――ここからは鈴鹿さんご自身についてお伺いします。芸能界に入ったきっかけを教えてください
高校2年生の時に通っていた学校で広瀬すずさんが出演されていた映画の撮影が行われることになり、エキストラを募集していたので「芸能人見に行こう!」って友だちと参加しました。そこでマネージャーさんや制作会社の方に声をかけられたのがきっかけです。映画の撮影では僕は昇降口にいて、こっちに来てくださいって呼ばれた時に広瀬さんとパッと目が合って会釈したんです。僕は「芸能人の人と会釈した!」って嬉しかった思い出があります。
――元々芸能界に興味はありましたか?
全くないです。芸能界って異世界というか、テレビの向こうの世界なので自分が行くとは思っていなかったです。あと岡山の田舎で育ったので、撮影用のカメラがあるだけで「おお!」ってなる地域だったので考えていませんでした。
――実際に芸能界に入ってみて、自分自身に変化はありましたか?
人間関係において中学や高校の時は狭く深くの関係が一番良いと思っていたんですけど、映画の撮影とかだと1ヶ月くらい毎日キャストとスタッフさんと一緒にいて、そこで狭く深くとか考えていたら良い作品にならないなと思ったんです。社交的になったわけではないですけど、人との接し方は変わりました。

――最近では『MIU404』の出演が話題になっていましたが、周りの方からの反響はありましたか?
『MIU404』は色々な方から連絡がありましたね。「MIU見てたら央士が出てた」って連絡をもらったり、あとは「いつまで出るの?」とはよく聞かれましたね。3話にゲストで出演して最後逃げて菅田(将暉)さん演じる久住と出会って、その後話数が空いて次が7話だったんですけど。
――ハラハラしながら見てました。どうなっちゃうんだろうって
「この後どうなるの?」っていうのもすごく言われました。でも周りの友だちだけではなく、同じ俳優さんからも「見たよ」って言っていただけたのは嬉しかったです。
――東京に上京して2年が経ったと思いますが、東京の生活には慣れましたか?
慣れましたけど、行動範囲はほとんど変わっていないですね。なかなか広がらなくて……代々木公園とかも行ってみたいなとは思うんですけど実現出来てないんです。あまり遠出が出来なくて。東京って近場に何かしらあるじゃないですか。
――近くに何でも揃っていますもんね
わざわざ遠くに行く意味がないなと思っちゃって……。山手線でいうと新宿や渋谷の辺りはまだ分かるんですけど、それ以外は行ったことがないです。
――それこそ東京でカレーのお店を開拓するとなれば山手線の東側にも足を運ぶことになるのでは?
そうなんですよね。撮影の時も行ったことのない土地のカレー屋さんで行われていたので……お店の場所は知っているので行ってみたいと思います。
――今後挑戦してみたいお仕事や出演してみたい作品はありますか?
家族ものの映画に出演してみたいです。映画『蜜蜂と遠雷』で共演した松岡(茉優)さんのことをお姉ちゃん、(松坂)桃李くんと(森崎)ウィンくんのことをお兄ちゃんだと思っているんですけど、その話をしたら「映画とかで家族として共演した人たちとの絆っていうものはすごく良いものがあるんだよ」と教えてもらって、それを感じてみたいなと思いました。一つの家族の作品に出てみたいです。
――それではプライベートで挑戦したいことは?
たくさんあります!
――例えばなんでしょうか?
パッドで音楽を作ってみたいし、フィルムの現像もしてみたい。あとは服も作ってみたいですね。
――クリエイティブなんですね
多分そっち派なんだと思います。めちゃくちゃ下手くそなんですけど(苦笑)。だけどやりたいって思える今この時間が好きなんです。やり始めたら難しいとしんどくなると思うんですけど、やり始める前のよし!楽しみだな!って気持ちが好きです。まだ始められてないんですけどね(笑)
――最後に、ファンの方々へメッセージをお願いします
いつもSNSや色々なところで応援の言葉をもらえて、僕自身そこで自信につながることもありますし、頑張って良かったって思えます。作品を作る側として『蜜蜂と遠雷』では「ピアノを弾きたくなった」とか、『おっさんずラブ』は「明日からまた1週間頑張れます」とかそういった声をいただいたんですけど、それって赤裸々というか、すごく大きな告白じゃないですか。そういう言葉を素直に伝えてくださる方々がいるのはすごく嬉しいですし、この仕事をやっていて良かったと思えるひとつの要素になっています。これからも頑張ります。よろしくお願いします。


写真:秋葉巧、ヘアメイク:小池裕輔、取材:村松千晶