――稽古場の雰囲気はどうですか?
すごくいいですね!稽古が始まって1日目に皆でご飯に行って、その後も頻繁にご飯に行っているような稽古場ですね。この作品のことについて話したり、くだらないことも話していて、すごく仲が良くてとても心地いいです。
――主演を務める丸山さんはどのような方ですか?
今回の役が自分に当て書きされていることもあるからか分かりませんが、すごくありのままでいてくださっていて。丸山さんが自分自身をさらけ出していてくださるからこそ、皆も自然体で居られる、そんな稽古場を作ってくださっています。

――稽古中のエピソードはありますか?
私の恋人役を九条(ジョー)さんが演じるのですが、九条さんのアドリブが毎回面白くて!「ここはちょっとお客さんの笑いを取ってほしい」と三浦さんから無茶ぶりを言われて、「なるほど……やってみます!」と出てきたのが面白くて。私も自然に笑っていて、すごく良い雰囲気を作れています。私は九条さんと一緒にいるシーンが多いので、二人で関係性を作っていっているのがすごく楽しいです。
――本番も九条さんのアドリブシーンがあるかもしれないですね?楽しみです
「毎回違うんですよね?」と皆で圧をかけたりしていて(笑)。「明日もこれですか?」と聞くと九条さんは「ちょっと考えてきます!」と言って、それもまた面白くて。二人でどんなアドリブを使おうか作戦会議しているのが楽しいです。

――恒松さんご自身は2019年の初舞台から、舞台としては本作で4作目となります。テレビや映画といった映像のお仕事と舞台の違い、魅力をどう感じていますか?
何度も稽古をしながらお芝居を作っていくことができるのは一番魅力的なことで、稽古期間が一番好きです。ドラマや映画といった映像の世界だと、その日に会って撮影して解散ということが多くて、その場の瞬発力で作り上げていかなければいけないことが多いんです。だけど、舞台は一か月半ぐらいの稽古の中で、皆でアイディアを出し合っていいものを作り上げていく。それが一番の魅力で、お芝居をしているなという感じもするので楽しいです。
――セリフを覚える時はどのようにしていますか?
私はセリフ覚えが速い方ですが、舞台の時は確実にセリフを覚えなければいけないじゃないですか?なので舞台の時は自分のセリフを録音して、耳で聞いて覚えています。
――今回セリフは多いですか?
後半にすごくセリフが多いシーンがあって、もうセリフは覚えましたが、頑張らなきゃいけない見せどころです!
――舞台の見どころや楽しみにしてほしいところを教えてください
『ハザカイキ』という題名にあるように、平成から令和に変わりましたが、狭間というか、最近色んな言葉があるじゃないですか。「ソフト老害」とか「ハラスメント講習」とかもそうですけど、だんだん色々な問題が取り上げられて変わっていくような時期だと思うんです。今この時期だからこそ観てほしい作品でもあり、でも三浦さんはこの作品を7年間ずっと構想していて、このタイミングで上演されるという運命的な瞬間を劇場でお客さんに観ていただきたいなとも思います。この作品を観たことで、何かがすぐに変わるというわけではないと思いますが、自分の中の価値観を考え直す、自分の価値観と向き合うきっかけとなる作品になったらいいなと思います。何が正解かというのは世界中の人が模索中だと思いますし、この作品で何が正解かとは言いませんが、皆で話し合って考えていくきっかけになったら良いなと思います。


写真:秋葉巧、スタイリスト:横山雷志郎(yolken)、ヘアメイク:武久真理江