――デビューのきっかけは?
オーディション雑誌を見て、自分で応募したのがきっかけです。
――もともと芸能界に憧れがあったんですか?
憧れというよりも、興味とか好奇心の方が強かったですね。テレビや映画の仕事がどういうものなのか、分からないからこそ見てみたいなという気持ちで。
――最初のお仕事の記憶はありますか?
緊張しましたけど、プレッシャーも捨てるものもないので(笑)。カメラが向いたら写りたい!という感じでした。共演者が何人もいたので、ガチガチに緊張して・・・ということはなかったです。

――NHK朝の連続テレビ小説『純情きらり』でますます注目が集まったと思いますが、実感はありますか?
凄く多くの方が作品を観て下さってるんだなぁという実感はありました。NHKスタジオパークに出演させて頂いた時、間近でファンの方にお会いした時は『あぁ、今まではこんなことなかったなぁ』と思いましたけど、普段の生活で“電車に乗れなくなった”とか“声を掛けられてばっかりで・・・”ということはなかったので(笑)。あまり生活は変わってないですよ。
――ファンの方にお会いすると実感するんでしょうね。
それとブログですね。ブログを始めたのが去年の2月くらいからだったんですけど、始めはコメント数も10~20件くらいだったのが、今は200~300件くらい書き込んでくれて。名前を憶えてくだっさた方が増えたんだなぁって、嬉しいです。
――朝の連ドラは“過酷”という噂を聞いたことがあるのですが(笑)。
長いんですよね。生活の一部として撮影が入ってくる感じなので、体調は崩せないし、怪我もできないので気が緩められないというのはありますけど・・・。どうなんでしょう。確かに一日に撮るシーン数が多いんですよ。でも、宮崎あおいさんが「過酷」と言わなければ、僕は「過酷」なんて言えないです(笑)。
――今までのお仕事で辛かったことは?
10月末にプールに入ったことですかね。それがショートムービーの撮影で、撮影期間が2日だったんです。プールに水を入れない状態で昼間に撮影をして、夜に水を張ったプールに飛び込むシーンがあったんですけど・・・、芝居がどうこうというより、肉体的にしんどくて。プールって普通は、水を張ってから水温を上げるために日光を当てるそうなんですけど、その日は時間がないので、昼間の撮影が終わってから水を張り始めて、水が溜まったら撮影をスタートしました。夜だし、ものすごく水が冷たいんですよ!冷たいのは分かっていたので、入る前に汗をかくくらいに運動をして、「もう水に入りたいです!」というところで入ったんですけど・・・、ピチャっと入った瞬間に、心がパキって折れました(笑)。
――(笑)!もろかったですね。
全然、ダメでしたよ。初めて、「こんなに辛いなら、オレ役者辞めようかな・・・」って(笑)。震えが止まらなくて、アレは肉体的に辛かったです。でも作品は凄く面白く出来上がりました。だから、仕事で辛いというとそういったことですね。時間が不規則で朝から朝までということもありますけどスタッフさんはもっと大変ですし、芝居も自分自身のことですし。後は、技術的なことかなぁ。『のだめカンタービレ』に出演したときに、いきなりオーボエを渡され、10日後に本番とか。「10日でモーツァルトって言われてもぉ・・・」ということもありますけど(笑)。でも、あまりツライとか感じないタイプなので、そういう状況も楽しんでやっています。

――やっていて良かったと思う瞬間は?
大人になってくると熱くなったり、感情が込み上げてくることが少なくなってくると思うんですよ。それが、この仕事をしていると常に良いものを作ろうと話あったり刺激し合えたりするので・・・そういった瞬間はやっていてよかったなぁと思います。童心に戻れるというか・・・、ずっと夏休みなんですよね。
――夏休みですか(笑)?
夏休みって自由研究があったり、何か一つのことに集中して作ったりやったりするじゃないですか。海に行ったり、プールに行ったり、山に登ったりもするし。それは作品を作ることと似ているんです。あと、人との出会いも多いですし、お芝居をしていて台本以上の芝居が生まれたときは気持ちいいなと思います。