私にもあるので、そこはまい子と同じなのかなと思います。
――まい子を演じていた時に気をつけていたことはありましたか?
言いづらいようなセリフを言う時に、監督が「あまり相手の目を見ない方が良いかも」とおっしゃっていて。私はしっかり目を見てしまうみたいで、そうすると自信があるように見えてしまうから、もう少し自信が無いように、あまり目線を合わせないようにしようというのは気をつけていました。
あとは、私は結構瞬きをしてしまうのですが、アップで映るとその瞬きに意味があるように感じてしまうのが気になったので、瞬きをしすぎないように意識していました。
――初めて演じるシーンもたくさんあった、とおっしゃっていましたが印象に残っているシーンやお芝居を教えてください
ラブシーンも初めてだったので、どうやって行われているんだろう?と思っていたのですが、今回はインティマシー・コーディネーターという、センシティブなシーンを撮る時に入ってくださる方がいて、その方に色々と教えていただきました。Netflixにある韓国ドラマの『わかっていても』という恋愛ドラマでラブシーンがたくさんあって、こういう感じでやれたらいいよね、と参考材料をいただいて。新しいものに挑戦しているなという感じがありました。

――本作は久住さんと佐藤大樹さんのW主演ですね
佐藤さんが出演していた作品をいくつか見させていただいたのですが、恋愛ものをたくさんやられていて私よりも場数を踏んでいる方だと思ったので、呼吸を合わせながらも、引っ張って行ってもらいました。
――佐藤さんはどのような印象でしたか?
私が見ていた作品では髪が茶色とか金髪で明るい色のイメージだったので、今回は真っ黒だったので本当に真面目な人、という印象でした。あとは、クランクインの時に佐藤さんが「いつもは現場を盛り上げたりとかする方なんですけど、今回はちょっと役であまり話さないかもしれないです。でも気にしないでください」とお声がけいただいて。すごくストイックな方だなと思いました。
――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
すごいアットホームで結構サクサク進んでいました。どんどん進んでいくので大丈夫かなって不安もありつつ、酒井若菜さんが上司役でご一緒させていただいているんですけど、すごく現場を和ませてくださって、楽しんでリラックスできたなと思います。
――酒井さんとはどのようなお話をされたんでしょうか?
どうやってセリフを覚えていますか?とか、あとは今回初めてのシーンもあるのでどうしたらいいですかね?みたいに相談していました。
――身近に頼れる方がいらっしゃったんですね
そうですね。皆さんすごく優しくて、色んな現場を踏んでいる方がたくさんいたので、主演なんですけど皆さんに引っ張ってもらったなと感じています。

――作品のテーマにちなみ、久住さんがこれまで自分の殻が破れたと思った出来事があれば教えてください
いっぱいありますが……。私はデビューした時はアイドルで、歌やダンスもやったことのない状態で最初はダンスが下手だったんですけど、急に踊れるようになったのは殻を破ったなと思った瞬間です。お芝居は、20歳くらいから本格的に演技をさせていただいていて、その時に佐藤徹也監督の作品で、演技の基礎を固めていただきました。演技も最初は本当に全然できなくて、でもそこでも今までできなかったことができるようになっていって、殻を破ったなというのはあります。でも芸能のお仕事は毎回殻を破りながら進んでいっているような気がします。
――久住さんから見た作品の見どころや注目してほしいポイントを教えてください
原作を見ている方は、割と忠実に色んなことが再現されていると思うのでそこを楽しんでいただけたらなと思います。初めて見る方は、それぞれキャラクターが性格だったり抱えているものが違うので、どこかに共感していただけて、自分と重ね合わせて見ていただけたら楽しいんじゃないかなと思います。