――ドラマ『大病院占拠』に出演が決まった時の心境はいかがでしたか?
「鬼です」って言われて、「えっ?鬼?」って感じでした(笑)。でも概要を見させていただいてすごく面白そうだなと思いましたし、放送が開始されてもしばらくキャストが解禁されないというのもすごく新しい取り組みで、色んな考察が捗る作品になるんじゃないかなと思ってすごく楽しみではありました。
――ネット上では誰が鬼を演じているのか様々な予想が飛び交っていましたが、浅川さんもチェックされていましたか?
見てました!口元だけで私の名前以外に王林さん、今田美桜さん、小芝風花さんと言われていて、皆さん可愛い方だなと思って、すごくまんざらでもない気持ちで考察を見ていて(笑)。その中でも私の名前を挙げてくれる方が私のファンじゃない方だったりしたんですよね。私のファンの方はザワザワしているのを見て、画像を確認して「これは絶対そうだ」ってなっていたんですけど、その前のザワザワを起こしてくれた方たち、特に女の子なんですかね?「これは浅川梨奈ちゃんだ!」っていうツイートとかが増えているのがすごく嬉しくて、それと同時にびっくりもしました。あの口元だけで分かるほど、私のことを見てもらえてるんだなって嬉しかったです。

――楽屋の名前貼りも役名になっていたとありました
顔が出るまでは役名で書かれているんですけど、正体が明かされてからは本名になっていくので、(村上)淳さんと森田(甘路)さんと大水(洋介)さんの名前が連なってるのを見た時はわー!って感動しました(笑)
鬼の状態で番宣に出演した時は、私は既に顔が出ていたので名前だったんですけど、その時点で顔が出てなかった青鬼さんは役名で、そこまで徹底していたんです。
――本当に特殊な現場ですね
台本にも名前がなくて、8話でやっと自分の名前が書いてある台本になったり。放送を見ていて、エンドロールのモザイクの取り方もめちゃくちゃかっこよくて痺れましたね。あの部分だけ「すごい!」って何度も再生しました(笑)
――演じていて難しさを感じるところは?お面を外す前と後で変わりますか?
鬼の面を付けてる時は視界の狭さや動きづらさももちろんなんですけど、一番は口元しか出てないからどうお芝居をするかっていう……。顔の寄りとかになると良いんですけど、引きの状態だと口元しか見えていないからちょっと視線を動かしたりしても分からないので、少し大げさに体を動かしてみたりして、どうしたらこの感情が伝わるか、表現できるかをすごく考えていました。
――普段のドラマ撮影とはまた違った点ですね
多分それは皆さん思っていて、だからお面を付けている時はちょっとお芝居が大きくなってる感じはありました。先にお面を外した淳さんから「皆、お面取った後芝居がなんか解放されてる!芝居が変わってるよ!」って報告されて、「自分はずっとここ(肩)に着けてるからいいですよね」って他の鬼の人たちに言われていたり(笑)。でも確かに、皆さんお面を外してから解放感に溢れているなって思いました。

――6話で常陸親子がなぜ鬼になったのかが判明しましたが、まだまだ明かされていないことがたくさんありますね
7話で「そんな終わり方するの?嘘だろ」って感じでしたが、これから鬼の中でも動きがあって、鬼のお面を外したらそこがピークと思われがちかもしれないですけど、実はそこからが面白いんです!1話から伏線は張られているので、考えていったら辿り着くかもしれません。ちゃんと明言されて真相に迫っていくのは8話以降になるのかなって感じはありますし、鬼の動機もそうですけど、警察側の反撃もどんどん展開されていくので、スピード感があって本当に面白い作品です。
――オリジナル作品なので展開が読めないので楽しみです
私も出演してるんですけど、警察チームの皆さんとはなかなかお会いしないので、どういう風に撮ってるか何をやっているか分からず別のドラマを撮っている感覚で。完成されたものを見て、普通に一視聴者として楽しんでいます。
――鬼の皆さんは基本的に病院内ですからね
撮影が始まって3ヶ月で、先日ようやく警察チームの方と初めてお会い出来て「本物だ…!」って言っちゃいました(笑)。ソニンさんにも「いつも見てるよ!」って言われて、すごく不思議な感覚でした。
――ビジュアルだけ見ると怖そうな百鬼夜行の皆さんですが、現場の雰囲気は?
びっくりするぐらい和気あいあいとしていて、いつも誰かしらがゲラゲラ笑ってます。皆さん個性的な方ばかりで、比嘉(愛未)さんは私のパパ・水橋(研二)さんのことが可愛すぎて「推し」って言ってるんですけど(笑)。そんな水橋さんが時々テディベアみたいな顔で座ってる時があって、私が「テディベア!テディベア!」って言ってると、皆で「かわいい~!」って盛り上がって、水橋さんも「えへへ」って笑ってくれるんです。そこで淳さんがさらに違うベクトルから水橋さんをいじって皆で笑ったりとか。

――楽しい現場だというのが伝わってきます(笑)
あとは、真飛聖さんが人見知りをせず人の心に入り込んでいくのが上手な方なんですけど、私自身3度目の共演ですっかり懐いているので、ゆう姉にくっついていたらゆう姉が色んな人の心を開けていってくれるからそこに便乗して、色んな方と距離が近くなれました。
前室が一番疲れるんですよ(笑)。私がずっとゆう姉をいじっちゃって、いじってもいじらせてくれるしそれで乗っかってくれてさらに上を行くから私も負けじと……って感じなので、大体真飛・浅川ペアがうるさいですね(笑)。でも先輩方が率先して現場の空気を明るくしてくださるので、甘えさせてもらってます。
――素敵な先輩方ですね
年齢とか芸歴とか関係なく、壁を作らないように接してくださるので、もちろん親しき中にも礼儀ありではありますけど、ちょっとふざけてツッコんだりとかしてもそれを許してもらえる関係性というか、広い心を持ってくださっているのですごく助かっています。変にピリピリもしないし、でもいざお芝居となると背中を見せてくれるので、本当にかっこいい先輩たちだなって。