――映画『時給三〇〇円の死神』では、西畑さんと福本さんが“死神バディ”を組み、様々な死者の心に向き合っていきます。バディ感で意識していたことはありますか?
- 西畑大吾(以下、西畑):テンポ感はすごく意識しましたね。早いところもあれば、しっかりとゆっくり時間をかけながらお互いの気持ちをぶつけていくようなシーンもあったりするので、死神のアルバイトをやっていくうちにテンポ感が身につけられていき、バディ感に繋がっていったのではないかなと思います。
- 福本莉子(以下、福本):大学で手帳を探すシーンはアドリブがほとんどだったので、そこで色んなアイデアを出しながら、二人の関係性が会話で見えたら嬉しいなと思いました。本読みの段階でも、監督を交えて二人の掛け合いのテンポを調整していました。
――アドリブのシーンが多かったのでしょうか?
- 西畑:ありましたね。もう全編アドリブで…。
- 福本:それは嘘です!(笑)。でも、終盤の公園で掃除しているシーンとかは、会話は使われていないんですけど、動きや雰囲気はアドリブでした。
- 西畑:自由にしてくださいと言われました。結構自由にさせてくれるところはあったので、そういったところでキャラの深掘りができたのではないかなと思います。

――それぞれが演じる役柄の印象はいかがでしたか?
- 西畑:佐倉くんは優しい心を持った人物だなとすごく感じていました。家庭の問題とかで人生に対して希望を見出せなくなった佐倉くんが、花森さんと死神のアルバイトに出会うことによって、だんだん前を向いていくんですけど、元々は多分すごく前向きな子なんですよね。優しくて誠実さがあって、そんな佐倉くんの優しさと誠実さはすごく好きです。
- 福本:花森さんは天真爛漫で掴みどころがなくて、太陽みたいな女の子なんですけど、その明るさの裏にあるものはなんだろうと考えた時に、色んなものを抱えながら一生懸命生きている姿を見て、本当に強い女性だなと思いました。
――“死神バディ”を組む佐倉くんと花森さんは、お互いをどういう存在ととらえていたと思いますか?
- 西畑:恋愛ではないと思うんです。それはこの死神のアルバイトを通じてできた感情だと思います。恋愛感情とはまた違うけど特別な感情があるのは間違いなくて、だからバディなんですよね。相棒のような感情だと思います。この仕事を引き受けたことによって、前を向けるようになったきっかけをくれた人物なので、相棒という言葉がぴったりな気がします。
- 福本:本当にバディですね。恋愛感情はないけど、同志みたいな二人で、家族の悩みとか境遇とか考え方とか違うところもある中で、お互いにしか分かり合えないものがあって、そこが似ているからこそ、唯一無二の関係性なんじゃないかなと思います。

――役を演じる上で大切にしていたことはなんですか?
- 西畑:誠実さかもしれないです。佐倉くんは、ずっと希望を見出せないけど、真っ直ぐに何か足掻こうとしていて、死神のアルバイトを始めてからも、最初は紆余曲折あるんですけど、ずっと誠実で、その誠実さは念頭に置いていました。
- 福本:花森さんは掴みどころがない、ちょっとトリッキーなところもあるので、そこをどうやったら表現できるか考えました。撮影現場で、たとえば広い空間の中でどういうことが表現できるかと思って積極的に動いてみたり、セリフとプラスアルファでその場で面白いことができたりしたら良いなと常々考えていました。内面的なところでは、花森さんの核になっているような部分を自分の中で深掘りして、自分の言葉ですけど、花森さんの心情をメモとかに書いて、感情を深掘りした上での明るさというか、そこの土台をしっかり作ることはすごく意識しました。


