――2007年アミューズ全国オーディションにてグランプリを受賞されて芸能界に入られましたが、当時と比べてご自身で成長したなと感じる部分はありますか?
もう成長しかないです、って自分で言うのもあれなんですけど、当時は何も知らなかったので。本当に「神木(隆之介)くんに会いたい」という想いで応募したので会えるだけで満足でしたし、事務所に入ったらお芝居をしなきゃいけないとか、人前に立って何かしなきゃいけないということを想像していませんでした。ダンスはすごく好きだったので人前で踊ることは大好きだったんですけど、お芝居はまた別で。オーディションの時もめちゃくちゃ緊張して「早くこの時間終わってくれ!」って思っていたので、それを今後仕事にしていくって分かっていなかったです。
あとお芝居に関しても、昔は真面目に考えすぎていて……お芝居で100点取りたい、って思っていたんです。勉強で言うと国語じゃなくて数学が得意というか。
――決められた答えを出そうとしていた?
そうなんですよ!でもお芝居って同じ役でも100人いれば100人違う芝居をするし、そこに面白さがあるじゃないですか。それを色々な現場や俳優さん、演出家さんや監督さんに教えてもらいました。
――これまで様々な作品に出演されていると思いますが、その中で印象に残っている作品は?
最近だと『心の傷を癒すということ』というドラマを昨年撮ったんですけど、その時期は自分的にスランプだったんです。上手くお芝居出来ないな、とか自分はこうやってやったつもりなのに、オンエアを見たらこんな芝居した覚えがないのに、といったことがあって。そのスランプから脱却出来た作品だったので、すごく印象に残っています。NHK大阪の作品で、関西弁のスタッフさんが多くて温かくアットホームな現場で、あとは柄本佑さんとお芝居をさせていただいたことが自分の中ではすごく大きなことでした。私は多重人格と診断された精神病の役で、柄本さんが精神科医の先生だったんですね。これまで見ていた柄本さんは狂気的な役が多くて、なのにこの作品では別人のような優しい表情をされていて、精神科に通う患者さんが先生のことを好きになっちゃう気持ちが良く分かるなと思いましたし、お芝居を超えているような感覚でした。役として大変でしたけどやりがいがあって、考えることはすごく楽しいので色々考えて演じて、それをオンエアで見た時に自分の中で「上手く出来たかも!」って思える瞬間がありました。

――Twitterで4月末から「#手書き更新」を始められていますが、やろうと思ったきっかけは?
自粛期間中に友だちとオンライン飲み会をした時に、コロナ禍でも表現者として何か発信していかなきゃいけないよね、という話になったんです。そこで私の強みってなんだろうって皆で考えて、「あなたは字が綺麗だよ!」って言われたので字を使って身近に出来ることはTwitterかなと思って更新していました。毎日更新するって言っていたんですけど全然出来てないです……。
――普通のツイートとはまた違って温かみがあり、清水さんを身近に感じられる印象がありました
友だちからも「あれ良いね」「楽しみにしてる」って言ってもらえました。更新しようって思うんですけど家に帰ると忘れちゃうんですよね(苦笑)。更新します!
――最近ハマっていることは?
韓ドラは永遠に見るぐらいハマっていて、あとは刺繍も最近やっています。刺繍は韓ドラ見ながらとか、台本覚えながらやったりしています。
――なぜ刺繍をやろうと思ったんですか?
母親が昔から裁縫が得意で、母親が作った服ばかり着たり、ぬいぐるみと同じ服を作ってくれてそれを着たりしていました。そんな母親から「女の子なんだからやった方が良いよ」って言われていたんですけど、当時は外で遊んだり、パパっ子だったので父親と何かすることの方が多くて。でも20代後半になって、なんか刺繍とかやりたいなと思うようになってそのことを母親に伝えたら大喜びで実家にある刺繍キットを大量に送ってくれたので、それをやっています。
――完成した刺繍はお母さんにご報告されるんですか?
すぐ見せます。「上手じゃない!」って褒めてくれます(笑)。A型で几帳面なので、布が穴だらけになるぐらいまでやり直したりするんですけど。
――その作品がSNSとかで見られるんですね
Instagramにはたまに載せたりしています。これからも頑張ります。
――今後お仕事で挑戦してみたいことは?
コメディ作品はお芝居がすごく難しいと言われていますが好きなジャンルなので、そういうお芝居がもっと出来るようになりたいなと思います。あとは永遠に喋っていられるので、ラジオにも挑戦してみたいです。
――では最後にファンの方々へメッセージをお願いします
私のことをフォローして下さっている方の中でも「『現代能楽集』がすごく好きなんです」って言ってくれる若い子や学生の方がいるのがすごく嬉しくて。世田谷パブリックシアターやシアタートラムは学生チケットもあって、私はそれに学生時代すごく助けられて、たくさん演劇を観させてもらいましたし、あとは『現代能楽集』は分かりやすい物語なので、能楽に触れる機会にもなると思うしすごく勉強になると思います。今後の人生の糧にもなると思うので、ぜひ観に来てほしいです。
あとは、このご時世になってしまいましたけど、表現者としてやっていくことは今までと変わらず、演じることを常にやっていきたいと思います。また、役者だけじゃなくて表現者として、自分を出せる場所も増やしていけたら良いなと思っているので、ぜひ今後とも応援よろしくお願いします。


写真:秋葉巧、ヘアメイク:堀川知佳、スタイリスト:山本隆司
取材:村松千晶