――全国各地で公演が行われていますが、会場ごとで雰囲気の違いはありますか?
全然違いますね。お客様が入っている状況も会場ごとに異なっていて、袖幕側まで席があれば、そこのお客様も意識しないといけないな、と考えたりしていました。豊田市民文化会館では、見切れ席がない代わりに縦長の会場だったので、反響で音が吸収されてしまう特徴がありました。その場合は歌い方を少し変えなければいけないのですが、その会場では4公演しかなかったので、その少ない公演でいかに一番良い声を届けられるか、模索しながら演じました。
――青学(せいがく)vs立海の前編では手塚vs真田の試合もありましたが、この試合はどのような気持ちで臨んだのでしょうか
関東大会では青学(せいがく)も立海も部長が不在の状況で、全国大会でそれぞれ戻ってきて試合に臨んでいますが、全員揃っての決勝戦ということで面持ちや気迫が違いますし、気持ちの面でも部長がいるからこそチームとしても気合いが高まっていると思いました。その中で、第一試合の相手が真田でしたが、真田はジュニア時代から手塚を意識しているのに対して、手塚は個人的に誰かを意識するというよりチームの為に勝ちにいく、という想いが強いと思うんですよね。チームの為にどこまで自分を犠牲にして戦うのかという手塚と、個人戦で手塚に勝ちたいという真田、二人の鬼気迫る想いがぶつかりあった試合でした。手塚があそこまで感情を剥き出しにするのは新鮮だったのではないかと思います。
――これまで演じてきた試合とはまた気持ちは違ってきますか?
これまでの試合ももちろん本気で挑んできましたが、決勝戦ということもあり気合いの入り方が違うと自分でも思います。役を演じる上で、本気で戦いながら技を上手く魅せるよう心がけていましたが、真田との試合では上手く魅せるというよりは、素を全てさらけ出して勝利を目指すような、がむしゃらさを初めて出す試合になるように演じました。
――12月からは後編が上演となりますが、注目してほしいポイントは?
青学(せいがく)も立海も共に2セット取り、最後のシングルス1で越前と幸村に託されるわけですが、記憶が完全に戻ってきていない状態の越前が舞台の限られた時間の中でどのように思い出して行くのか、演じる側としても楽しみです。また、試合の展開もどちらが勝つのか、お客様もドキドキできるように僕たちもベンチワークから引き出していきたいと思っています。

――そして10月8・9日には「ミュージカル『テニスの王子様』秋の大運動会2019」が開催されます。3rdシーズンでは初開催となる大運動会ですが、楽しみにしていることは?
実は走ることが好きで、短距離が得意なんです。なので、ごぼう抜きとかしてみたいですね。
――手塚のごぼう抜き、見てみたいです
僕としてだったら本気で走るのですが、役として出場するので手塚はどんな感じでやるのか、自分の中で色々と考えています。
――学生時代、運動会で印象に残っているエピソードはありますか?
小学生の頃、クラス対抗でのリレーがあったんですけど、何人か選抜するのではなくて全員出場だったんです。とても時間がかかるリレーでしたが、良い思い出になっています。昔から足には自信がありました。
――今回手塚は白組ですが、白組の中で活躍してくれそうなメンバーは?
白組はですね……やはり亜久津(川上将大さん)とか、暴れてくれそうですよね。あとは部長陣が活躍してくれそうだなと思っています。皆足が速いと言っているので、良い勝負になるのではないかと。
――大運動会への意気込みは?
本当の運動会のような内容になっていると思いますので、学生時代を思い出しながら皆で盛り上がって、わいわい楽しめたら良いなと思います。
――最後に、ファンの方々へメッセージをお願いします
青学(せいがく)vs立海戦では、前編で色々な試合展開をお見せすることができ、また新しいものをお客様に届けられたかと思います。少し期間は開いてしまいますが、前編での熱は絶やさずに、後編へ繋げていけたらと思っていますので、ぜひ観に来てください。よろしくお願いします。


カメラマン:秋葉巧、取材:村松千晶