――さて、7月4日(金)からスタートするTBSドラマ『魔王』にご出演されますが、まず田中さんの役どころを教えて頂けますか?
過去に傷を負いつつも正義を貫く刑事、芹沢直人(生田斗真)の中学時代からの親友で、そのお兄さんのもとで秘書をしている葛西均という役なんですけど・・・、そのお兄さんの奥さんと不倫する役です(笑)!もう、陰でチュッチュ、チュッチュしてます(笑)!
――(笑)!公開製作発表でもそのお話で盛り上がりましたが、まず台本を読んだ感想を教えてください。
ストーリーが面白くて、次が気になる展開だなぁと思いました。でも、やっぱり自分の役の部分が気になるので、台本を読みながらイメージを膨らまして、『このシーンはこんな感じかなぁ』とか『この言い回しが難しいなぁ』とかページをめくりながら考えていたところに、“貪るようなキス”と台本に書いてあり『えっ!?貪る!?』みたいな(笑)。 キスシーン自体は初めてではないし、映画でもベッドシーンのようなこともあったのでそれほど抵抗はないんですけど。 でも“貪る”というのは衝撃的でした(笑)。
――韓国ドラマのリメイク版ということなんですが、基の作品はご覧になりましたか?
まだ、見ていないんです。台本と資料を読んだだけで。
――では、役作りに関しては資料と台本からイメージして?
そうですね。役作りとしてはだいたい2通りがあると思うんですが、台本からイメージをし、共演者の方々のお芝居に合わせて自分の役を作り上げていくか、原作がある場合は、原作を観て、ほぼ答えの出ているものから自分なりのアレンジを加えるような役作りをするか、どっちにしようかなと考えました。リメイクといっても違う作品になるだろうし、僕も忠実に再現するつもりはなかったので、自分なりにやろうかな・・・と思いながらも、あまりかけ離れ過ぎてもいけないので、そろそろ本作を観ようと思っています。

――演じるにあたって気にかけていることはありますか?
独りよがりの芝居にならないように気をつけています。当たり前のことですけど、共演する方の台詞をちゃんと受けてから、話すようにしてますし、特に連続ドラマの場合は、勝手が分かって気を抜きそうになってしまうこともあるので、常に緊張感を持って演じるようにしています。
――田中さん演じる葛西均という人物ですが、リンクする部分はありますか?それとも全くないですか?
女性から、無理と言われるほど惹かれてしまうという部分は、男として分からなくはないです(笑)。
――共感できるんですね(笑)。
葛西は、親友の兄貴であり、自分も兄貴のように慕っている人の奥さんと不倫をしているわけで、きっと葛藤もあるだろうし罪悪感もあるだろうし。でもその女性を愛してしまっている“無理”な状況が・・・、『無理な恋愛』!?みたいな感じで。
――それは、前クールに出演していたドラマじゃないですか(笑)!
そこに繋がるわけですよ、僕の出演している作品に無駄なものは無いですから(笑)。
――田中さんから葛西という男を客観的にみて、どんな男ですか?
中学からの知り合いである4人の中では、舵取り役だと思います。大学も出て、秘書という職に就き、性格も冷静で温和で常識を持ち合わせているヤツだと思うんですけど、そんな彼が不倫をしてしまうという・・・。 でも、いいじゃないですか!『愛に生きろ!』と僕は応援したくなります。よく恋愛相談を受けることがあるんですが、恋をしている人に何を言っても無駄なんですよ。大人の事情や社会性とか体裁とか、言っても聞かないから、それなら『行っちゃえ!』って。それで成功しても失敗しても、その人の経験になるので、『葛西、頑張っちゃえよ!』と思っています(笑)。
――応援しながら演じていらっしゃるんですね。
応援しますよ。だから、奥さんとのシーンは情熱的に、“アイラブ麻理さん!”という気持ちで演じていこうと思っています!

――とても緊張感のあるシリアスなストーリーなので、現場の雰囲気もピリピリしているような気がするんですが、実際はいかがですか?
もちろんシリアスな物語ですし、現場では皆さん役作りしてますからカットがかかってもその雰囲気が残っていたりもしますけど、 合間には共演者の方と団欒トークもあったり、良い雰囲気で撮影ができています。基本的に僕は、カットがかかると緊張がすぐ解ける方なんですけど、そうならない現場というのも凄く大事だと思っています。常に緊迫感を保っている分疲れますけど、その緊張感が逆に心地よくて、それが映像に出ていると嬉しいし、このままの雰囲気で続けていきたいです。
――ドラマのみどころを教えてください。
二転三転する展開ですね。真犯人は既に分かっているにも関わらず、予想を裏切っていく展開とか複雑に絡み合う人間関係は、韓国版の魔王を見ている方でも衝撃的なものになると思うし、見ていない方には今までになかったような新鮮なドラマになると思います。 毎週金曜日を楽しみにしてもらえるようなドラマにしたいとスタッフや出演者は思っているので、まずは一話目を観て頂いて、ハラハラドキドキしてもらいたいです。
――毎週観ないとその複雑な人間関係やストーリーが分からなくなりそうですね。
でも、たまにはこういったドラマがあっても良いと思います。最近は一話完結のドラマや、途中から観てもなんとなく分かるものが多いので。そういう意味では、このドラマは一話でも見逃したら大変ですよ。
――伏線もかなりありそうですから。
もう、タコ足配線並みに絡み合ってます(笑)。それを3ヶ月かけて1つ1つ解いていくので、全部解けた時の快感を味わうためにも毎週楽しみにしてもらいたいです。