――ここからは『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のお話を。6月23日の放送から、カナロ(リュウソウゴールド)役として出演されていますが、出演が決まった時の心境はいかがでしたか?
オーディションでは全然上手に出来なかったんです、お芝居が。あまり緊張するタイプではないんですけど、その時は自分でも分かるぐらい緊張していてセリフを上手く言えずに噛んでしまったり……。終わった後マネージャーさんと2時間くらい電話していたんですよ。どうやったらオーディションで自分を上手く出せるか、自信を持てるか、って相談に乗ってもらって。その1週間後くらいに合格したと電話が来て、次の日が別の撮影だったんですけど興奮しすぎて眠れなくて、寝ないまま仕事に行きました(笑)
――それほど嬉しかったんですね
嬉しさと同時に信じられない気持ちもあって、ベッドの上で飛び跳ねていました(笑)。で、眠れなかったので過去のスーパー戦隊シリーズを見たりしていましたね。

――カナロはイケメンで妹思い、真っ直ぐな性格でありながら節約家でお嫁さんを探している、といった少し変わった一面もありますが兵頭さんご自身と似ている点はありますか?
台本を読んだ時に、最初は「チャラ男」だなと思ったんです(笑)。自分とは全然共通点がないなと。
――女性に花を渡すシーンとかですか?
そうですね、「フォーユー」って花を渡すところや発言も、最初は理解が出来なかったのが正直な気持ちです。でも、演じていけばいくほど自分と似ていることが見つかっていって、理解出来るようになっていきました。
――例えばどういったところが?
カナロが婚活しているのも理由があって、海のリュウソウ族の未来の為なんですよね。海のリュウソウ族は自分と妹のオトしかいないので、子孫繁栄は本能でやらなければいけないことだと思って婚活をしているんです。傍から見たら変な人ですし、物語の中でも「婚活?」と周りのメンバーからツッコまれるシーンもありますけど、でもカナロにはそれを止めない真っ直ぐさがあります。自分がこうすると決めたらやる、周りにどう思われても出来る、という。自分も他の人から真っ直ぐだと言われることが多いので、そこはカナロと似ていると思っています。あとは、オトや女性に対する時、カナロは一生懸命なんですけどその一生懸命さが裏目に出て、少し抜けている部分や残念な部分があるんですよね(苦笑)。自分もよく性格が抜けているとか、天然と言われることがあるので……カナロと似ているのは真っ直ぐさと抜けている部分です。
――スーパー戦隊といえばアクションも見所になっていますが、アクションに挑戦してみてどうですか?
単純に運動が得意で身体を動かすのが好きだからといって出来ることではないんだなと思いました。また、アクションでは、動いている中でも表情が大事なんですよね。例えば妹が攫われた時と女性が攫われた時、仲間がやられて助けに来る時の顔は全て違うんです。そこで顔のお芝居をしなければいけないですし、その中で動きをつけて敵と闘わなければいけないのがすごく難しいです。アクションはかっこよく、迫力がないといけないですし、ただ単に戦っていればいいという問題でもないので。難しいですけど、食らいつくしかないので一つ一つ一生懸命にやっています。

――他のリュウソウジャーのメンバーの印象は?
初めて会ったのが福井県での映画の撮影の時だったのですが、正直5人の中に入っていくのは不安でした。でも初日から一緒に大浴場に行ったり、その後一つの部屋で皆でダンスの練習をしたり話したりして……撮影に入る前の不安な気持ちが一気になくなりました。皆のお陰だと思っています。
――今後の見どころを教えてください
物語としてはまだ序盤なので、これからカナロや他の5人も知られていない一面がどんどん掘り下げられていくと思います。まだ描かれていない物語が自分自身もすごく気になるので、今後も注目して見てほしいです。
――最後に、ファンの方々へメッセージをお願いします
映画『5億円のじんせい』はデビュー作で、初めてお芝居に挑戦した自分にとって大切な作品です。将来、役者を続けていく上で出演作の先頭にいる作品になるので応援してくださっている方々にはぜひ見ていただきたいと思います。また、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』も自分にとってレギュラーを初めて頂けた作品なので、こちらも引き続き見ていただきたいです。これからも応援のほどよろしくお願いします!


写真:秋葉 巧、取材:村松千晶