――人気の高い作品なだけ、プレッシャーもあるのでは?
映画を拝見して好きな作品の一つになったし、ヒロインのふくを演じてみたいとは思っていたんですけど・・・(笑)。あれだけ人気のある作品で、原作があり、ドラマや映画にもなっている分、比較されるかもしれないというプレッシャーはありますが、しっかり務め上げたいと思っています。
――ふく役を演じるにあたって役作りはどのようにされていますか?
“おふく様”というキャラクターがしっかり作り上げられているので、敢えてそれを自分流に演じたいとは思っていません。どこかにエッセンスが加われば良いなというくらいで。あとは、映画のイメージがかなり強く残っているので、それも自分の中で一度リセットしないとなぁと思っています。
――幼馴染だった文四郎とふくは、25年くらいの間、お互いを想い合っていたわけですが、北川さんは客観的にこの二人をどう思われますか?
昔からすると珍しくない恋愛感だと思うんですが、凄くせつないですよね。だから、現代に生きる私は幸せだなと思いつつ、心のどこかでそういう恋愛をしたいと思う部分もあります(笑)。時代劇に出てくる男性や女性は、どうにもならない境遇でも自分を奮い立たせて生きていく姿が多いので、そういった生き方にはとても憧れます。

――ふくを演じてみて、リンクする部分は?
ふくが幼い頃の多くは話さず内気な感じだったり、文四郎さんに恋心を抱いて赤面したり、そういったところは中学生のころの私を思い出しました(笑)。なので、何のためらいもなく素直に演じられているんですが、今の課題は、“おふく様”になった時に、言葉ではなく、いかに雰囲気で女性の強さを持ちながら穏やかなオーラを出すかというところですね。
――稽古場の雰囲気はいかがですか?
稽古場に入ることが初めての経験なので、新鮮です。ただ、舞台というのは、動きによって台本が変わるんですよ。それがドラマではあまりないことなので、リアルタイムに皆で作っている感じがして、面白いです。
――この舞台『蝉しぐれ』の見所は?
クライマックスの場面のために、全てのシーンがあると稽古の時も言われたんですけど、そのシーンにどれだけ強い想いを抱いていたか、観客の方に伝わればいいなと思います。
――特に観てもらいたい方はいらっしゃいますか?
明治座によく来られているお客さんにも、もちろん観てもらいたいんですが、同世代の方やあまり舞台に触れたことがない方には特に来て頂きたいです。この舞台がきっかけで少しでも時代劇や舞台が面白いと思ってもらえたら嬉しいです。

――今後、どのような活動をしたいと思っていますか?
上京してから、皆と笑いのツボが違うことに悩んで、バラエティ番組を観なくなってしまった時期があって(笑)。でも、人を笑わせるのは、泣かせる以上に難しいと思うので、コメディーものを・・・、ハリウッド映画でいうとラブコメとか、コントなんかもやってみたいです(笑)!
――プライベートでやってみたいことはありますか?
富士山に登ってみたいですね。あと、最近“木”からパワーをもらえるということに気付いたんですよ(笑)。疲れると木に一分間触ってパワーをもらったりしているので、今度は屋久島に行ってみたいなと思っています。
――最後に読者の方に一言お願いします。
初舞台は一度しかないので、この機会を逃すと一生と観れません(笑)。是非、足を運んでください!