
――また、29歳で高校生役を演じた点はいかがでしたか?
- 今回、全キャストの中で一番歳が近いのが先生役のアリスさんだったので、これもまた面白い経験だなと思いましたが、でも、アリスさんがやってくれたお芝居があったから、あまり気にせず、“先生と生徒”という構図で居られたなと思います。ただ、合唱部の撮影で、現地の島の方々がエキストラで来てくださったのですが、本当に10代のリアル高校生たちだったので、自分が混ざったらさすがにでかいなと思って(笑)。線の細さや筋肉のつき方とか、骨格から違ったので、そこはちょっと並びたくなかったです(笑)
――京香を演じた広瀬さんはどのような方ですか?
- 本人の持っている明るさと、ユニークで面白い方なので、現場が始まって早々に距離が縮まって、普段は歳が近い分、アリスさんの方が年上ですが、友人のように何でも話せる存在でした。ただ、京香と沖晴としては、京香が沖晴を包み込むような感じがお芝居にあったので、役年齢が自然と下げられた部分がありますし、沖晴が懐く感じを出せたのは、アリスさん演じる京香がそこにいたから、自然と飛び込んでいける感覚が日々ありました。
――広瀬さんと、撮影現場で印象的な思い出はありますか?
- アリスさんのヘアメイクさんやスタイリストさんたちもすごく良い方で、その話の輪にスッと入れてくださったことがすごく大きかったです。ロケーションが真夏の灼熱の中だったということもあり、その過酷なロケーションでも、わちゃわちゃと現場の時間を過ごしていたのが、結果的に最後まで皆で乗り越えられたなと、それはアリスさんの人柄あってのことだと、すごく救われました。

――過酷な現場で、暑さ以外に大変なことはありましたか?
- 沖晴のメンタル的な部分ももちろんそうですが、海に飛び込む撮影があったのですが、それも自分でやりたかったので、何度かトライしました。飛び込む自体は大したことはなかったのですが、海面から出てくるのが大変だったんです。海に飛び込んで、ブワッと笑顔で上がってくるシーンの撮影では、人間の体って簡単に浮いてしまうので、重りをいっぱいつけて。ただ、それでも浮いてくるので重たい石を沈めておいて、「何秒か数えたら出てきてください」と。それまで石を掴んで、時間が経ったらブワッと上がってきて笑う、という。今作は暑さと水との戦いでもありましたね。
――また、劇中ではギターでの弾き語りやライブハウスでのライブシーンもありましたね
- ギターはやったことがなかったので苦戦しました。「花は咲く」と「生きる」を並行して練習しなければいけなかったのですが、まずコードを押さえるところからだったので、大変でした。でも、最終的にはお芝居を乗せてできるところまで弾けるようになったかなと思います。
――谷川俊太郎の詩「生きる」にクリープハイプ・尾崎世界観さんが曲をつけた楽曲ですね
- 僕も教科書で学んできた好きな詩だったので、尾崎さんの作る曲に乗せて、映画のテーマでもある「どう生きていくか」をどう伝えるかを考えました。ライブ中、客席の中に京香が見えているような感覚でお芝居をさせてもらいましたが、スクリーン越しに観た方にも、京香の残像があのシーンの中で感じてもらえたら良いなと思います。
――この作品を通して伝えたい思いを教えてください
- 詩の中にもありますが、「生きる」という部分で、どう生きていくのか。生と死に直面している二人が、今をどう生きて、この先をどう生きていくのかは、皆さんの中にも通じる部分だと思います。やっぱり生きていく中で、五大感情は色んなところがミックスされていて、その感情の積み重ねによって生きている感覚を感じられるし、それこそが「生きる」ことなんだろうなと思います。喜びがあり、その中に少し悲しみが混ざっていたり、そういう経験は皆さんももちろんあると思うので、それが生きているということで、今後も人と会ったり、景色を見たり、色んなことで得られる自分の感情を大切にしてほしいなと思います。

撮影:川島彩水
ヘアメイク:速水昭仁
スタイリスト:富田彩人(White Co. )






