――デビューのきっかけは?
知り合いの美容師が『JUNON SUPER BOY コンテスト』に応募してくれて、フォトジェニック賞を頂いたのがきっかけです。
――もともと芸能界には興味があったんですか?
いや・・・、全くなかったです(笑)。
――では、役者をやっていこうと思ったきっかけは?
最初の1、2作目は、手探り状態だったんですが、3作目くらいからだんだんと演技をすることが楽しくなってきてこの仕事を続けていきたいなぁと思いました。

――いろいろな作品に出演されていますが、今までで一番辛いなぁと感じたことはどんなことですか?
WOWOWで『アルバイト探偵(アイ)』というドラマがあったんですが、その撮影の時が一番きつかったですね。撮影中は睡眠時間が2時間くらいで。アクションもあり途中で骨折してしまったんですが休むわけにもいかないし、熱が出ても休めないし・・・。きっとこの先もこんなにキツいことはないだろうと思うくらい辛かったです(笑)。
――逆に、この仕事をして続けていて良かったと思う瞬間は?
自分の出ている作品を観てくれた方から「良かったよ。」と言ってもらえたり、手紙をもらったりすると“やっていて良かったなぁ”と思います。そういったことがなかったら続けていけないと思うし・・・、友達やファンの方々からの声は励みになります。
――2005年の映画『蝉しぐれ』ではキネマ旬報賞 新人男優賞を受賞されましたよね。これは自信になったのでは?
実は、あまり実感が湧かなかったんですよ。自分自身が作品を観る限り“なんで自分なんだろう”って不思議でした。まだ、俳優として活動し始めたばかりだったし、演技にまだ自信があるわけではなかったので・・・。もちろんもらった時は凄く嬉しかったですよ!

――12月22日(土)から映画『グミ・チョコレート・パイン』が公開されますが、まずこの映画のお話を頂いたときはいかがでしたか?
マネージャーさんから、「今日、KERAさん(ケラリーノ・サンドラヴィッチ)と会うから。」と言われたんです。それで、お会いした時は普通にプライベートの話をしただけで、映画の話は全くしませんでした。後日、KERAさんの撮る映画に出演することに決まったんですが、まさか自分が出演するとは思っていなかったですね。でも、映画を撮ると決まってからKERAさんに、「本当は、石田君で撮りたくないんだよねぇ。もっとダサくてカッコわるい人で撮ろうと思ってたんだ。」と言われて(笑)。
――でも、石田さんは8kgも太って役作りされたんですよね。
そうなんですよ。監督とそういう話をした時に、「石田君をもっとダサくしたいから、なんか方法はないかな。」ということで監督と二人で考えたんですけど、僕もちょっと悔しかったので「じゃぁ、10kg太ります!それでどうですか、監督!」って(笑)。でも、撮影までに2週間しかなかったので、とりあえず1日7食、食べてました・・・。結果的に撮影までに8kg太ったんですけど、撮影中も食べまくって12kgまで増やしました。
――そんな大変な思いをして挑まれた“大橋賢三”は、石田さんから見てどんな男ですか?
自分は他の人とは違う何かがあるんだと思いながらも、あまり自信が持てない男ですね。思ってるだけで、行動に出せない情けない男というのを意識しながら演じました。
――賢三を演じている中で、共感する部分はありましたか?
結構ありますよ(笑)。賢三が山口美甘子という女のコに好意を抱くんですけど、二人きりになっても話すことが見つからなくてワケの分からないことを口走ってしまったりとか、なかなか「好き」と言えないアノ気持ちは“分かるよっ!!”と思いました。
――石田さんも好きな人がいたりすると・・・?
言えない、言えない!自分じゃ、絶対言えないです(笑)。
――結構内に秘めているタイプですか?
内に秘めるというか、諦めちゃうかも・・・(笑)。そういう所が賢三と共感できるからこそ、他の要素も膨らませられたと思います。一つも共感できない役は演じられないですし。